このドキュメントでは、EXEC コールバック機能の設定例を紹介し、ダイヤル インするクライアントにコールバックするため、および EXEC プロンプトに接続するために使用できるコマンドについて説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 11.1 以降に基づくものです。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ルータ上でセッションを開始すると、ユーザ モードで開始されますが、これを EXEC モードと呼びます。ルータに telnet コマンドを発行するか、またはコンソール接続を使用して、ほとんどの EXEC モード接続を開始できます。ただし、EXEC セッションを開始するためにダイヤルアップ接続を使用することもできます。このようなシナリオの場合、ダイヤルアップ接続のリンク上では、Point-to-Point Protocol(PPP)などのフレーム プロトコルは実行されません。
EXEC コールバック機能を使用すると、Cisco IOS ソフトウェアから、ダイヤルインによって EXEC に接続し、コールバックを要求しているデバイスに対してコールを返信できます。そのため、クライアントはルータとの EXEC セッションを維持することができ、しかも追加の電話料金を支払う必要がありません。この機能を有効にするには、service exec-callback グローバル設定コマンドを使用します。この機能は、次の理由で使用できます。
電話料金請求の整理統合と集中化
市外通話のコスト節減
アクセス制御
このドキュメントでは、次の 2 つのコールバック シナリオを示しています。
認証が不要なコールバック(標準的なホーム ユーザ)
リモート サイトにあるクライアントがダイヤルインし、認証します。
クライアントの接続が解除されます。
アクセス サーバがリモート クライアントをコールし、EXEC セッションが開始されます(アクセス サーバにはコールバック番号が設定されています)。
認証を要する、任意の番号へのコールバック(標準的なモバイル ユーザ)
リモート サイトにあるクライアントがダイヤルインし、認証します。
クライアントは、コールバックを受けるために電話番号を入力します。
クライアントの接続が解除されます。
アクセス サーバがリモート クライアントをコールし、認証してから、EXEC セッションが開始されます。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
このドキュメントでは、次の構成を使用します。
コールバック アクセス サーバ。
PC クライアント:検証不要の EXEC コールバック(ハイパーターミナルのビュー)。
PC クライアント:検証を要する、任意の番号への EXEC コールバック(ハイパーターミナルのビュー)。
コールバック アクセス サーバ |
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version 12.0 service exec-callback !--- This command enables the Cisco IOS software to return a call to a !--- device that dials in, connects to the EXEC, and requests callback. service timestamps debug datetime msec service timestamps log datetime msec no service password-encryption ! hostname maui-nas-04 ! enable secret 5 <deleted> ! username austin-01 nocallback-verify callback-dialstring 84001 password 0 xxxxx !--- Does not require authentication after callback. !--- This string applies to the "no-verify callback" scenario. username austin-02 callback-dialstring "" password 0 xxxxx !--- This is for mobile users. The client specifies the callback number. !--- This string applies to the "callback to any number with verification" scenario. ! ip subnet-zero chat-script offhook "" "ATH1" OK chat-script rtp ABORT ERROR ABORT BUSY "" "AT" OK "ATDT \T" TIMEOUT 45 CONNECT \c !--- Use this chat script to dial the callback number. interface Ethernet0/0 ip address 10.0.0.1 255.0.0.0 no ip directed-broadcast ! ip classless ! line con 0 transport input none line 65 70 line aux 0 script modem-off-hook offhook script callback rtp !--- Use this chat script rtp for the callback. login local modem InOut transport input all callback forced-wait 5 !--- Wait 5 seconds before you initiate the callback. This prevents !--- problems with the router passing the callback string back to the modem !--- before it is ready to dial the callback connection. flowcontrol hardware line vty 0 4 login local ! end |
PC モデム(コールバック クライアント)を設定するときに、PC のモデムへのリバース Telnet セッションを開始します。Windows 9x で使用する 1 つの方法は、HyperTerminal を使用し、[Connect using:Direct to COMx](COMx は PC のモデム ポート)を選択して、接続を確立することです。
ルータに接続しようとしている PC HyperTerminal セッションからの出力例を次に示します。
PC クライアント:検証が不要な EXEC コールバック(ハイパーターミナルのビュー) |
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ats0=1 !--- AT command to set modem to autoanswer mode. OK atdt 55555 !--- AT command to dial the modem of the router. CONNECT username: austin-01 password: Callback initiated - line is disconnected NO CARRIER RING CONNECT maui-nas-04> |
PC クライアント:検証を要する、任意の番号への EXEC コールバック(ハイパーターミナルのビュー) |
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ats0=1 !--- AT command used to set the PC modem to autoanswer mode. OK atdt 55555 !--- AT command to dial the modem of the router. CONNECT Username: austin-02 password: Callback Dialstring: 84001 Callback initiated - line is disconnected NO CARRIER RING CONNECT Username: austin-02 password: maui-nas-04> |
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
注:debugコマンドを発行する前に、『debugコマンドの重要な情報』を参照してください。
debug chat:チャット スクリプトのアクティビティを表示します。
debug modem:モデム制御およびプロセス起動メッセージを表示します。
debug callback:ルータがモデムとチャット スクリプトを使用して、端末回線でコールバックするときのコールバック イベントを表示します。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
14-Nov-2005 |
初版 |