High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XE ソフトウェアのゾーンベース ファイアウォール機能における複数の脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が、該当デバイスで、リロード、またはファイアウォールを介したトラフィック転送の停止を引き起こす可能性があります。
これらの脆弱性は、該当デバイスを介したレイヤ 4 パケットの不完全な処理が原因で発生します。デバイスを通じて、特定のトラフィックパターンのシーケンスが送信されると、これらの脆弱性がエクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当デバイスで、リロード、またはファイアウォールを介したトラフィック転送の停止が引き起こされ、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-zbfw-94ckG4G
このアドバイザリは、2020 年 9 月 24 日に公開された Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ資料の一部です。この資料には、34 件の脆弱性に関する 25 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが記載されています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: September 2020 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、脆弱な Cisco IOS XE ソフトウェアリリースを実行し、ゾーンベース ファイアウォール機能とレイヤ 4 検査が、ともに有効になっているデバイスに影響を及ぼします。これらの脆弱性は相互に関連していません。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
CVE-2020-3421
インスペクション パラメータ マップに基づいて、log dropped-packets 機能が設定されている場合、そのデバイスは脆弱性の影響を受けます。設定を確認するには、デバイスにログインし、show run | section parameter-map コマンドを使用します。出力結果に log dropped-packets のある行が含まれている場合、そのデバイスには脆弱性が存在します。次に、脆弱性のある設定の例をいくつか示します。この例では、グローバル インスペクション ポリシーまたはカスタム インスペクション ポリシーのいずれかが有効になったうえで、log dropped-packets 機能が有効になっています(これらのいずれかが設定にある場合、そのデバイスには脆弱性が存在します)。
router_zbfw#show running-config | section parameter-map
parameter-map type inspect cisco-sa-zbfw-94ckG4G
log dropped-packets
router_zbfw#
router_zbfw#show running-config | section parameter-map
parameter-map type inspect-global
log dropped-packets
router_zbfw#
router_zbfw#show running-config | section parameter-map
parameter-map type inspect global
log dropped-packets
router_zbfw#
CVE-2020-3480
インスペクション パラメータ マップに基づいて、one-minute high 機能が設定されている場合、そのデバイスは脆弱性の影響を受けます。設定を確認するには、デバイスにログインし、show run | section parameter-map コマンドを使用します。出力結果に one-minute high のある行が含まれている場合、そのデバイスには脆弱性が存在します。次に、脆弱性のある設定の例をいくつか示します。この例では、one-minute high が有効になっています。
router_zbfw#show running-config | section parameter-map
parameter-map type inspect cisco-sa-zbfw-94ckG4G
one-minute low 400
one-minute high 500
router_zbfw#
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、これらの脆弱性が次のシスコ製品に影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2020-3421:Cisco IOS XEソフトウェアのゾーンベースファイアウォールにおけるDoS脆弱性
Cisco IOS XE ソフトウェアのゾーンベース ファイアウォール機能における脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者がデバイスのリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、該当デバイスを介したレイヤ 4 パケットの不完全な処理が原因で発生します。デバイスを通じて、特定のトラフィックパターンのシーケンスが送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当デバイスでリロードが引き起こされ、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvs71952
CVE ID:CVE-2020-3421
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H/E:X/RL:X/RC:X
CVE-2020-3480:Cisco IOS XEソフトウェアのゾーンベースファイアウォールにおけるDoS脆弱性
Cisco IOS XE ソフトウェアのゾーンベース ファイアウォール機能における脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が、該当デバイスで、ファイアウォールを介したトラフィック転送の停止を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、該当デバイスを介したレイヤ 4 パケットの不完全な処理が原因で発生します。デバイスを通じて、特定のトラフィックパターンのシーケンスが送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる可能性があります。不正利用が成功すると、該当デバイスで、ファイアウォールを介したトラフィック転送の停止が引き起こされ、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvt52986
CVE ID:CVE-2020-3480
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H/E:X/RL:X/RC:X
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
CVE-2020-3421 に該当する場合、アップグレード可能になるまで、log dropped-packets を削除しておくと、脆弱性を効果的に緩和できます。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定のソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次の形式を使用して、Cisco IOS または IOS XE ソフトウェアリリース(15.1(4)M2 や 3.13.8S など)を入力することで、そのリリースがシスコ セキュリティ アドバイザリの影響を受けているかどうかを判断できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例やその公表を確認していません。
出典
これらの脆弱性は、Cisco TAC のサポート案件の対応時に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020-SEP-24 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。