このドキュメントでは、Open Shortest Path First(OSPF)を実行しているルータでルータ ID が選択される仕組み、この値の送信に使用されるパケット、および重複 ID を報告するルータのログ メッセージをトラブルシューティングする方法を説明しています。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
IP ルーティング プロトコル
OSPF ルーティング プロトコル
このドキュメントの情報は、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.2 に基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
この設定は、次のバージョンのハードウェアとソフトウェアにも使用できます。
2500 および 2600 シリーズなどのすべてのルータ
レイヤ 3 スイッチ
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
デフォルトでは、OSPF プロセスが初期化される際、OSPF プロセスのためのルータ ID として、ルータで最も高い IP アドレスが選択されます。このルータ ID によって、OSPF ドメイン内のルータが一意に識別されます。
「OSPF の設定」で説明されているように、OSPF ではルータ ID としてインターフェイスに設定されている最も大きい IP アドレスを使用します。この IP アドレスに関連付けられているインターフェイスがダウンした場合、または削除された場合、OSPF プロセスは新しいルータ ID を再計算し、すべてのルーティング情報をそのルータのインターフェイスから再送信する必要があります。
ループバック インターフェイスが IP アドレスで設定されている場合、Cisco IOS ソフトウェアはその IP アドレスを、より大きい IP アドレスが他のインターフェイスにある場合でもルータ ID として使用します。ループバック インターフェイスは停止しないため、より安定したルーティング テーブルが実現されます。
OSPF では、自動的にループバック インターフェイスが他よりも優先されます。また、すべてのループバック インターフェイスの中で最も高位の IP アドレスが選択されます。ループバック インターフェイスがない場合は、ルータ内の最上位 IP アドレスが選択されます。OSPF は、特定のインターフェイスを使用するようには設定できません。ルータ ID は、いったん選択されると、OSPF プロセスが再始動するか、ルータがリロードされない限り、変更されません。
注:起動時に有効なIPアドレスを持つインターフェイスがup/up状態でない場合、OSPFはルータIDエラーメッセージをログに割り当てません、と報告します。
ルータ ID の表示には、次のコマンドが使用されます。
R2-AGS#show ip ospf interface e0 Ethernet0 is up, line protocol is up Internet Address 1.1.1.2 255.255.255.0, Area 0 Process ID 1, Router ID 5.5.5.5, Network Type BROADCAST, Cost: 10 Transmit Delay is 1 sec, State BDR, Priority 1 Designated Router (ID) 6.6.6.6, Interface address 1.1.1.1 Backup Designated router (ID) 5.5.5.5, Interface address 1.1.1.2 Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5 Hello due in 0:00:07 Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1 Adjacent with neighbor 6.6.6.6 (Designated Router)
ルータIDとしてルータで最も高いIPアドレスを選択するデフォルトの動作は、Cisco IOSソフトウェアリリース12.0(1)Tで導入されたrouter-id OSPFコマンドを使用して変更できます。詳細については、Cisco Bug ID CSCdi38380(登録ユーザ専用)を参照してください。OSPF の router-id コマンドにより、OSPF プロセスのルータ ID は手動で選択されたものになります。次の例では、OSPF プロセスのルータ ID は 10.10.10.10 です。
! router ospf 100 router-id 10.10.10.10
次の例のように、show ip ospf database コマンドを使用してルータ ID をチェックすることもできます。
Router#show ip ospf database OSPF Router with ID (10.10.10.10) (Process ID 100)
OSPF での重複ルータ ID の解決についての説明をお読みになる前に、5 つの OSPF パケット タイプを理解しておく必要があります。これは次のようなパケット タイプです。
Hello
データベース記述(DD)
リンク ステート要求
リンク ステート更新
リンク ステート確認応答
すべての OSPF パケットの先頭は、標準的な 24 オクテットのヘッダーです。ヘッダーにはルータ ID フィールドがあり、OSPF パケットを送出しているルータの一意の ID が示されていることに注意してください。
バージョン |タイプ |パケット長 |
ルータ ID |
エリア ID |
チェックサム | AuType |
[Authentication] |
[Authentication] |
パケット データ |
通常、OSPF パケットではリンクステート アドバタイズメント(LSA)が搬送され、これには、ルータのすべてのリンクやインターフェイス、およびリンクの状態が記述されています。すべての LSA の先頭が同じヘッダーである場合、次の 3 つのフィールドで個々の LSA が識別されます。
Type
Link State ID
Advertising Router
OSPF では、リンク ステート更新パケットを使用して LSA をフラッディングし、リンク ステート要求への応答として LSA を送信します。さらにフラッディングする新規更新パケット内の適切な ISA の再カプセル化は OSPF ネイバーが担当し、作成されたネットワーク上に OSPF LSA を伝達します。このようにして、重複ルータ ID を検出でき、複数のルータで伝達できるようになります。
重複したルータ ID があるかどうかの判別は、次の手順で実行します。
