この文書では、On-Demand Routing(ODR; オンデマンド ルーティング)に関する FAQ について説明します。
A.オンデマンドルーティングはルーティングプロトコルではありません。Cisco Discovery Protocol(CDP)を使用して、IP プレフィックスを伝播します。ハブ アンド スポーク VPN トポロジにおいて、スポーク ルータが、ハブ以外の他のルータに接続していないことによってスタブ ルータとして動作する場合に、ODR は最適なソリューションです。ネットワーク内で Cisco ルータだけを使用し、Cisco IOS® 11.2 以降を実行する場合は、ODR を使用できます。ダイナミック プロトコルを実行しているネットワーク環境(ISP など)では、ODR は適していません。詳細については、「オンデマンド ルーティングの設定」を参照してください。
A.ハブルルータでrouter odrコマンドを設定し、スポークルータでダイナミックルーティングプロトコルをオフにします。スポーク ルータは、CDP を使用して自動的に自分のサブネットのアドバタイズを開始します。スポーク ルータには router odr コマンドは不要です。ODR の設定の詳細については、「オンデマンド ルーティングの設定」を参照してください。
A. router odrコマンドを使用して、ハブでODRを起動します。次に、スポークが CDP を使用して IP プレフィックスを送信します。CDP の拡張部分は 5 バイトで、接続されているサブネットの IP アドレスにサブネット マスクが 1 バイト追加されています。
A.この制限は、Cisco IOS®ソフトウェアリリース12.1以降で修正されています。
A.ポイントマルチポイントインターフェイス上でODRを実行するには、CDPを有効にする必要があります。デフォルトでは、CDP はすべてのポイントツーマルチポイント インターフェイスで無効です。cdp enable コマンドを使用して、ODR アップデートを受信するようにインターフェイスを設定してください。
A.ハブル側またはスポーク側からルートをODRに再配布することはできません。スポーク側では、接続されているインターフェイスの IP プレフィックスの伝搬に CDP を使用するため、ODR を有効にする必要はありません。そのため、スポーク側では、ODR を有効にしないでください。
ハブ以外をポイントするスタティック ルートがスポークにある場合、スポークはスタブ ルータとして機能しなくなります。これは中継ルータになります。ODR は中継ルータ向けではありません。また、ODR をこのような環境で使用することは推奨されません。
ハブからスポークへのルートの再配布に関して、スポークに出力点が 1 つしかない場合は、常にハブをポイントするデフォルト ルートが使用されます。使用される Cisco IOS ソフトウェア リリースによっては、このデフォルト ルートはスポークで手動で設定されるか、または ODR がハブで有効にされた後にハブから CDP 経由で学習します。冗長性を確保するため 2 台のハブ ルータを使用している場合、ODR は適切に機能します。ロード バランシングを行うか、1 つのリンクをバックアップとして保持できます。
A.はい、マルチベンダー環境でODRを実行できます。シスコ製ではないルータはスポークとして使用する必要があります。ODR を実行するのはハブ ルータなので、スポークとして動作しているシスコ製ではないルータに関する情報は受信しません。このことから、シスコ以外のスポークとハブの間では標準ルーティング プロトコル(RIP や OSPF など)を使用することが推奨されます。残りのスポーク ルータがシスコ製ルータの場合でも、ハブ ルータで ODR を実行できます。詳細については、「大規模スタブ ネットワークの設計」ホワイト ペーパーを参照してください。
A.いいえ。ODRはCPUを大量に消費しません。これは、CDPを使用して、1分ごとにレイヤ2で小さなパケットを送信するためです。タイマーをより厳しい値に設定しても、CPU 使用率は高くなりません。
A.シスコは1000個のスポークを使用してODRをテストし、CPU使用率が最大4 %に達したことを確認しました。このテストは、Cisco 7206 ルータで 150 MHz の NPE プロセッサにより行いました。テストの詳細については、「大規模スタブ ネットワークの設計」ホワイト ペーパーを参照してください。
A.はいえ、timers basicコマンドを使用してODRタイマーを調整できます。この方法の詳細については、「大規模スタブ ネットワークの設計」ホワイト ペーパーを参照してください。
A.はい、ODRは複数のハブで動作します。すべてのハブは完全にメッシュ化されており、ハブ間で IGP を実行する必要があります。このように設定しておけば、1 台のハブがダウンしても、スポークは引き続きネットワークのバックボーンに接続できます。
A.いいえ。スポークルータでダイナミックルーティングプロトコルを有効にすると、ODRは動作しません。スポーク ルータが CDP を介して自分のサブネットをハブに送信する際には、ルータで何らかのルーティング プロトコルが有効になっているかどうかがチェックされます。ダイナミック ルーティング プロトコルが検出されると、サブネットのアドバタイズが停止します。
A.はい。ODR とダイナミック ルーティング プロトコルはハブ ルータで実行できます。
A.はい。任意のダイナミック ルーティング プロトコルに、ODR を再配布できます。再配布できるのは、ハブ ルータだけです。ODR 設計の詳細については、「大規模スタブ ネットワークの設計」ホワイト ペーパーを参照してください。
A. スポークルータでスタティックデフォルトルートを設定できるのは、12.0.5Tよりも前のCisco IOSソフトウェアリリースを使用している場合だけです。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0.5T 以降では、ハブからスポークへの自動デフォルト ルートを送信する新しい機能があります。