このドキュメントでは、IP 接続が Communication Media Module(CMM)とどのように確立されるかについて詳細情報を提供します。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Cisco IOS 12.4に基づくものです。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Communication Media Module(CMM)は、音声ターミネーション、トランスコーディング、および会議サービスを提供する音声通信モジュールです。6500スイッチまたは7600ルータのシャーシにインストールできます。
次のアダプタは、CMMベースモジュールにインストールできます。
6ポートT1/E1ポートアダプタ
24ポートFXSポートアダプタ
Ad-Hoc Conferencing and Transcoding(ACT)ポートアダプタ
通常、SUP2またはSup720は、CatOSソフトウェアまたはネイティブIOSソフトウェアが稼働する6500スイッチまたは7600ルータにインストールされます。
CMMベースモジュールは、内部ギガビットイーサネットインターフェイスを使用して6500または7600のバックプレーンに接続されます。また、各ACTモジュールには、6500または7600への内部ファストイーサネット接続があります。
次の表に、ポートマッピングの説明を示します。
バックプレーン接続 | CMMインターフェイス名 | ネイティブIOSインターフェイス名 | CatOSインターフェイス名 |
---|---|---|---|
CMMベースモジュール | GIG1/0 | ギガビットx/1 | x/1 |
ACTメディアカード1 | Fas0/0 | Fas x/2 | x/2 |
ACTメディアカード2 | Fas1/0 | Fas x/3 | x/3 |
ACTメディアカード3 | Fas2/0 | Fas x/4 | x/4 |
ACTメディアカード4 | Fas3/0 | Fas x/5 | x/5 |
注:「x」は、CMMが取り付けられている6500または7600シャーシのスロット番号です。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:このセクションで使用されているコマンドの詳細を調べるには、Command Lookup Tool(登録ユーザ専用)を使用してください。
このドキュメントでは、次のコンフィギュレーションを使用します。
ギガビットインターフェイスとファストイーサネットインターフェイスのIPアドレスは「静的」に設定されます。DHCPはサポートされていません。
ギガビットインターフェイスとファストイーサネットインターフェイスのIPアドレスが同じサブネットに属している。
ギガビットインターフェイスには、IPアドレスとサブネットマスクが設定されています。
ファストイーサネットインターフェイスのIPアドレスとサブネットマスクは255.255.255.255に設定されています。
6500スイッチと7600ルータでは、ギガビットインターフェイスとファストイーサネットインターフェイスが「switchport」として設定されています。
ギガビットインターフェイスとファストイーサネットインターフェイスは、同じ仮想LAN(VLAN)に属するように設定されます。
CMMには、すべてのトラフィックがデフォルトゲートウェイに送信されるように、デフォルトIPルートが設定されています。デフォルトゲートウェイは、6500スイッチまたは7600ルータに設定されたVLANインターフェイスのIPアドレスである場合があります。
スロット2、3、および4にACTモジュールを搭載したCMMギガビットインターフェイスとファストイーサネットインターフェイスには、172.168.1.0ネットワークからのIPアドレスが設定されています。
通信メディアモジュール |
---|
interface GigabitEthernet1/0 ip address 172.168.1.16 255.255.255.0 no ip proxy-arp no negotiation auto no keepalive ! interface FastEthernet1/0 description ACT Media card – Slot 2 ip address 172.168.1.17 255.255.255.255 no ip proxy-arp ! interface FastEthernet2/0 description ACT Media card – Slot 3 ip address 172.168.1.18 255.255.255.255 no ip proxy-arp ! interface FastEthernet3/0 description ACT Media card – Slot 4 ip address 172.168.1.19 255.255.255.255 no ip proxy-arp ! ip classless ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.168.1.1 |
IOS(ネイティブモード)を実行する6500/7600スーパーバイザ |
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!--- CMM is installed on Slot 2 and VLAN 2 is used interface GigabitEthernet2/1 switchport switchport access vlan 2 switchport mode access no ip address ! interface FastEthernet2/3 description ACT Media card – Slot 2 switchport switchport access vlan 2 switchport mode access no ip address ! interface FastEthernet2/4 description ACT Media card – Slot 3 switchport switchport access vlan 2 switchport mode access no ip address ! interface FastEthernet2/5 description ACT Media card – Slot 4 switchport switchport access vlan 2 switchport mode access no ip address ! interface Vlan2 ip address 172.168.1.1 255.255.255.0 |