この ID を必要とするルータ上で show ip ospf database router x.x.x.x コマンドを実行します。このコマンドにより、ルータおよびその直接接続されたインターフェイスすべてをアドバタイズする、ルータ LSA(タイプ 1)の内容が表示されます。ルータのインターフェイス リストと、割り当てられた IP アドレスを把握します。
重複が報告されているルータ上で、show ip ospf database router x.x.x.x コマンドを何度か実行します。最短パス優先(SPF)アルゴリズムは、10 秒おきの頻度で実行できます。
これらのコマンドがキャプチャされたら、変更情報を把握できます。次に示すのは、show ip ospf database router コマンドの出力例です。
r2.2.2.2#show ip ospf database router 1.1.1.1 OSPF Router with ID (2.2.2.2) (Process ID 2) Router Link States (Area 0) LS age: 279 Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: Router Links Link State ID: 1.1.1.1 !--- For router links, the Link State ID is always the same as the !--- advertising router (next line). Advertising Router: 1.1.1.1 !--- This is the router ID of the router which created !--- this LSA. LS Seq Number: 8000001A Checksum: 0xA6FA Length: 48 Number of Links: 2 Link connected to: another Router (point-to-point) !--- This line shows that this router (1.1.1.1) is a neighbor !--- with 2.2.2.2. (Link ID) Neighboring Router ID: 2.2.2.2 (Link Data) Router Interface address: 0.0.0.12 !--- In case of an unnumbered link, use the Management Information !--- Base (MIB) II IfIndex value, which usually starts with 0. Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 !--- This is the OSPF cost of the link that connects the two routers. Link connected to: a Stub Network !--- This entry represents the Ethernet segment 4.0.0.0/8. (Link ID) Network/subnet number: 4.0.0.0 (Link Data) Network Mask: 255.0.0.0 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 10 !--- This is the OSPF cost of the Ethernet segment.
同じ OSPF ドメイン内で 2 つのルータが同じルータ ID を使用していると、ルーティングが正常に機能しない可能性があります。重複ルータ ID の検出と報告のメカニズムを向上させるには、Cisco Bug ID CSCdr61598(登録ユーザ専用)および CSCdu08678(登録ユーザ専用)を参照してください。これらの Cisco Bug ID に関する詳細を見るには、Bug Toolkit(登録ユーザ専用)を参照してください。重複ルータ ID には、次の 2 種類があります。
エリア重複ルータ ID
%OSPF-4-DUP_RTRID1: Detected router with duplicate router ID 100.0.0.2 in area 0
説明:OSPF はエリア内で、ルータ ID が同一であるルータを検出しました。
推奨処置:OSPF ルータ ID を一意にしてください。エリア内のすべてのルータが、一意のルータ ID を持つようにしてください。
タイプ 4 LSA
%OSPF-4-DUP_RTRID2: Detected router with duplicate router ID 100.0.0.2 in Type-4 LSA advertised by 100.0.0.1
説明:OSPF は他のエリアで、ルータ ID が同一であるルータを検出しました。このルータは Type-4 LSA でアドバタイズされています。
推奨処置:OSPF ルータ ID を一意にしてください。リモート エリア内のすべての自律システム境界ルータ(ASBR)が、一意のルータ ID を持つようにしてください。
OSPF ドメイン内で、ルータがエリア境界ルータ(ABR)と ASBR のどちらの役割も果たしている場合、次のログ メッセージ例に示すように、重複ルータ ID が誤って報告される場合があります。
OSPF-4-DUP_RTRID_AS Detected router with duplicate router ID 10.97.10.2 in Type-4 LSA advertised by 10.97.20.2
OSPF ドメインワイドの検出のこの問題を解決するには、Cisco Bug ID CSCdu71404(登録ユーザ専用)を参照してください。
ルータで Type 4 LSA を受信して、リンク ステート ID がルータ ID と同じであり、そのルータが ABR ではない場合、リモート エリアでの有効ルータ ID の重複が発生して、エラー メッセージがログされます。
ルータが ABR ではない場合、そのルータ自体に関する Type 4 LSA を、他の ABR から受信することがあります。この状態は重複ルータ ID の問題ではないので、エラー メッセージはログに記録されません。
Type 4 LSA は、ASBR サマリー LSA とも呼ばれています。これらの LSA を調べるには、次の例のように、show ip ospf database asbr-summary コマンドを発行します。
ABR は、他のエリアへの ASBR の到達可能性をアドバタイズするために、(Type 4)ASBR サマリー LSA を作成します。
