このドキュメントでは、同期データ リンク制御(SDLC)からイーサネットへのデータリンク スイッチング(DLSw)のローカル スイッチングの設定例を紹介します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
このドキュメントでは、次の構成を使用します。
ホスト デバイス付属のイーサネットへの SDLC PU 2.0 |
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dlsw local dlsw bridge-group 1 interface ethernet0 bridge-group 1 interface serial0 encapsulation sdlc clock rate 9600 sdlc role primary sdlc vmac 4000.3174.0000 sdlc address 01 sdlc xid 01 05d2006 sdlc partner 4000.0400.1111 01 sdlc dlsw 01 |
SDLC 接続デバイスの場合、イーサネット上のデバイスへの論理リンク制御 2(LLC2)接続を提供するために、DLSw ローカル スイッチングを使用できます。SDLC パートナー アドレスは、3174 とのセッションを確立する MAC アドレスを参照します。この構成では、SDLC パートナー アドレスは 4000.0400.1111 になります。これは、非標準のトークン リング形式です。MACアドレスは、標準イーサネット形式0200.2000.8888にビットスワップされます。これは、AS/400の実際のMACアドレスです。
シリアル インターフェイスで設定された交換識別子(XID)は、サンプルを示すための設定です。実際の XID 設定は、ホスト定義と一致している必要があります。ルータがデータ回線終端装置(DCE)デバイスであり、そのルータに適切なケーブルが接続されている場合、クロック レートは、ルータのシリアル インターフェイスで定義されます。この設定では、SDLC アドレスが 01 になっています。実際のSDLCアドレスは、コントローラ???の定義と一致する必要があります。実際に使用される MAC アドレスは、SDLC 仮想 Media Access Control(VMAC)アドレスと SDLC アドレスを組み合わせたものになります。この設定例では、VMACは4000.3174.0000で、SDLCアドレスはVMACの最後のバイトに挿入されて4000.3174.0001になります。これがイーサネットにビットスワップされると、0200.8c2e.0080になります。
ホスト デバイス付属のイーサネットへの SDLC PU 2.1 |
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dlsw local dlsw bridge-group 1 interface ethernet0 bridge-group 1 interface serial0 encapsulation sdlc clock rate 9600 sdlc role prim-xid-poll sdlc vmac 4000.3174.0000 sdlc address 01 sdlc partner 4000.0400.1111 01 sdlc dlsw 01 |
物理ユニット タイプ 2.1(PU 2.1)のデバイスの場合は、ルータで XID が設定されることはなく、ルータが XID を通知することもありません。ルータは SDLC 接続デバイスに XID を送信し、ホスト デバイスは XID ネゴシエーションを実行する必要があります。PU 2.1 デバイスの設定は、前述の設定とほとんど同じですが、2 つの違いがあります。SDLC XID コマンドは、ルータでは設定されません。また、このコマンドは sdlc prim-xid-poll になります。ルータで sdlc role prim-xid-poll が設定されていると、SDLC デバイスは、Set Normal Response Mode(SNRM)ではなく、XID でポーリングされるようになります。
また、回線がマルチドロップされていて、そのマルチドロップに PU 2.0 デバイスが含まれている場合は、sdlc role primary を発行して、sdlc address コマンドに xid-poll を指定できます(たとえば、sdlc address c1 xid-poll)。 SDLC インターフェイスの設定方法についての詳細は、『PU 2.1 および PU 2.0 とのマルチドロップ SDLC の DLSw』を参照してください。
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
このセクションでは、設定のトラブルシューティングに役立つ情報を紹介します。
これは DLSw ローカル回線として認識され、IP クラウドでは認識されないため、show dlsw local-circuit を発行する必要があります。接続が初期化されるときに、ルータはコントローラに SNRM フレームを送信します。コントローラは Unnumbered Acknowledgement(UA)フレームで応答する必要があります。この時点で、show dlsw reachability の出力には、ローカル到達可能性における SDLC VMAC アドレスが示されます。その次に、テスト ポーリング フレームがホスト デバイスに送信されます。
ホストデバイスからのテストの最終応答で、ルータ???のdlsw到達可能性キャッシュは、セッションに到達しようとしている各MACアドレスを検出します。次に、ルータは XID ポーリング フレームをホストに送信し、最終的な XID をホストから受信する必要があります。その後で、ルータは Set Asynchronous Balanced Mode Extended(SABME)を送信し、UA を受信する必要があります。これで、DLSw 回線が接続されます。テスト ポーリングと XID ネゴシエーションの実行中、ルータは継続的に受信不可フレーム(RNR)をコントローラに送信します。最終的な XID を受信し、その XID が正しい場合、ルータは受信可(RR)フレームをコントローラに送信します。これは、セッションが稼働していて、データの送信が OK であることを示します。
show dlsw local-circuitの出力に、CKT_ESTABLISHED ステータスが示されている場合は、ネゴシエーションが正常に完了していません。この場合は、ホスト デバイス側の XID と PU ステータスの正確性と接続性について調べる必要があります。show dlsw reachabilityの出力に、ホスト デバイスの MAC アドレスが SEARCHING と示されている場合、ルータはホスト デバイスにテスト ポーリング フレームを送信していて、応答に含まれるテストの最終結果を受信していません。すべての show dlswは、トークン リング形式で MAC アドレスを示すようになります。ホスト デバイスの MAC アドレスが接続中になっていることを確認してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
09-Sep-2005 |
初版 |