ダイヤルオンデマンド ルーティング(DDR)バックアップが、DDR またはダイヤル対応のインターフェイスを使用して、WAN リンク(たとえば、フレームリレーと T1)のバックアップのために使用されます。通常の DDR バックアップ リンクには、ISDN BRI、補助ポートのモデム、および T1/E1 があります。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このドキュメントでは、使用されている 2 つの DDR 用語は次のように定義されます。
標準 DDR:リンクを通過する必要があるトラフィックがある場合はいつでも 1 台のルータがもう一方にダイヤルするシナリオです。この設定にはバックアップ関連のコマンドは一切含まれていません。
バックアップ DDR:プライマリ インターフェイスがダウン状態になったときにトリガーされる追加の機能を持つ通常の DDR 設定です。これは通常の DDR 設定に適切なバックアップ コマンドを追加することによって実現されます。
次の手順は、DDR バックアップの設計、設定、トラブルシューティングのガイドラインになります。
設計:
プライマリ リンクおよびバックアップ リンクであるインターフェイスを判別します。
実装するバックアップ方法を判別します。選択肢は、バックアップ インターフェイス、フローティング スタティック ルータ、およびダイヤラ ウォッチです。
設定:
レガシー DDR(ダイヤラ マップ)またはダイヤラ プロファイルを使用して、通常の DDR を使用したバックアップ リンクを設定します。
通常の DDR を使用したバックアップ リンクが正常に動作していることを確認します。
プライマリ リンクに障害が発生したときにバックアップ DDR 接続を開始するようルータを設定します。
検証:
プライマリ回線がダウンすると、バックアップ ルータが実際にバックアップ リンクをダイヤルすることを確認します。
バックアップ リンクが安定していることを確認します(フラップしない)。
プライマリ リンクが復元されると、指定された時間内にバックアップ リンクがダウンすることを確認します。
トラブルシューティング
対象トラフィック定義が正しいかどうかを確認します。
適切なダイヤル インターフェイスへのルートが有効であるかどうかを確認します(バックアップ インターフェイスおよびフローティング スタティック ルートの場合のみ)。
バックアップ DDR 設定を除去して、通常の DDR 接続(バックアップで使用される同じ回線を使用)が適切に確立されるかどうかを確認します。
必要に応じてバックアップ インターフェイス、フローティング スタティック ルート、またはダイヤラ ウォッチ固有のトラブルシューティングを実行します。
上記の各ステップは、このドキュメントの以降の部分すべてで詳しく説明しています。
DDR バックアップのシナリオを設計するには、次の情報を使用します。
プライマリ リンクおよびバックアップ リンクの判別
DDR バックアップのシナリオを設計する場合は、使用する必要があるリンクのタイプをまず判別する必要があります。たとえば、プライマリ リンクはフレーム リレーで、バックアップは ISDN BRI であるとします。この情報は、使用するバックアップ方法を決定するために使用する必要があります。
実装するバックアップ方法を判別します。選択肢は、バックアップ インターフェイス、フローティング スタティック ルータ、およびダイヤラ ウォッチです
バックアップ方法の判別は、ほとんど、プライマリ インターフェイスのタイプおよび全体的なネットワーク設計(ルーティング プロトコルを含む)に基づきます。
注:バックアップインターフェイスを使用してフレームリレーの物理インターフェイスをバックアップしないでください。ただし、バックアップ インターフェイスを使用して、フレーム リレーのサブインターフェイスをバックアップすることはできます。
特定の状況に最も適している方法を判別するためにバックアップ方法を評価します。詳細については、「DDR バックアップのためのバックアップ インターフェイス、フローティング スタティック ルート、ダイヤラ ウォッチの評価」を参照してください。
通常の DDR を設定するには次の情報を使用します。
レガシー DDR(ダイヤラ マップ)またはダイヤラ プロファイルを使用して、通常の DDR 用のバックアップ リンクを設定します。
バックアップで使用する同じ回線を使用して通常の DDR 接続を設定し、正しく動作することを確認してからバックアップ設定を実装します。これにより、使用されるダイヤルの方法、ポイントツーポイント プロトコル(PPP)ネゴシエーションおよび認証がすべて正常であることを確認してからバックアップを設定できます。
通常の DDR の設定については、次の資料を参照してください。
通常の DDR のシナリオ | ドキュメント |
---|---|
ダイヤラ プロファイル付きの ISDN BRI | ダイヤラ プロファイルによる ISDN DDR 設定 |
ダイヤラ マップ付きの ISDN BRI | DDR ダイヤラ マップを使用する BRI 間ダイヤルアップの設定 |
AUX ポートのモデム | AUX ポート上のモデムを使用したダイヤルアウトの設定 |
NM-8AM/NM-16AM | NM-8AM またはNM-16AM アナログモデムモジュールを使用するダイヤルアウトの設定 |
T1/E1 を使用するアナログ コール(デジタル モデムを使用) | アナログ コール発信用の T1 または E1 インターフェイスの設定 |
ISDN PRI(T1/E1): | AS5300 ISDN/Async (送信DDR) を使用したダイヤルアウト |
バックアップ DDR リンクが正常に動作していることを確認します。