r2.2.2.2#show ip ospf database asbr-summary 1.1.1.1 OSPF Router with ID (2.2.2.2) (Process ID 2) Summary ASB Link States (Area 0) LS age: 266 Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: Summary Links(AS Boundary Router) Link State ID: 1.1.1.1 (AS Boundary Router address) !--- ABR (Router 2.2.2.2) advertises that it knows how !--- to reach the ASBR (Router 1.1.1.1). Advertising Router: 2.2.2.2 LS Seq Number: 80000001 Checksum: 0x935C Length: 28 Network Mask: /0 TOS: 0 Metric: 64 !--- This is the cost of ABR to reach the ASBR.
LSA が Type 4 の場合、リンク ステート ID はアドバタイズされた ASBR のルータ ID です。詳細については、「OSPF が複数エリアへの外部ルートを伝搬する方法」を参照してください。
Cisco Bug ID CSCdr61598(登録ユーザ専用)および Cisco Bug ID CSCdu08678(登録ユーザ専用)の統合よりも前にリリースされた Cisco IOS ソフトウェア リリースでは、トラブルシューティングは実施済みです。
次のイメージは、この手順で説明されている単一エリアのネットワークを表しています。
show proc cpu | include OSPFコマンド。これにより、CPU を使用する OSPF プロセスがわかります。
r4#show proc cpu | include OSPF 3 4704 473 9945 1.38% 0.81% 0.68% 0 OSPF Hello 71 9956 1012 9837 1.47% 1.62% 1.41% 0 OSPF Router
前の例に示すように、OSPF のための CPU 使用率が高くなっています。これは、リンクの安定性に問題があるか、重複ルータ ID の問題があることを示しています。
show ip ospf statistics コマンドを実行します。これにより、SPF アルゴリズムが通常以上に実行されているかどうかを確認できます。
r4#show ip ospf statistics Area 0: SPF algorithm executed 46 times SPF calculation time Delta T Intra D-Intra Summ D-Summ Ext D-Ext Total Reason 00:01:36 0 0 0 0 0 0 0 N, 00:01:26 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:01:16 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:01:06 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:00:56 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:00:46 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:00:36 0 0 0 0 0 0 0 R, N, kmbgvc 00:00:26 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:00:16 0 0 0 0 0 0 0 R, N, 00:00:06 0 0 0 0 0 0 0 R, N,
show ip ospf statistics コマンドにより、前の例に示すように、SPF の再計算が 10 秒おきに実行されていることを確認できます。これは、ルータとネットワーク LSA によってトリガーされます。現在のルータと同じエリアに問題があります。
show ip ospf database コマンドを実行します。
r4#show ip ospf database OSPF Router with ID (50.0.0.4) (Process ID 1) Router Link States (Area 0) Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Link count 50.0.0.1 50.0.0.1 681 0x80000002 0x7E9D 3 50.0.0.2 50.0.0.2 674 0x80000004 0x2414 5 50.0.0.4 50.0.0.4 705 0x80000003 0x83D 4 50.0.0.5 50.0.0.5 706 0x80000003 0x5C24 6 50.0.0.6 50.0.0.6 16 0x80000095 0xAF63 6 50.0.0.7 50.0.0.7 577 0x80000005 0x86D5 8 Net Link States (Area 0) Link ID ADV Router Age Seq# Checksum 192.168.2.6 50.0.0.6 6 0x8000007A 0xABC7
show ip ospf database コマンドにより、1 つの LSA は新しく(age 16)、そのシーケンス番号は同じ OSPF データベース内の他の LSA よりもはるかに高いことが確認できます。この LSA を送出しているルータを特定する必要があります。同じエリアにあるので、アドバタイズ側ルータの ID は把握できます(50.0.0.6)。 このルータ ID は重複している可能性が高いと考えられます。この同じルータ ID を持つ他のルータを特定する必要があります。
次に、show ip ospf database コマンドの例をいくつか示します。
