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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Snort 検出エンジンの Modbus プリプロセッサの脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が該当デバイス上でサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、Modbus トラフィックの処理中に発生する整数オーバーフローに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された Modbus トラフィックを該当デバイスに送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者が Snort プロセスをハングさせ、トラフィックの検査を止めてしまう危険性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-snort-dos-9D3hJLuj
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、リリース2.9.19より前およびリリース3.1.11.0より前のすべてのオープンソースSnortプロジェクトに影響を与えます。詳細については、Snort の Web サイトを参照してください。
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコ製品で、脆弱性が存在するシスコソフトウェアリリースを実行している場合です。
- Cyber Vision ソフトウェア
- FirePOWER サービスソフトウェア:すべてのプラットフォーム
- Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェア - すべてのプラットフォーム
- Meraki MX シリーズ ソフトウェア
注:FTDソフトウェアでは、Security Over Connectivity(SAO)およびMax Detect Network Analysis Policies(NAP)に対してModbusインスペクションがデフォルトで有効になっています。Cyber Vision ソフトウェアおよび Meraki MX シリーズ ソフトウェアの場合、Modbus インスペクションはデフォルトで有効になっています。
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコ製品で、Cisco Unified Threat Defense(UTD)Snort Intrusion Prevention System(IPS)Engine for Cisco IOS XE ソフトウェア、または Cisco UTD Engine for Cisco IOS XE SD-WAN ソフトウェアの最初の修正済みリリースより前のリリースを実行している場合です。
- 1000 シリーズ サービス統合型ルータ(ISR)
- 4000 シリーズ サービス統合型ルータ(ISR)
- Catalyst 8000V エッジソフトウェア
- Catalyst 8200 シリーズ エッジ プラットフォーム
- Catalyst 8300 シリーズ エッジ プラットフォーム
- Catalyst 8500 シリーズ エッジ プラットフォーム
- Catalyst 8500L シリーズ エッジ プラットフォーム
- クラウドサービスルータ 1000V
- サービス統合型仮想ルータ(ISRv)
注:デフォルトでは、UTDはこれらのデバイスにインストールされていません。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
UTD が有効かどうかを確認する方法
デバイスで UTD が有効になっているかどうかを確認するには、show utd engine standard status コマンドを発行して Running が Yes になっていることを確認します。次の出力は、UTD が有効になっているデバイスを示しています。
Router# show utd engine standard status
Engine version : 1.0.19_SV2.9.16.1_XE17.3
Profile : Cloud-Low
System memory :
Usage : 6.00 %
Status : Green
Number of engines : 1
Engine Running Health Reason
===========================================
Engine(#1): Yes Green None
=======================================================
.
.
.
コマンドを発行しても出力が表示されない場合、デバイスは影響を受けません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェア
- Firepower Management Center(FMC)ソフトウェア
詳細
Meraki MX シリーズ デバイスの場合、この脆弱性がエクスプロイトされると、検査サービスがバイパスされます。これにより、悪意のあるトラフィックによってアラートが生成されず、MX シリーズ デバイスの背後にあるデバイスにそのトラフィックが到達する可能性があります。そのため、Meraki MX デバイスの Security Impact Rating(SIR)は中になっています。
Cyber Vision の場合、この脆弱性がエクスプロイトされると Snort 侵入検知(IDS)サービスがバイパスされます。これにより、悪意のあるトラフィックによってアラートが生成されない可能性があります。ディープ パケット インスペクション(DPI)および異常検出サービスは影響を受けません。そのため、Cyber Vision ソフトウェアの SIR は中になっています。
回避策
これに対処する回避策はありませんが、Firepower Management Center(FMC)によって管理される FTD ソフトウェアの場合、Modbus プリプロセッサを無効にすることで、この脆弱性の攻撃ベクトルを軽減できます。
Snort 2 を実行しているデバイスの FTD NAP でプリプロセッサを無効にするには、ネットワーク分析ポリシーノートのプリプロセッサ設定を参照してください。
Snort 3 を実行しているデバイスの FTD NAP でインスペクタを無効にするには、Snort 3 のカスタム ネットワーク分析ポリシーの作成を参照してください。
Firepower Device Manager(FDM)によって管理されるFTDデバイスの場合、デバイスはSnort 3を実行している必要があります。詳細については、『ネットワーク分析ポリシーの設定(Snort 3)』を参照してください。
この軽減策の実装に関するサポートが必要な場合は、Cisco Technical Assistance Center (TAC)にお問い合わせください。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
FTD および FirePOWER サービスソフトウェア
Cisco FTD および FirePOWER サービス ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
6.2.2 以前1 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 修正済みリリースに移行。 |
6.3.01 | 修正済みリリースに移行。 |
6.4.0 | 6.4.0.13 |
6.5.01 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6.0 | 6.6.5.1 |
6.7.0 | 修正済みリリースに移行。 |
7.0.0 | 7.0.1 |
FTD デバイスのアップグレード手順については、Cisco Firepower Management Center アップグレードガイドを参照してください。
Cyber Vision ソフトウェア
Cisco Cyber Vision ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
3.2 以前 | 修正済みリリースに移行。 |
4.0 | 4.0.2 |
Meraki MX ソフトウェア
Cisco Meraki MX ソフトウェアリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
MX14 | 修正済みリリースに移行。 |
MX15 | 修正済みリリースに移行。 |
MX16 |
16.16
|
UTD ソフトウェア
Cisco UTD ソフトウェアリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
16.12 | 16.12.7 |
17.3 | 17.3.5 |
17.6 | 17.6.2 |
17.7 | 脆弱性なし |
Snort ソフトウェア
Cisco Snort ソフトウェアリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
2.x | 2.9.19 |
3.x | 3.1.11.0 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性を報告していただいた Claroty Research の Uri Katz 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.5 | Meraki の修正されたリリースを更新。 | 修正済みリリース | Final | 2022 年 4 月 26 日 |
1.4 | FirePOWER サービスソフトウェアを追加。 | 「該当製品」、「修正済みソフトウェア」 | Final | 2022 年 2 月 4 日 |
1.3 | デフォルトで Modbus が有効になっている FTD ポリシーを明記。Modbus プリプロセッサの無効化に関するガイダンスを提供。 | 「脆弱性のある製品」、「回避策」 | Final | 2022 年 1 月 26 日 |
1.2 | ホットフィックスを受け取るプラットフォームを更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2022 年 1 月 26 日 |
1.1 | Snort ソフトウェアの影響を受けるリリースと修正されたリリースを更新。Cyber Vision 製品の名称を更新。 | 影響を受けるリリース、詳細、修正済みソフトウェア | Final | 2022 年 1 月 21 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2022 年 1 月 19 日 |
利用規約
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