対象トラフィックを生成し、通常の DDR リンクを開始します。リンクが起動し、アップ態であり続ける必要があります。その後、ポイントツーポイント プロトコル(PPP)ネゴシエーションなど、使用するダイヤル方式、認証が正常であることを検証してからバックアップを設定します。
プライマリ リンクに障害が発生したときにバックアップ DDR 接続を開始するようルータを設定します。
バックアップ リンクを介して通常の DDR が正しく動作していることを確認したら、次のいずれかの方式を使用してインターフェイスをバックアップとして設定できます。
バックアップ インターフェイス
プライマリ インターフェイスに backup interface interface コマンドを設定します。backup interface コマンドで参照されているインターフェイスはバックアップに使用するインターフェイスである必要があります。たとえば、BRI がシリアル リンクのバックアップになる場合、設定は次のようにしてください。
maui-soho-01(config)#interface Serial 0 maui-soho-01(config-if)#backup interface bri 0
設定例:
フローティング スタティック ルート:
バックアップ リンクのフローティング スタティック ルートの設定:たとえば、
ip route 172.16.4.0 255.255.255.0 172.16.3.2 200
アドミニストレーティブ ディスタンス 200 は、アドミニストレーティブ ディスタンスが短い同様のルートが存在する場合、ルータではこのルートをルーティング テーブルにインストールしないことを意味します。プライマリ ルート(同じネットワーク/マスク)が、ルーティング プロトコルまたはスタティック ルートによって指定される必要があります。プライマリ リンクがダウンした場合、ルータはフローティング スタティック ルートをインストールし、バックアップ リンクをアクティブ化できます。
注:上記のドキュメントでは、フレームリレー接続のバックアップにフローティングスタティックルートを使用する方法について説明していますが、同じ設定概念が他のほとんどのWANバックアップシナリオにも適用されます。
ダイヤラ ウォッチ
監視するネットワークを定義するダイヤラ ウォッチ リストを作成します。これは、コマンド dialer watch-list group-number ip ip-address address-mask を使用して実施します。完全に一致するルート(サブネット マスクを含む)がルーティング テーブルにすでに存在している必要があります。たとえば、
dialer watch-list 8 ip 172.22.53.0 255.255.255.0
コマンド dialer watch-group group-number を使用してバックアップ インターフェイス上でのダイヤラ ウォッチをイネーブルにします(ここで、group-number は dialer watch-list コマンドを使用して設定されている番号と一致する必要あり)
設定例:
DDR バックアップの接続が正しく動作していることを確認するには、次の手順を実行します。基準が満たされない場合は、このドキュメントのトラブルシューティングの項に進んでください
バックアップ ルータがバックアップ リンクにダイヤルすることを確認
バックアップ インターフェイスが実装されている場合、これには、ケーブルを抜くことなどにより、プライマリ インターフェイスを物理的に停止する措置が含まれることになります。フローティング スタティック ルートおよびダイヤラ ウォッチの場合は、バックアップ リンクをアクティブ化するには、ルートを除去する必要があります。
バックアップ リンクが安定していることを確認します(フラップしない)
バックアップ リンクが起動したら、安定していることを確認する必要があります。
プライマリ リンクが復元されると、バックアップ リンクがダウンすることを確認
以下を確認します。
ルータはプライマリ リンクが起動したことを認識します。
ルータはプライマリ リンクが所定の期間稼働した後で、バックアップ リンクを切断します。
使用した DDR バックアップ方法固有のトラブルシューティング手順を使用してください。
問題:プライマリ リンクがダウンした際にバックアップ リンクがダイヤルされない。
考えられる解決方法 1:プライマリ リンクがダウンすると、backup interface コマンドが設定されているインターフェイスもダウンすることを確認します。たとえば、プライマリ インターフェイスがインターフェイス Serial 0 の場合、バックアップ インターフェイスがスタンバイ状態から覚めるには、このインターフェイスの回線プロトコルがダウンする必要があります。このバックアップ インターフェイスの方法では、バックアップ インターフェイスが実際に起動する前に、この方法が設定されているインターフェイスがダウン状態である必要があるため、プライマリ リンク障害がインターフェイスの状態に実際に反映されていることを確認する必要があります。インターフェイスの状態は show interface interface slot/port コマンドを使用して判別できます。プライマリ リンクの回線プロトコルが障害発生時にダウンしない場合は、次の解決方法の 1 つを選択できます。
プライマリが停止するときにダウンする別のインターフェイスを選択
フローティング スタティック ルートまたはダイヤラ ウォッチをバックアップ用に使用。