r4#show ip ospf database router adv-router 50.0.0.6 OSPF Router with ID (50.0.0.4) (Process ID 1) Router Link States (Area 0) LS age: 11 Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: Router Links Link State ID: 50.0.0.6 Advertising Router: 50.0.0.6 LS Seq Number: 800000C0 Checksum: 0x6498 Length: 72 Number of Links: 4 Link connected to: a Transit Network (Link ID) Designated Router address: 192.168.2.6 (Link Data) Router Interface address: 192.168.2.6 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 10 Link connected to: another Router (point-to-point) (Link ID) Neighboring Router ID: 50.0.0.7 (Link Data) Router Interface address: 192.168.0.21 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 192.168.0.20 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.252 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 50.0.0.6 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.255 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 1 r4#show ip ospf database router adv-router 50.0.0.6 OSPF Router with ID (50.0.0.4) (Process ID 1) Router Link States (Area 0) LS age: 7 Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: Router Links Link State ID: 50.0.0.6 Advertising Router: 50.0.0.6 LS Seq Number: 800000C7 !--- The sequence number has increased. Checksum: 0x4B95 Length: 96 Number of Links: 6 !--- The number of links has increased although the network has been stable. Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 192.168.3.0 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.0 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 10 Link connected to: another Router (point-to-point) (Link ID) Neighboring Router ID: 50.0.0.5 (Link Data) Router Interface address: 192.168.0.9 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 192.168.0.8 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.252 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: another Router (point-to-point) (Link ID) Neighboring Router ID: 50.0.0.2 (Link Data) Router Interface address: 192.168.0.2 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 192.168.0.0 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.252 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 64 Link connected to: a Stub Network (Link ID) Network/subnet number: 50.0.0.6 (Link Data) Network Mask: 255.255.255.255 Number of TOS metrics: 0 TOS 0 Metrics: 1
ネットワークを把握している場合は、どのルータがこれらのリンクをアドバタイズしているのかがわかります。最初の出力は、OSPFネイバー50.0.0.7のルータからLSAが送信され、2番目の出力はネイバー50.0.0.5と50.0.0.6を示しています。これらのルータを見つけてアクセスし、OSPFルータIDを確認します。この例では、R6とR3です。
3>show ip ospf Routing Process "ospf 1" with ID 50.0.0.6 Supports only single TOS(TOS0) routes Supports opaque LSA r6#show ip ospf Routing Process "ospf 1" with ID 50.0.0.6 Supports only single TOS(TOS0) routes Supports opaque LSA
show run | beg router ospfコマンドを発行して、OSPF設定で開始する設定を確認します。
R6#show run | include router ospf router ospf 1 router-id 50.0.0.6 log-adjacency-changes network 50.0.0.0 0.0.0.255 area 0 network 192.168.0.0 0.0.0.255 area 0 network 192.168.2.0 0.0.0.255 area 0 r3#show run | begin router ospf router ospf 1 log-adjacency-changes network 50.0.0.0 0.0.0.255 area 0 network 192.168.0.0 0.0.0.255 area 0 network 192.168.3.0 0.0.0.255 area 0
前の例では、router-id コマンドが削除されており、OSPF プロセスは再始動していません。ループバック インターフェイスが削除されて他の場所で設定されている場合にも、同じ問題が発生する可能性があります。
