Informational
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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
2018 年 8月 4 日、Hashcat プロジェクトの Jens Steube 氏は無線クライアントの暗号化された情報を取得するための新しい手法を公開しました。それは Wi-Fi ネットワークを保護するのに使用される事前共有キー(PSK)のオフライン リカバリを試みる攻撃者が利用可能なものです。
認証メカニズムとしてPSKが使用されている場合、Wi-Fi Protected Access(WPA)とWi-Fi Protected Access 2(WPA2)の両方のプロトコルがオフライン暗号化攻撃の影響を受けやすいことがわかっています。これは、プロトコルに対する新規の脆弱性または新規の攻撃ではありません。これは PSK に対するオフライン攻撃を試みるために必要な情報を攻撃者が得るための新しいベクトルです。
この新しいメソッドは攻撃者が Extensible Authentication Protocol Over LAN(EAPOL)認証交換を待ち、キャプチャした上でオフライン PSK リカバリを試みる必要がない点が既存の PSK に対する攻撃と異なっています。この新しいベクトルにより、攻撃者はローミングイベント中に送信された単一の無線フレームから必要な情報を抽出できます。このキャプチャのための条件は以下です:
- フレームに Robust Security Network-Pairwise Master Key Identification(RSN-PMKID)オプションが含まれている
- 無線インフラストラクチャの認証に PSK モードの WPA2 を使うよう設定されている
- 無線インフラストラクチャが Proactive Key Caching(PKC)高速ローミング オプション(PMKID ローミング)をサポートしている
Wi-Fi ネットワークの PSK の回復が、このメソッドがより簡単、または高速になる訳ではないことに注意することは重要です。その代わり、攻撃者がそれに続くオフライン暗号攻撃を行なうために必要な情報を収集することは容易です。PSK の正常なリカバリの確率は使用中の PSK の複雑さに大きく依存します。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20180809-wpa2
脆弱性のある製品
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
シスコでは、802.1X認証が設定されたWLANネットワークの一部であるシスコデバイスが、この攻撃ベクトルの影響を受けないことを確認しています。
詳細
推奨事項
WPAおよびWPA2 PSKに対するオフライン攻撃を緩和するためのシスコの標準的な推奨事項を次に示します。- 可能であれば、PSKを使用する任意のWi-Fi認証メカニズムから802.1Xに移行します。Cisco は認証メカニズムとして PSK を使用することを推奨しておらず、その使用は特定の互換性シナリオのある場合に制限されるべきです。
- PSKから802.1Xに移行できない場合は、18文字以上の強力なPSKを設定します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
2.0 | この攻撃ベクトルの影響を受ける製品と受けない製品を追加しました。 | 「脆弱性のある製品」、「脆弱性を含んでいないことが確認された製品」、「推奨事項」、「ソース」 | Final | 2019年6月6日 |
1.1 | Cisco Merakiドキュメントへのリンクを追加。 | 該当製品 | Interim | 2018 年 8 月 24 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Interim | 2018年8月9日 |
利用規約
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