考えられる解決方法 2:バックアップ インターフェイスがスタンバイ モードから変わったことを示すコンソール メッセージをルータが生成したかどうかを確認します。このメッセージは、backup delay enable-timer disable-timer コマンドで指定された enable-timer が時間切れになった後にだけ表示されます。このコンソール メッセージが表示されない場合は、backup delay enable timer を小さい値に調整します。詳細については、『シリアル回線用のダイヤル バックアップのコマンド』を参照してください。10 秒の遅延タイマーの例を示します。
*Mar 1 03:37:31.788: %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Serial0, changed state to down !-- The primary interface goes down. *Mar 1 03:37:42.719: %LINK-3-UPDOWN: Interface Dialer1, changed state to up !-- The backup interface is brought out of standby mode !-- approximately ten seconds later.
考えられる解決方法 3:ルーティング テーブルにダイヤル先のバックアップ インターフェイスへの有効なルートが含まれていることを確認します。ルートがない場合は、次のいずれかを選択します。
ダイヤラ プロファイルの場合は、バックアップ インターフェイスを指しているフローティング デフォルト ルートなどのルートを作成します。
ダイヤラ マップの場合は、ダイヤラ マップ ステートメントで指定された IP アドレスを指しているフローティング デフォルト ルートなどのルートを作成します。
考えられる解決方法 4:対象トラフィック定義が正しく定義されており、バックアップ用インターフェイスに適用されていることを確認します。たとえば、ルーティング プロトコルの定期的な更新と hello によってバックアップ リンクを起動する場合は、ルーティング プロトコルが対象に合わせて定義されていることを確認します。
対象トラフィック定義は dialer-list コマンドで指定され、次にコマンド dialer-group を使用して、このリストがバックアップ インターフェイスに適用されます。以下に、いくつかの例を示します。
maui-soho-04#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. maui-soho-04(config)#dialer-list 1 protocol ip permit ! --- All IP traffic is marked interesting. maui-soho-04(config)#interface bri 0 maui-soho-04(config-if)#dialer-group 1 !--- Apply interesting traffic definition !--- (for BRI 0) from dialer-list 1.
考えられる解決方法 5:DDR 設定が正しいことを確認します。バックアップ設定を削除し、ルータが通常の DDR を使用して正常に接続できることを確認します。詳細ヘルプについては、「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
問題:バックアップ リンクはダイヤルされるが、相手側に接続できない。
考えられる解決方法 1:ルータからバックアップ リンクにダイヤルされた一方で接続に失敗している場合、これは DDR バックアップの問題ではないため「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
問題:プライマリ リンクが回復したときにバックアップ リンクが非アクティブにならない。
考えられる解決方法 1:プライマリ リンクが回復すると、インターフェイス(backup interface コマンドを設定)も起動することを確認します。インターフェイスの回線プロトコルが起動しないうちはプライマリ リンクが起動していることをルータが認識しないため、これが必要です。たとえば、プライマリ インターフェイスがインターフェイス Serial 0 の場合、バックアップ インターフェイスがスタンバイ状態に変わるには、このインターフェイスの回線プロトコルが起動する必要があります。インターフェイスの状態は show interface interface slot/port コマンドを使用して判別できます。
考えられる解決方法 2:ディセーブル タイマーが適切に設定されていることを確認します。ディセーブル タイマーは、コマンド backup delay enable-timer disable-timer で指定します。たとえば、コマンド backup delay 10 60 は、プライマリ リンクがダウンした 10 秒後にバックアップ リンクがイネーブル化され、プライマリ リンクが回復した 60 秒後にバックアップ リンクがダウンすることを示します。 バックアップ リンクが必要な時間よりも長く起動されている場合は、無効時間を下方に調整します。
問題:バックアップ リンクは安定していません(フラップするなど)。 これは通常はプライマリ リンクが不安定であり、プライマリ リンクのフラップのたびに、ルータによってバックアップ リンクが起動および停止されるために発生します。
考えられる解決方法 1:backup delay タイマー値が適切であることを確認します。プライマリ リンクが不安定であれば、ディセーブル タイマーの値を大きくすることで、プライマリ リンクが起動して指定した期間安定していると確認されるまで、ルータでバックアップ リンクを起動させておくことができます。
