High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
シスコ ワイヤレス LAN コントローラ(WLC)ソフトウェアのセキュアシェル(SSH)セッション管理の脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が該当デバイスにサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、デバイスへの SSH 接続が切断されたときに SSH プロセスが適切に削除されないことに起因します。攻撃者は、該当するデバイスへの SSH 接続を繰り返し開くことにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は、有効に終了していないデバイスに対して複数の SSH 接続を開始することでシステムリソースを枯渇させます。その結果、DoS 状態に陥る可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20191016-wlc-ssh-dos
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco WLC ソフトウェアリリース 8.5.140.0 以前に影響します。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性のエクスプロイトにより、システムメモリの使用率が高くなる可能性があります。また、多数の SSH 接続が発生する可能性もあります。
お客様は、show memory statistics コマンドを使用して、現在のシステムメモリの使用率を監視できます。次の例は、このコマンドの出力で確認できるメモリ使用情報を示しています。
(Cisco Controller) > show memory statistics System Memory Statistics: Total System Memory............: 724688896 bytes (691.16 MB) Used System Memory.............: 284012544 bytes (270.87 MB) Free System Memory.............: 440676352 bytes (420.29 MB) Effective Free Memory..........: 289517568 bytes (276.12 MB) Bytes allocated from RTOS......: 12292096 bytes (11.72 MB) Chunks Free....................: 7 bytes Number of mmapped regions......: 83 Total space in mmapped regions.: 159522816 bytes (152.14 MB) Total allocated space..........: 12042392 bytes (11.48 MB) Total non-inuse space..........: 249704 bytes (243.85 KB) Top-most releasable space......: 214616 bytes (209.58 KB) Total allocated (incl mmap)....: 171814912 bytes (163.86 MB) Total used (incl mmap).........: 171565208 bytes (163.62 MB)
お客様は、show login-session コマンドを使用して、現在の SSH 接続を監視できます。次の例は、このコマンドの出力で確認できる SSH 接続情報を示しています。
(Cisco Controller) > show login-session ID User Name Connection From Idle Time Session Time -- --------------- --------------- ------------ ------------ 00 admin SSH 00:00:00 00:19:04 . . .
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この項の表に示すように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。これらも考慮した上、完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
- cisco-sa-20191016-airo-capwap-dos:Cisco AironetアクセスポイントおよびCatalyst 9100アクセスポイントのCAPWAPにおけるDoS脆弱性
- cisco-sa-20191016-airo-pptp-dos:Cisco AironetアクセスポイントのPoint-to-Point Tunneling ProtocolにおけるDoS脆弱性
- cisco-sa-20191016-airo-unauth-access:Cisco Aironetアクセスポイントの不正アクセスの脆弱性
- cisco-sa-20191016-wlc-ssh-dos:Cisco Wireless LAN Controllerのセキュアシェル(SSH)におけるDoS脆弱性
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェアリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのアドバイザリ集に記載された何らかの脆弱性に該当するかどうか、および、それらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
Cisco WLC ソフトウェア メジャーリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
このアドバイザリ集で説明している脆弱性すべてに対する推奨リリース |
---|---|---|
8.0 以前 |
8.5.151.0 |
8.5.151.0 |
8.0 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.1 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.2 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.3 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.4 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.5 | 8.5.151.0 | 8.5.151.0 |
8.6 | 脆弱性なし | 8.8.125.0 |
8.7 | 脆弱性なし | 8.8.125.0 |
8.8 | 脆弱性なし | 8.8.125.0 |
8.9 | 脆弱性なし |
8.9.111.0 |
8.10 | 脆弱性なし |
脆弱性なし |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | - | Final | 2019 年 10 月 16 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。