この設定例では、非同期データのトンネリング プロセスについて説明します。
このドキュメントに関しては個別の前提条件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
例として、非同期 RS-232 デバイスを専用回線モデムで接続することになっているとします。代わりに、専用回線モデムはシスコの通信サーバに置き換えられます。RS-232 デバイスをシスコの通信サーバ上の非同期回線に接続し、任意のトポロジの IP ネットワークを介して通信サーバを接続します。
下の設定例では、一方の側が発信者で、もう一方の側が受信側です。発信者側がデータ送信の試行を繰り返すことが想定されます。
前提条件:
発信者側には 10.1.2.3 という IP アドレスがあり、Line 2 を使用しています。
受信側には 10.3.2.1 という IP アドレスがあり、Line 3 を使用しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは次の図に示すネットワーク構成を使用しています。
このドキュメントでは、次に示す設定を使用しています。
発信者側
受信側
発信者側 |
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!--- On caller box - 10.1.2.3 define an IP hostname to use on the TELNET so we can use BUSY-MESSAGE to shut up TELNET. ip host CALLED-LINE 4003 10.3.2.1 ! port 40xx is raw TCP !--- Busy-message cannot have a null string - single space works. busy-message CALLED-LINE \ \ [1] service tcp-keepalives-out [3] ! line 2 !--- Shut up everything. no motd-banner !--- Not available in all versions. no exec-banner no vacant-message autocommand telnet CALLED-LINE /stream autohangup !--- The following command means incoming serial data is saved until the TCP connection is made. ! no flush-at-activation !--- Not available in all feature sets. no activation-character !--- Any character will create the EXEC. escape-character NONE !--- This can also be escape-character BREAK. exec !--- Need an EXEC to do the TELNET. special-character-bits 8 exec-timeout 0 0 session-timeout 0 0 !--- RS232 configuration: no modem inout !--- Disable modem control [2]. no autobaud speed 9600 !--- Set the desired speed. stopbits 1 !--- Alternatively, this can be 2, as desired. flowcontrol NONE !--- Alternatively, this can be HARDWARE, or SOFTWARE. transport input NONE !--- Do not allow reverse connections. |
受信側 |
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!--- On called box - 10.3.2.1. no banner incoming service tcp-keepalives-in [3] line 3 no exec no exec-banner no vacant-message !--- RS232 configuration: modem DTR-active !--- DTR indicates the status of the TCP connection. no autobaud speed 2400 !--- As desired. This does not need to match the speed on the called side. stopbits 1 !--- Alternatively, this can be 2, as desired. flowcontrol NONE !--- Alternatively, this can be HARDWARE, or SOFTWARE. transport input telnet !--- Allow the incoming TCP connection. |
[1] ヌルの busy-message コマンドを指定することはできません。最も短い busy-message はスペース 1 つであると考えられます。これは、発信者側が受信側への TCP 接続を確立できない場合、発信者側デバイスは発信者側 RS-232 回線から <CR><LF><space> のシーケンスを送信する(アウトバウンド接続の試行ごとに 1 回)ことを意味します。 flush-at-activation コマンドが有効な場合、発信者側 RS-232 回線によって送信される 1 文字ごとに 1 つの <CR><LF><space> シーケンスがあります。no flush-at-activation コマンドが有効な場合、TCP 接続を確立できるまで <CR><LF><space> シーケンスの送信処理をループします。no flush-at-activation command コマンドを使用すると、デバイスは要求されていないデータをパスさせようと処理を繰り返します。
[2] 発信者側で no modem inout コマンドを使用します。モデムのシグナリングを使用すると、デバイスがデータ セット レディ(DSR )の増加を確認した場合、autocommand を開始します。ただし、デバイスの電源スイッチを切ってすぐに入れなおした場合、デバイスの起動時に DSR が高い場合、clear line コマンドが開始されるまで、autocommand は開始されません。
[3] TCP キープアライブが対象の接続の両側で有効になっていることを確認します。有効になっていない場合、発信者側(またはネットワーク パス)がダウンすると、受信側は発信者側の接続がドロップされて、新規発信者側の接続の試行が失敗する原因となっていることに気付きません(送信するアプリケーション データがない場合)。
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
次の各 debug では、回線のアップおよびダウン、TCP セッションの開始および停止を検査します。
configure terminal service timestamp debug date msec end debug modem debug ip tcp packet N !--- Where N is the line of interest.
エラーなどは確認できないが、非同期トンネリングがデータの受け渡しに失敗しているように考えられる場合、RS-232 データ スコープを両方の非同期回線に接続し、IP スニファを途中の IP パスに接続します。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
19-Nov-2007 |
初版 |