考えられる解決方法 2:物理インターフェイスと回線が動作していることを確認します。詳細ヘルプについては、「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
問題:プライマリ リンクがダウンした際にバックアップ リンクがダイヤルされない。
考えられる解決方法 1:プライマリ リンクの停止後にルーティング テーブルにフローティング スタティック ルートが存在していることを確認するには、show ip route コマンドを使用します。アドミニストレーティブ ディスタンスの小さい他のすべての同じルートが除去された後で、フローティング スタティック ルートのみがルーティング テーブルにインストールされていることに注意してください。したがって、プライマリ ルートの他のソースがないことを確認します(おそらくルーティング ループによる)。
考えられる解決方法 2:対象トラフィック定義が正しく定義されており(dialer-list コマンドを使用)、バックアップ用インターフェイスに適用されている(dialer-group コマンドを使用)ことを確認します。対象トラフィックを生成し、コマンド debug dialer packet を使用して、トラフィックが対象として指定されており、リンクを起動できることを確認します。
注:ルーティングプロトコルを対象として定義しないでください。これにより、定期的なアップデートまたは hello によってバックアップ リンクが無期限で起動されていることを防止します。次はこのバックアップ方法の適切な対象トラフィック定義の例を示します。
maui-soho-04(config)#dialer-list 1 protocol ip list 101 ! --- Use access-list 101 for the interesting traffic definition. maui-soho-04(config)#access-list 101 deny ospf any any ! --- Mark the Routing Protocol (in this case, OSPF) as NOT interesting. maui-soho-04(config)#access-list 101 permit ip any any ! --- All other IP traffic is designated interesting. maui-soho-04(config)#interface bri 0 maui-soho-04(config-if)#dialer-group 1 !--- apply interesting traffic definition (for BRI 0) from dialer-list 1.
この制限が原因で、フローティング スタティック ルートを使用するバックアップは、ルーティング プロトコル トラフィックを使用してアクティブ化できないことに注意してください。ルータは、バックアップ インターフェイスを起動するには、他の対象ユーザ トラフィックを受信する必要があります。考えられる解決方法 #3:DDR 設定が正しいことを確認します。バックアップ設定を削除し、ルータが通常の DDR を使用して正常に接続できることを確認します。詳細ヘルプについては、「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
考えられる解決方法 3:DDR 設定が正しいことを確認します。バックアップ設定を削除し、ルータが通常の DDR を使用して正常に接続できることを確認します。詳細ヘルプについては、「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
問題:バックアップ リンクはダイヤルされるが、相手側に接続できない。
考えられる解決方法 1:ルータからバックアップ リンクにダイヤルされた一方で接続に失敗している場合、これは DDR バックアップの問題ではないため「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
問題:プライマリ リンクが回復したときにバックアップ リンクが非アクティブにならない。
考えられる解決方法 1:ルーティング プロトコルによってプライマリ ルートが再インストールされることを確認するには、show ip route を使用します。この結果、フローティング スタティック ルートがルーティング テーブルから削除されます。これで、すべてのトラフィックがプライマリ リンクを使用するようになりました。プライマリ ルートが再インストールされていない場合は、ルーティング プロトコルをトラブルシューティングします。
考えられる解決方法 2:バックアップ リンクを通過する対象トラフィックがないことを確認するには、debug dialer を使用します。対象トラフィックによってアイドル タイムアウトがリセットされるため、不必要な対象トラフィックがあるとリンクが停止しません。アイドル タイムアウトをリセットする可能性のある特定のブロードキャストとマルチキャスト パケットを確認します。必要に応じて、限定を強めるように対象トラフィック定義を変更して、このような不都合な振る舞いのパケットを対象外に指定します。
考えられる解決方法 3:dialer idle-timeout を小さくします(デフォルトは 120 秒)。 バックアップ リンクはアイドル タイムアウトが経過したときのみダウンになることに注意してください。したがって、アイドル タイムアウトを小さくするとバックアップ リンクが早期にダウンされることがあります。これは、(上記の解決方法 #2 で説明した)タイムアウトをリセットする不都合な振る舞いの対象パケットがないことを想定しています
