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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、NATおよびMPLS処理を必要とするIPv4パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、NATおよびMPLSサービスを実行するように設定されたCisco IOS XEデバイスによって処理されるIPv4パケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。攻撃者はこの不正利用により、該当デバイスのリロードを引き起こす可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性を軽減する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20150923-iosxe
注:2015年9月23日のCisco IOSソフトウェアおよびIOS XEソフトウェアのセキュリティアドバイザリバンドル公開には3件のCisco Security Advisoryが含まれています。すべてのアドバイザリは、Cisco IOSソフトウェアおよびCisco IOS XEソフトウェアの脆弱性に対処しています。個々の公開リンクは、次のリンクにある『Cisco Event Response: Sepannual 2015 Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』に掲載されています。
http://www.cisco.com/web/about/security/intelligence/Cisco_ERP_sep15.html
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性が不正利用される可能性があるのは、IPv4 中継パケットのみです。該当デバイスを宛先とするパケットまたは IPv6 パケットがこの脆弱性をトリガーすることはできません。 NATおよびMPLSサービスは、デフォルトでは有効になっていません。
Cisco IOS XEソフトウェアの設定でNATが有効になっているかどうかを判断するには、ip nat insideまたはip nat outsideコマンドが異なるインターフェイスに存在し、設定に少なくとも1つのip natグローバルコンフィギュレーションコマンドが存在している必要があります。
NAT が設定にあるかどうかを判断するには、脆弱性がある次の設定例に示すように show running-config | include ip natコマンドを使用すると、NATが設定に存在するかどうかを確認できます。脆弱性のある次の設定例を参照してください。
出力が空の場合、特定のデバイスで実行されているCisco IOS XEソフトウェアリリースには脆弱性はありません。出力が空でない場合は、Cisco IOS XEデバイスでNATが有効になっています。asr1000#show running-config | include ip nat
ip nat inside
ip nat outside
ip nat pool test 192.168.0.1 192.168.0.254 netmask 255.255.255.0
ip nat outside source list 1 pool test
NAT が設定にあるかどうかを判断するには、脆弱性がある次の設定例に示すように show running-config | include mpls ipコマンドを使用すると、MPLSが設定に存在するかどうかを確認できます。次の例は、脆弱性のある設定の例を示しています。
また、mpls ipコンフィギュレーションコマンドは、ip nat outsideが設定されているインターフェイス上に存在する必要があり、ip nat insideコンフィギュレーションコマンドは、別のインターフェイスの設定に存在する必要があります。 show running-config interfaceコマンドを使用すると、次の項目を確認できます。asr1000#show running-config | include mpls ip
mpls ip
- mpls ip コマンドが、設定のip nat outsideコマンドと同じインターフェイス上に存在するかどうか
- ip nat insideコマンドが別のインターフェイスの設定に存在するかどうか
asr1000# show running-config interface
!
interface GigabitEthernet0/0
no shutdown
ip address 10.86.194.60 255.255.254.0
ip nat inside
!
interface GigabitEthernet0/1
no shutdown
ip address 10.10.4.200 255.255.0.0
ip nat outside
mpls ip
!
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
Cisco IOS XRソフトウェアは、この脆弱性の影響を受けません。
Cisco NX-OSソフトウェアは、この脆弱性の影響を受けません。
他のシスコ製品において、このアドバイザリの影響を受けるものは現在確認されていません。
詳細
この脆弱性は、NATおよびMPLS処理を必要とするIPv4パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、NATおよびMPLSサービスを実行するように設定されたCisco IOS XEデバイスによって処理されるIPv4パケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。攻撃者はこの不正利用により、該当デバイスのリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性を不正利用するには、IPv4パケットがip nat insideコマンドで設定されたインターフェイスに到達し、ip nat outsideコマンドおよびmpls ipコマンドで設定されたインターフェイス上のアウトバウンド処理が宛先である必要があります。
この脆弱性は、Cisco Bug ID CSCut96933(登録ユーザ専用)として文書化され、Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)IDとしてCVE-2015-6282が割り当てられています。
回避策
この脆弱性に対する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する場合は、http://www.cisco.com/go/psirt の Cisco Security Advisories, Responses, and Alerts アーカイブや、後続のアドバイザリを参照して侵害の可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS XEソフトウェアは、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けます。Cisco IOS XEソフトウェアリリースとCisco IOSソフトウェアリリースのマッピングについては、『Cisco IOS XE 2リリースノート』および『Cisco IOS XE 3Sリリースノート』を参照してください。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリース | このアドバイザリの最初の修正リリース | First Fixed Release for の全アドバイザリ 2015年9月Cisco IOSおよびIOS XE ソフトウェアセキュリティアドバイザリ バンドル公開 |
---|---|---|
2.x.x | 脆弱性あり、3.10.6S以降に移行。 |
脆弱性あり。3.10.6S以降に移行してください。 |
3.x.xS | 脆弱性あり、3.10.6S以降に移行してください。 |
脆弱性あり、3.10.6S以降に移行してください。 |
3.10.xS | 3.10.6S | 3.10.6S |
3.11.xS | 脆弱性あり、3.13.3S以降に移行 | 脆弱性あり。3.13.3S以降に移行してください。 |
3.12.xS | 脆弱性あり、3.13.3S以降に移行 | 脆弱性あり。3.13.3S以降に移行してください。 |
3.13.xS | 3.13.3S | 3.13.3S |
3.14.xS |
脆弱性あり、3.15.1S以降に移行 | 脆弱性あり。3.15.1S以降に移行してください。 |
3.15.xS |
3.15.1S | 3.15.1S |
3.16.xS | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
推奨事項
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
この脆弱性はサポート ケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
リビジョン 1.0 | 2015年9月23日 | 初回公開リリース |
利用規約
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