このドキュメントでは、Cisco IOS® XR ソフトウェアを実行するルータのサービス パック(SP)について説明します。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
このドキュメントの情報は、Cisco アグリゲーション サービス ルータ(ASR)9000 シリーズのハードウェアで実行される Cisco IOS XR ソフトウェアに基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
このドキュメントは、次のバージョンのハードウェアにも使用できます。
SP は、複数のプラットフォーム依存(PD)およびプラットフォーム非依存(PI)ソフトウェア メンテナンス更新プログラム(SMU)を 1 つのパッケージにまとめたものです。
SP の目的は、独立した SMU の管理オーバーヘッドを削減することです。SP では、1 つまたは少数の SP Package Installation Envelope(PIE)による修正と同じ数の修正が提供されます。
包括 SMU と複合 SMU も、1 つの PIE で複数の修正を提供するものであり、一般的です。これらは、定義済みの境界で分類される修正(通常は特定のコンポーネントの PD 修正または PI 修正)を提供します。4.2.3 の複合 SMU である C-SMU1 および C-SMU2 には、PD 修正のみが含まれています。BGP の包括 SMU には、PI の BGP コンポーネントの変更だけが含まれています。SP では、これらの境界が取り除かれ、すべての PD および PI 修正を 1 つのパッケージで提供できます。
次の図は、通常の SMU と比較した SP の概要を示しています。
SP は、Cisco IOS XR ソフトウェア バージョン 4.3.2 以降のサポートされているメンテナンス リリースに対して平均 2 ヵ月間隔で正式に開発、テスト、リリースされます。
SP をシステムにインストールするのに、必ずしもすべてのオプション パッケージ(MPLS や MGBL など)は必要ありません。唯一の前提条件は、Cisco IOS XR がインストールされていることです。
インストールされていないオプション パッケージの修正はアクティブになりません。オプション パッケージの修正をアクティブにするには、SP の前にパッケージをインストールする必要があります。または、SP のインストール後にオプション PIE をインストールできます。SP に修正が含まれているオプション PIE を確認するには、admin show install active detail コマンドを使用します。
この例では、SP にマルチキャスト(MCAST)PIE の修正は含まれていないため、この PIE を問題なくインストールできます。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3#admin show install active detail
disk0:asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:asr9k-9000v-nV-supp-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:asr9k-os-mbi-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:iosxr-service-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:asr9k-fpd-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:iosxr-mgbl-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:iosxr-mpls-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:asr9k-fwding-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:iosxr-routing-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:iosxr-infra-4.3.2.sp-1.0.0
disk0:asr9k-base-4.3.2.sp-1.0.0
SP には再起動タイプがあり、常に Reload Required(リロードが必要)に設定されています。
各 SP には、内容、SMU の影響、含まれている Distributed Defect Tracking System(DDTS)、廃止されるその他の SP を記載した readme.txt ファイルがあります。
SP の内容を識別するには、SP のインストール後に admin show install package <sp-package> コマンドを使用するか、SP PIE の install add の前に SP PIE に対して admin show install pie-info <sp-pie> コマンドを使用します。
SP は、バイナリ ファイルとそれに関連する readme.txt ファイルで構成されます。readme.txt には関連する警告も含まれます。次に例を示します。
命名規則は、「<プラットフォーム>-<タイプ>-<リリース>.sp-<バージョン>.<ファイル形式>」です。
SP は、Cisco.com のソフトウェア ダウンロード センター(CDC)にあります。
SP をダウンロードするには、次の手順を実行します。
SP は、リリースの存続期間中、約 8 ~ 10 週間ごとに提供されます。
ここでは、SMU の優先順位と前提条件について説明します。
SP によって確約されるのは、リリースに固有の SP ソフトウェア ラインアップ(LU)であり、これは同じリリースの SMU LU とは異なることを理解する必要があります。したがって、SMUの構築プロセスを慎重に考慮せずにSMUをSPの上に導入することは困難です。SMUのメタデータは、SPの知識を使用してプログラミングする必要があります。
SP は累積的に構築され、それぞれのリリースでは常に新しい SP リリースが以前の SP より完全に優先されます。あるリリースのより新しい SP は、そのリリースの以前の SP をインストールしなくてもインストールできます。また、SP のバージョンにギャップがあっても、他の SP に加えて SP を問題なくインストールできます。
SP の優先順位を特定するには、次の 2 つの方法があります。
5.1.1 よりも前のすべてのリリース用の SP については、サービス パックの PIE をシステムに認識させるため、前提条件の SMU(CSCul58246)がその前提条件とともにインストールされている必要があります。5.1.1 では、この情報は基本コードにすでに存在するため、前提条件の SMU は不要です。
SP を適用するには、次の 3 つの操作手順を実行します。
この例は、代替の SP のインストール方法を示していします。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3(admin)#install add
disk0:/asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0.pie activate
Fri Feb 7 14:01:31.675 UTC
Install operation 37 '(admin) install add /disk0:/asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0.pie
activate' started by user 'cisco' via CLI at 14:01:31
UTC Fri Feb 07 2014.