clear ip ospf 1 process コマンドおよび show ip ospf コマンドを実行して、プロセスをクリアします。
r3#clear ip ospf 1 process Reset OSPF process? [no]: y r3#show ip ospf Routing Process "ospf 1" with ID 50.0.0.6 Supports only single TOS(TOS0) routes Supports opaque LSA
前の例に示すように、誤った IP アドレスがまだ表示されます。
show ip int brie コマンドを実行して、インターフェイスを確認します。
r3#show ip int brie Interface IP-Address OK? Method Status Protocol Ethernet0/0 192.168.3.1 YES NVRAM up up Serial1/0 192.168.0.2 YES NVRAM up up Serial2/0 192.168.0.9 YES NVRAM up up Loopback0 unassigned YES NVRAM up up Loopback1 50.0.0.6 YES NVRAM up up !--- The highest Loopback IP address
この問題を訂正するには、ルータで設定されている最も高いループバックが OSPF ネットワークで一意であることを確認するか、OSPF ルータのコンフィギュレーション モードで router-id <ip address> コマンドを実行して、ルータ ID を固定的に設定します。
これらの問題の症状は、R6によってスタティックからOSPFプロセスへの再配布を通じて学習された外部ルート、ASBRルータがOSPFエリア0内のすべてのルータのルーティングテーブルからフラップすることです。
症状を確認するために、show ip route コマンドを何度か連続して実行します。
r5#show ip route 120.0.0.0 Routing entry for 120.0.0.0/16, 1 known subnets O E2 120.0.0.0 [110/20] via 192.168.0.9, 00:00:03, Serial2/0 r5#show ip route 120.0.0.0 % Network not in table r5#
LSA が受信されているかどうかを確認するために、OSPF データベースを調べます。show ip ospf databaseコマンドを何度か連続して発行すると、LSAが2台のルータ(50.0.0.6と50.0.0.7)で受信されていることがわかります。2番目のエントリの経過時間を調べると、その値が劇的に変化していることがわかります。
r5#show ip ospf database | begin Type-5 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.6 2598 0x80000001 0xE10E 0 120.0.0.0 50.0.0.7 13 0x80000105 0xD019 0 r5#show ip ospf database | begin Type-5 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.6 2599 0x80000001 0xE10E 0 120.0.0.0 50.0.0.7 14 0x80000105 0xD019 0 r5#show ip ospf database | begin Type-5 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.6 2600 0x80000001 0xE10E 0 120.0.0.0 50.0.0.7 3601 0x80000106 0x6F6 0 r5#show ip ospf database | begin Type-5 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.6 2602 0x80000001 0xE10E 0 r5#show ip ospf database | begin Type-5 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.6 2603 0x80000001 0xE10E 0 r5#
また、アドバタイズを行っているルータの 50.0.07 から受信されている LSA のシーケンス番号を調べると、奇妙な動作を確認できます。50.0.0.7から受信するその他のLSAを確認します。show ip ospf database adv-router 50.0.0.7コマンドを何度か連続して発行すると、この例に示すように、エントリが急速に変化します。
r5#show ip ospf database adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.5) (Process ID 1) Router Link States (Area 0) Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Link count 50.0.0.7 50.0.0.7 307 0x8000000D 0xDF45 6 Type-5 AS External Link States Link ID ADV Router Age Seq# Checksum Tag 120.0.0.0 50.0.0.7 9 0x8000011B 0xA42F 0 r5#show ip ospf database network adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.5) (Process ID 1) r5#show ip ospf database network adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.5) (Process ID 1)
最後の出力には何もありません。ルートがフラッピングしているか、別の種類の問題がある場合、ほとんどは OSPF ドメイン内の重複ルータ ID が原因です。
50.0.0.7 からアドバタイズされた外部 LSA を確認するには、show ip ospf database コマンドを実行します。
