Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XR ソフトウェア(64 ビット版)を実行している Cisco ASR 9000 シリーズ アグリゲーション サービスルータでは、sysadmin 仮想マシン(VM)に脆弱性が確認されました。認証されていないリモートの攻撃者が、sysadmin VM で実行されている内部アプリケーションにアクセスできる危険性があります。
この脆弱性は、セカンダリ管理インターフェイスが内部の sysadmin アプリケーションから誤って分離されていることに起因しています。攻撃者は、待機している内部アプリケーションのひとつに接続することにより、脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。攻撃者によるエクスプロイトが成功すると、サービス拒否状態に陥ったり、デバイスへのリモート(未認証)アクセスを許したりするなど、不安定な状態になる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190417-asr9k-exr
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、該当バージョンのCisco IOS XR 64ビットソフトウェアを実行していて、セカンダリ管理インターフェイス(ルートスイッチプロセッサ(RSP)上の物理的なMGT LAN 1)が接続および設定されているCisco ASR 9000シリーズアグリゲーションサービスルータに影響を与えます。セカンダリ管理インターフェイスが接続されているかどうかを確認するには、sysadmin 仮想マシンにログインして show interface コマンドを使用します。セカンダリ管理インターフェイスが設定・接続されている場合、次の例に示すようにデバイスが脆弱になります(デュアル ルート スイッチ プロセッサ/ルート プロセッサ(RSP / RP)システムでは、アクティブとスタンバイの両方の RSP/RP を確認してください)。
sysadmin-vm:0_RSP1:eXR# show interface Tue Mar 19 19:32:00.839 UTC MgmtEth0/RSP1/0/0 Link encap: Ethernet HWaddr 08:96:ad:22:7a:31 inet addr: 192.168.0.1 UP RUNNING BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RX packets: 14093 errors:0 dropped:1 overruns:0 frame:0 TX packets: 49 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0 collisions:0 txqueuelen:1000 RX bytes: 867463 TX bytes: 6889 sysadmin-vm:0_RSP1:eXR#
脆弱性が存在する Cisco IOS ソフトウェア リリースの詳細については、本アドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
ASR9000 シリーズのアグリゲーション サービス ルータ以外のプラットフォームで動作する Cisco IOS-XR ソフトウェア(64 ビット版)については、脆弱性の影響を受けないことが確認済みです。
回避策
お客様は次の対策を実施できます。修正されたソフトウェア リリースでも同じ対策が施されています。sysadmin VM のリロード自体に問題はありませんが、対策はメンテナンス中に実施することをお勧めします。
ステップ1:sysadmin VMにアクセスします。
ステップ2:bashを実行し、calvados_bootstrap.cfgファイルを編集します。RP/0/RSP1/CPU0:eXR#admin Tue Mar 12 22:46:37.110 UTC root connected from 127.0.0.1 using console on host
sysadmin-vm:0_RSP1:eXR# run bash Tue Mar 12 22:46:44.224 UTC bash-4.3# vi /etc/init.d/calvados_bootstrap.cfg
ステップ3:次のように変更してファイルを編集します。
#CTRL_VRF=0 #MGMT_VRF=2
これを、次のように変更します。
CTRL_VRF=0 MGMT_VRF=2
ファイルを保存して終了します。デュアル RSP/RP システムでは、アクティブとスタンバイの両方の RSP/RP に対してファイルを変更する必要があります。
ステップ4:sysadmin VMをリロードします(デュアルシステムで両方に対して繰り返します)。
sysadmin-vm:0_RSP1:eXR# reload admin location 0/RSP1 Tue Mar 12 22:49:28.589 UTC Reload node ? [no,yes] yes result Admin VM graceful reload request on 0/RSP1 succeeded. sysadmin-vm:0_RSP1:eXR# RP/0/RSP1/CPU0:Mar 12 22:49:34.059 UTC: rmf_svr[402]: %PKT_INFRA-FM-3-FAULT_MAJOR : ALARM_MAJOR :RP-RED-LOST-ADMINNR :DECLARE :0/RSP1/CPU0: Confd is down RP/0/RSP1/CPU0:eXR#
sysadmin VM が復帰するまで待ちます。
RP/0/RSP1/CPU0:eXR#0/RSP1/ADMIN0:Mar 12 22:59:30.220 UTC: envmon[3680]: %PKT_INFRA-FM-3-FAULT_MAJOR : ALARM_MAJOR :Power Module redundancy lost :DECLARE :0: RP/0/RSP1/CPU0:Mar 12 22:59:33.708 UTC: rmf_svr[402]: %PKT_INFRA-FM-3-FAULT_MAJOR : ALARM_MAJOR :RP-RED-LOST-ADMINNR :CLEAR :0/RSP1/CPU0:
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
今回の脆弱性は 64 ビット版の Cisco IOS XR リリース 6.5.3 および 7.0.1 で修正されています。これらのリリースでは calvados_boostrap.cfg ファイルを編集してデバイスをリロードすることで問題を回避します。
回避策が有効であるため、本脆弱性に対するソフトウェア メンテナンス アップグレード(SMU)の公開予定はありません。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 4 月 17 日 |
利用規約
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