このドキュメントでは、ドメイン ネーム システムについて説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)は、ホスト名などのオブジェクト名を IP 番号またはその他のリソース レコード値にマッピングする、インターネットのシステムです。インターネットのネーム スペースは、ドメインに分割されており、各ドメイン内でのネームの管理は、通常、各ドメインのシステムに一任されています。
たとえば、アリゾナ州立大学に属するすべてのインターネット システムの名前は、arizona.edu.domain にあります。arizona.edu のネーム スペース管理は、インターネットのルート ネーム サーバから、アリゾナ州立大学の CCIT Telecom が運営するネーム サーバ システムに一任されています。たとえば、このネームサーバ システムの名前は arizona.edu、IP アドレスは 128.196.128.233 と 128.196.128.234 です。
さらに、arizona.edu ネーム スペースの一部の管理は、Telecom のネーム サーバから、キャンパスの学科ごとのネーム サーバに分担できます。このシステムによって、各学科ではサブドメイン内の名前を独自に作成および管理できます。たとえば、arizona.edu のいくつか、またはすべてのサブドメインを、コンピュータ科学科、数学科、または物理学科などのさまざまな学科別のネームサーバに分けて管理できます。
インターネットは、ドメインおよびサブドメインに分割して名前によって管理すること(アリゾナ州立大学の arizona.edu、アップルコンピュータ社の apple.com など)に加えて、ネットワークやサブネットに分割して番号によって管理できます(アリゾナ州立大学の 128.196.0.0、アップルコンピュータ社の 130.43.0.0 など)。インターネットでは、名前によるレイアウトは管理責任(所有権)を表し、番号によるレイアウトは物理的なトポロジを表します。
インターネットのオブジェクト名とその番号が関連している必要はありません。 たとえば、128.196.0.0 のネットワークは、アリゾナ州立大学内に物理的に存在します。アップルコンピュータ社のマシンをアリゾナ州立大学のネットワークに接続する場合は、マシンの番号を 128.196.xxx.yyy に変更する必要がありますが、名前の xxx.Apple.com を変更する必要はありません。ただし、アップルコンピュータ社とアリゾナ州立大学は、システムのネームサービスの役割を共有します。アップルコンピュータ社は名前を番号に、アリゾナ州立大学は番号を名前に関連付ける必要があります。
DNS の主な機能は、名前と番号のマッピングです。中でも最も重要なのは、ホスト名を IP アドレスに変換することです。これによって、アプリケーションから ftp prep.ai.mit.edu などのコマンドを使用してネットワーク接続を確立できます。また、DNS は、IP アドレスを名前に戻すようにマッピングし、r コマンドなどによって、一定のレベルの認証を提供できる必要があります。
IP アドレスからホスト名への逆マッピングは、IN-ADDR.ARPA 擬似ドメインの支援によって実行されます。命名システムでは右側に行くほど重要性が高いため、アドレスの表記は反転します。IP アドレス 128.196.120.82 の DNS エントリは 82.120.196.128.IN-ADDR.ARPA となります。