r5#show ip ospf database external adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.5) (Process ID 1) Type-5 AS External Link States Delete flag is set for this LSA LS age: MAXAGE(3600) Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: AS External Link Link State ID: 120.0.0.0 (External Network Number ) Advertising Router: 50.0.0.7 LS Seq Number: 80000136 Checksum: 0xA527 Length: 36 Network Mask: /16 Metric Type: 2 (Larger than any link state path) TOS: 0 Metric: 16777215 Forward Address: 0.0.0.0 External Route Tag: 0 r5#show ip ospf database external adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.5) (Process ID 1) r5#
この確認には、SPF 計算理由を調べます。X は、外部 LSA(タイプ 5)のフラッピングのために SPF が 10 秒おきに実行されていることを意味しており、これにより、SPF が実行していることが確認できます。
r5#show ip ospf statistic Area 0: SPF algorithm executed 2 times SPF calculation time Delta T Intra D-Intra Summ D-Summ Ext D-Ext Total Reason 00:47:23 0 0 0 0 0 0 0 X 00:46:33 0 0 0 0 0 0 0 X 00:33:21 0 0 0 0 0 0 0 X 00:32:05 0 0 0 0 0 0 0 X 00:10:13 0 0 0 0 0 0 0 R, SN, X 00:10:03 0 0 0 0 0 0 0 R, SN, X 00:09:53 0 0 0 0 0 0 0 R, 00:09:43 0 0 0 0 0 0 0 R, SN, X 00:09:33 0 0 0 0 0 0 0 X 00:09:23 0 0 0 0 0 0 0 X
問題は現在のエリア外にあります。ABR に注目してみましょう。OSPF エリア 0 以外のエリアの可視性を高めるため、ABR Router 2 に Telnet 接続します。show ip ospf border-routers および show ip ospf database network adv-router コマンドを実行します。
r2#show ip ospf border-routers OSPF Process 1 internal Routing Table Codes: i - Intra-area route, I - Inter-area route i 50.0.0.7 [20] via 192.168.2.1, Ethernet0/0, ASBR, Area 1, SPF 25 r2#show ip ospf database network adv-router 50.0.0.7 OSPF Router with ID (50.0.0.2) (Process ID 1) Net Link States (Area 1) Routing Bit Set on this LSA LS age: 701 Options: (No TOS-capability, DC) LS Type: Network Links Link State ID: 192.168.1.2 (address of Designated Router) Advertising Router: 50.0.0.7 LS Seq Number: 80000001 Checksum: 0xBC6B Length: 32 Network Mask: /24 Attached Router: 50.0.0.7 Attached Router: 50.0.0.1
障害のあるルータは50.0.0.1と同じLAN上にあります。これはRouter 6である必要があります。show ip ospfコマンドを発行します。
r6#show ip ospf Routing Process "ospf 1" with ID 50.0.0.7 Supports only single TOS(TOS0) routes Supports opaque LSA It is an autonomous system boundary router.
問題のあるルータが見つかった場合は、このドキュメントの「単一エリアのネットワーク」セクションを参照して問題を修正してください。
The %OSPF-4-FLOOD_WAR:Process 60500 flushes LSA ID 10.35.70.4 type-5 adv-rtr 10.40.0.105 in area 10.40.0.0 というエラー メッセージを受け取ります。
このエラー メッセージは、ルータが LSA を発信するか、LSA を高いレートでフラッシュすることを示しています。ネットワークの一般的なシナリオでは、ネットワーク内の 1 つのルータが LSA を発信し、2 つ目のルータがその LSA をフラッシュするという場合があります。このエラー メッセージの詳細な説明は、次のようになります。
Process 60500:エラーを報告した OSPF プロセス。この例では、プロセス ID は 60500 です。
re-originates または flushes(キーワード):ルータが LSA を発信またはフラッシュするかどうかを意味します。このエラー メッセージでは、ルータは LSA をフラッシュします。
LSA ID 10.35.70.4:フラッディング ウォーが検出されたリンク ステート ID。この例では、10.35.70.4 です。
type -5:LSA のタイプ。この例では、Type 5 の LSA を使用しています。
注:フラッドウォーには、LSAごとに異なる根本原因があります。
adv-rtr:LSA を発信するルータ(つまり、10.40.0.105)。
Area:LSA が属する領域。この例では、LSA は 10.40.0.0 に属しています。
解決方法
このエラーのタイプの詳細を確認してください。この例では、タイプ5です。この指定は、異なるエリアにある2つのルータに重複するルータIDがあることを意味します。その結果、1 つのルータ上でルータ ID を変更する必要があります。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
24-Apr-2012 |
初版 |