Part 1 of 2 (add software): Started
The install operation will continue asynchronously.
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3(admin)#
Install operation 37 '(admin) install add /disk0:/asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0.pie
activate' started by user 'cisco' via CLI at 14:01:31
UTC Fri Feb 07 2014.
Part 1 of 2 (add software): Started
Info: The following package is now available to be activated:
Info:
Info: disk0:asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0
Info:
Info: The package can be activated across the entire router.
Info:
Part 1 of 2 (add software): Completed successfully
Part 2 of 2 (activate software): Started
Info: This operation will reload the following nodes in parallel:
Info: 0/RSP0/CPU0 (RP) (SDR: Owner)
Info: 0/0/CPU0 (LC) (SDR: Owner)
Info: 0/1/CPU0 (LC) (SDR: Owner)
Info: 0/2/CPU0 (LC) (SDR: Owner)
Info: 0/3/CPU0 (LC) (SDR: Owner)
Info: Install operation 37 is paused as the user must answer a question.
Info: Please continue the operation using one the following steps:
Info: - run the command '(admin) install operation 37 attach
synchronous'and then answer the query.
Info: - run the command '(admin) install attach 37'
and then answer the query.
Proceed with this install operation (y/n)? [y]
Info: Install Method: Parallel Reload
Info: The changes made to software configurations will not be persistent
across system reloads. Use the command '(admin)
Info: install commit' to make changes persistent.
Info: Please verify that the system is consistent following the software
change using the following commands:
Info: show system verify
Info: install verify packages
Part 2 of 2 (activate software): Completed successfully
Part 1 of 2 (add software): Completed successfully
Part 2 of 2 (activate software): Completed successfully
Install operation 37 completed successfully at 14:04:15 UTC Fri Feb 07 2014.
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3(admin)#
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3#show install active summary
Sat Feb 8 05:15:55.981 UTC
Default Profile:
SDRs:
Owner
Active Packages:
disk0:asr9k-mini-px-4.3.2
disk0:asr9k-px-4.3.2.sp-1.0.0
必要に応じて、SP1 を含む以前のシステムに SP3 をインストールできます。show install active summary コマンドの出力では、SP3 のみがアクティブな SP として表示されます。以下が一例です。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K-PE3#show install active summary
Sat Feb 8 05:15:55.981 UTC
Default Profile:
SDRs:
Owner
Active Packages:
disk0:asr9k-mini-px-4.3.2
disk0:asr9k-px-4.3.2.sp-3.0.0
CSM はユーザに対して Cisco IOS XR の SMU と SP に関する推奨事項を示し、デバイスに必要な手動で行う SMU を検索、識別、分析する作業を軽減します。CSM は複数のデバイスに接続でき、複数の Cisco IOS XR プラットフォームおよびリリースで SMU と SP の管理を提供します。
CSM は、Microsoft Windows、Macintosh(MAC)、UNIX システムにインストールできるスタンドアロン アプリケーションです。CSM は、Cisco Carrier Routing System(CRS)および Cisco ASR 9000 シリーズのデバイスをサポートします。
詳細については、『Cisco ソフトウェア マネージャ ユーザ ガイド(Cisco Software Manager User Guide)』を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
21-Apr-2016 |
初版 |