CatOS(ハイブリッドモード)を実行する6500/7600スーパーバイザ |
---|
!--- CMM is installed on Slot 2 and VLAN 2 is used !--- Configuration in the Supervisor #module 2 : 5-port Communication Media Mod. set vlan 2 2/3-5 !--- Configuration in the MSFC interface Vlan2 ip address 172.168.1.1 255.255.255.0 |
ACTモジュールのファストイーサネットインターフェイスは、ACTモジュールのRTPパケットの送受信(トランスコーディングおよび会議コール)にのみ使用されます。ACTモジュールからの他のすべての非RTPパケット(ICMP ping要求および応答など)は、ギガビットイーサネットインターフェイスを介してスーパーバイザに送信されます。ACTモジュールから発信されたRTPパケットが、ファストイーサネットインターフェイスではなくギガビットイーサネットインターフェイスを介して送信された場合、トランスコーディングおよび会議コールで片通話が発生する可能性があります。
CMMのファストイーサネットインターフェイスのIPアドレスがCat 6500スイッチから、またはCMMの外部の任意の場所からpingされると、ICMPエコー要求はファストイーサネットインターフェイス経由でCMMに到達します。ただし、ICMPは非RTPパケットであるため、ACTモジュールからのICMPエコー応答はギガビットインターフェイス経由で送信されます。
T1またはE1ポートアダプタおよびFXSモジュールで終端または発信された音声コールのRTPパケットは、ギガビットイーサネットインターフェイスを介して送信されます。
IP接続の問題のトラブルシューティングには、次のshowコマンドとdebugコマンドを使用できます。
MSFCでは、次のコマンドを使用します。
show arp
debug ip arp
debug ip icmp
CMMでは、次のコマンドを使用します。
show arp
debug ip arp
debug ip icmp
さらに、SUP 720には、フレームとパケットのキャプチャに使用できる内部スニファツールが用意されています。このツールのサポートについては、TACにお問い合わせください。
show の出力:
MSFC#show arp Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface Internet 172.168.1.16 0 0011.92b7.3fe6 ARPA Vlan2 Internet 172.168.1.1 - 000b.45b6.aa3c ARPA Vlan2 Internet 14.1.16.1 0 000f.232c.f3bf ARPA Vlan1 Internet 172.168.1.17 0 Incomplete ARPA Internet 14.1.17.149 - 000b.45b6.aa3c ARPA Vlan1 Router#
MSFCからのデバッグ:
No response from CMM MSFC#ping 172.168.1.17 5d00h: IP ARP: sent req src 172.168.1.1 000b.45b6.aa3c, dst 172.168.1.17 0000.0000.0000 Vlan2 5d00h: IP ARP throttled out the ARP Request for 172.168.1.17 5d00h: IP ARP: creating incomplete entry for IP address: 10.1.1.46 interface Vlan101
CMM sends ARP reply, but the 6500 is not installing the ARP 5d00h: IP ARP: sent req src 172.168.1.1 000b.45b6.aa3c, dst 172.168.1.17 0000.0000.0000 Vlan2 5d00h: IP ARP rep filtered src 172.168.1.17 0011.92b7.3fe8, dst 172.168.1.1 000b.45b6.aa3c it's our address
show の出力:
MSFC#show arp Protocol Address Age (min) Hardware Addr Type Interface Internet 172.168.1.16 0 0011.92b7.3fe6 ARPA Vlan2 Internet 172.168.1.1 - 000b.45b6.aa3c ARPA Vlan2 Internet 14.1.16.1 0 000f.232c.f3bf ARPA Vlan1 Internet 172.168.1.17 0 0011.92b7.3fe8 ARPA Vlan2 Internet 14.1.17.149 - 000b.45b6.aa3c ARPA Vlan1 Router#
MSFCからのデバッグ:
Debugs from MSFC MSFC# 5d00h: IP ARP: sent req src 172.168.1.1 000b.45b6.aa3c, dst 172.168.1.17 0000.0000.0000 Vlan2 5d00h: IP ARP: rcvd rep src 172.168.1.17 0011.92b7.3fe8, dst 172.168.1.17 Vlan2 5d00h: ICMP: echo reply rcvd, src 172.168.1.17, dst 172.168.1.1
Debugs from CMM CMM# *Mar 6 00:03:19.134: IP ARP: sent rep src 172.168.1.17 0011.92b7.3fe8, dst 172.168.1.17 ffff.ffff.ffff FastEthernet1/0 *Mar 6 00:03:19.134: IP ARP rep filtered src 172.168.1.17 0011.92b7.3fe8, dst 172.168.1.17 ffff.ffff.ffff it's our address *Mar 6 00:03:21.082: ICMP: echo reply sent, src 172.168.1.17, dst 172.168.1.1 *Mar 6 00:03:21.082: ICMP: echo reply sent, src 172.168.1.17, dst 172.168.1.1