問題:プライマリ インターフェイスがダウンした際に、バックアップ リンクが不安定になる(フラップ状態になるなど)。
考えられる解決方法 1:対象トラフィックの制限を緩めます。これによりアイドル タイムアウトがリセットされやすくなり、その結果、回線が起動されたままになります。しかし、変更により、バックアップ リンクが無期限に起動された状態にならないことを確認してください(前述の問題に記述されています)。
考えられる解決方法 2:バックアップ リンクが頻繁にダウンしないよう dialer idle-timeout を長くします。しかし、変更により、バックアップ リンクが無期限に起動された状態にならないことを確認してください(前述の問題に記述されています)。
考えられる解決方法 3:物理インターフェイスと回線が動作していることを確認します。詳細ヘルプについては、「ダイヤルアップ テクノロジー:トラブルシューティング テクニック」を参照してください。
ダイヤラ ウォッチを設定する前に、DDR 接続を設定して正常に動作していることを確認してください。これにより、DDR の問題を切り離してトラブルシューティングを行い、その後にバックアップ関連の問題に対処できます。ダイヤラ ウォッチを設定するときは、Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.1(7) 以降の使用をお勧めします。
ここでは、いくつかの問題と、考えられる解決方法について説明します。
問題:プライマリ リンクがダウンしたときにルータがバックアップ リンクにダイヤルしない。
考えられる解決方法 1:監視しているルートがルーティング テーブルに存在を確認していることを確認するには、show ip route コマンドを使用します。ダイヤラ ウォッチ用に設定した経路はルーティング テーブル内の経路と正確に一致する必要があります。この場合、ネットワークだけでなくマスクについてもまったく同一であることを確認します。たとえば、ルーティング テーブルが 10.0.0.0/8 を示している場合に dialer watch-list 1 ip 10.0.0.0 255.255.255.0(つまり 10.0.0.0/24)を使用していると、ダイヤラ ウォッチ機能は 10.0.0.0/8 がルーティング テーブルに存在しないことを検出できません。
考えられる解決方法 2:2 つの dialer map 文がバックアップ インターフェイスにあることを確認します。
1 つは、dialer watch-list コマンドで指定された経路/ネットワークに対応する map 文です。
もう 1 つは、リモート ルータのインターフェイスの IP アドレスに対応する map 文です。
考えられる解決方法 3:コマンド dialer watch-list group-number delay route-check initial seconds を設定します。
問題:バックアップ リンクは確立されるが、ルーティング情報がバックアップ リンクを通じて送信されない。
考えられる解決策:バックアップ インターフェイスの IP ネットワークがルーティング プロトコル設定に含まれていることを確認
問題:プライマリ リンクが回復したときにバックアップ リンクが非アクティブにならない。
注:ダイヤラウォッチでは、対象トラフィックはアイドルタイムアウトの制御にのみ使用されます。アイドルタイムアウトは、プライマリルートのステータスをポーリングするために使用される間隔を制御します。
考えられる解決方法 1:dialer idle-timeout を小さくします。デフォルトは 120 秒ですが、必要に応じてこの値を小さくできます。
考えられる解決方法 2:show dialer コマンドを使用して、アイドル タイムアウトがリセットされていないことを確認します。
dialer-list コマンドで設定される)対象トラフィックの定義を、より限定的なものに変更します。ルーティング プロトコルのトラフィックは非対象としてマークします。
最後の手段として、コマンド dialer-list 1 protocol ip deny を使用し、すべての IP トラフィックを非対象として設定できます。この対象トラフィック定義により、アイドル タイムアウトはリセットされなくなり、ルータはプライマリ リンクのステータスを指定された間隔でチェックします。
考えられる解決方法 3:使用するルーティング プロトコルの観点から見たときに、バックアップ リンクがプライマリ リンクよりも望ましくないことを確認します。これで、プライマリ リンクが回復したときにダイナミック ルーティング プロトコルがバックアップ リンクよりもプライマリを選択し、2 つのリンク間でロード バランスをとらなくなります。そうしなければ、バックアップ リンクが永続的にアップのままになるおそれがあります。show ip route を使用し、ルータがルータ間のトラフィックのルーティングにプライマリとバックアップの両方のリンクを使用しているかどうかを調べます。この場合、ルータは、同一の重複するルートを保持します。プライマリ用に 1 つとバックアップ リンク用に 1 つです
次の任意の方法を使用して、ルーティング プロトコルの観点から見たときにバックアップ リンクの望ましさが低いことを保証できます。bandwidth、delay、または distance。詳細については、『Cisco IOS ソフトウェア コマンド リファレンス』を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
09-Sep-2005 |
初版 |