Cisco ケーブル モデム(CM)カードを使用すると、光ファイバ/同軸ハイブリッド(HFC)ネットワークの CM を、ケーブル テレビ(CATV)ヘッドエンド設備の Cisco uBR7200 シリーズに接続できます。CM カードは、HFC ネットワークにある Cisco uBR7200 シリーズの Peripheral Component Interconnect(PCI)バスと無線周波数(RF)信号間のインターフェイスを提供します。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
この文書を読むには、次の知識が必要です。
Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)およびデータオーバーケーブル サービス インターフェイス仕様(DOCSIS)1.0 プロトコル
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
このドキュメントの作成に使用するコンポーネントは特定のプラットフォームに固有ではありませんが、Cisco DOCSIS に準拠する CM および正規ケーブル モデム ターミネーション システム(CMTS)に限定されます。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
Cisco CM カードは業界標準 DOCSIS に準拠しています。
このドキュメントで指定する項目では、次の言語表記法を使用します。
必要がある:この項目は仕様の絶対要件です。
できる:この項目はまったくの任意項目であり、実装者のニーズにしたがって従うか無視することができます。
特定の CM の設定データは、FTP の簡易バージョンであるトリビアル ファイル転送プロトコル(TFTP)で CM にダウンロードするファイルに含める必要があります。コンフィギュレーション ファイルは DHCP ベンダー拡張データ用に定義された形式にして、多くの構成設定から構成される必要があります。すべての CM には、ベンダーに関係なく、コンフィギュレーション ファイルが必要です。このファイルには、標準フィールドとベンダー固有フィールドの両方があります。ファイル形式と標準フィールドは、DOCSIS 仕様で定義されています。
最終形式のコンフィギュレーション ファイルはバイナリ ファイルであり、一般的には設定ツールを使用してファイルを作成します。DOCSIS CM コンフィギュレーション ファイルの作成を支援するため、多くのツールが公開されています。「シスコのスタンドアロン DOCSIS コンフィギュレーション ファイル エディタ」を参照してください。
CM は、レンジング調整を完了した後で、DHCP を使用して IP 接続を確立します。DHCP サーバは、IP アドレス、CM コンフィギュレーション ファイルをダウンロードするための TFTP サーバの IP アドレス、以下で説明するその他のパラメータなど、モデムが IP 接続を確立するために必要となる IP 情報を提供します。
CM からの DHCP 要求には次のフィールドが存在する必要があり、以下で説明するように設定する必要があります。
ハードウェア タイプ(htype)は 1 に設定する必要があります。
ハードウェアの長さ(hlen)は 6 に設定する必要があります。
クライアント ハードウェア アドレス(chaddr)は、CM の RF インターフェイスに関連する 48 ビットのメディア アクセス制御(MAC)アドレスに設定する必要があります。
ハードウェア タイプを 1 に設定し、chaddr フィールドと同じ 48 ビットの MAC アドレスに値を設定して、「client identifier」オプションを組み込む必要があります。
「parameter request list」オプションを組み込む必要があります。リストに含める必要があるオプション コードは次のとおりです。
オプション コード 1(サブネット マスク)
オプション コード 2(タイム オフセット)
オプション コード 3(ルータ オプション)
オプション コード 4(タイム サーバ オプション)
オプション コード 7(ログ サーバ オプション)
DOCSIS 1.0 ケーブル モデムの場合は、Vendor Class Identifier(オプション 60)を設定して文字列「docsis 1.0」を含めることができます。 これ以上のバージョンの DOCSIS を実行するモデムの場合は、ケーブル モデムの機能を示す文字列を Vendor Class Identifier(オプション 60)に含める必要があります(たとえば「docsis1.1:xxxxxx」、xxxxxx はモデム機能の ASCII 表現)。
CM に返される DHCP 応答には、次のフィールドが期待されます。DHCP 応答に基づいて、CM 自体を設定する必要があります。
CM が使用する IP アドレス(yiaddr)。
ブートストラップ プロセスの次のフェーズで使用する TFTP サーバの IP アドレス(siaddr)。
DHCP サーバが別のネットワークにある場合(リレー エージェントが必要)、リレー エージェントの IP アドレス(giaddr)。
注:このIPアドレスは、ファーストホップルータのIPアドレスとは異なる場合があります。
CM が TFTP サーバから読み取る CM コンフィギュレーション ファイルの名前(file)。
CM が使用するサブネット マスク(Subnet Mask、オプション 1)。
CM のタイム オフセットには、UTC(世界標準時)からの時差を指定します(「タイム オフセット、オプション 2」を参照)。 この値は、CM によってエラー ログにタイム スタンプを行うためのローカル時間の計算に使用されます。
CM が発信する IP トラフィックの転送に使用する、1 つ以上のルータのアドレスのリスト(Router Option、オプション 3)。 CM は、複数のルータ IP アドレスを転送に使用する必要はありません。
現在の時刻を取得できる [RFC-868] タイムサーバのリスト(Time Server Option、オプション 4)。
ロギング情報の送信先にできる SYSLOG サーバのリスト(Log Server Option、オプション 7)。「CableLabs DOCSIS Specifications」 を参照してください。
コンフィギュレーション ファイルには次の構成設定を含める必要があり、すべての CM がこれをサポートする必要があります。
ネットワーク アクセス構成設定
サービス クラス構成設定
終了構成設定
CMに接続されたCPEデバイスにネットワーク接続を許可するには、ネットワークアクセスの値を1に設定する必要があります。また、CMには、顧客とのサービスレベル契約に応じてサービスクラスのプロファイルが必要です。
シスコでは、ドキュメント『Cisco DOCSIS コンフィギュレータを使用した DOCSIS 1.0 コンフィギュレーション ファイルの構築』のセクション「ダウンロード可能 DOCSIS コンフィギュレーション ファイル」で DOCSIS 1.0 コンフィギュレーション ファイルの例を提供しています。
最後に、コンフィギュレーション ファイルには「End of File」マーカーが必要です。データ作成者がこれを行いますが、値は ff にする必要があります。
コンフィギュレーション ファイルには次の構成設定を含めることができ、含める場合はすべての CM がこれをサポートする必要があります。
ダウンストリーム周波数構成設定
アップストリーム チャネル ID 構成設定
重要な注意点の1つは、CMコンフィギュレーションファイルに1 ~ 6の値を入力し、Cisco uBR72xxルータが0 ~ 5のUCDを送信することです。アップストリームチャネルID設定に0を使用する場合、通常はデュアルモデム電話会社(telco)リターン/双方向CMににです操作を行います。
ベースライン プライバシー構成設定。これを動作させるため、次の 4 つの条件があります。
CM には、ベースライン プライバシーをサポートするソフトウェア イメージが必要です。
CMTS には、ベースライン プライバシーをサポートするソフトウェア イメージが必要です。
ベースライン プライバシー フィールドは、1 で有効にする必要があります。
CMTS で DOCSIS 1.1 が有効である場合は、最低 1 つのベースライン プライバシー構成設定を設定する必要があります。つまり、Authorize Wait Timeout、Reauthorize Wait Timeout、Authorization Grace Time、Operational Wait Timeout、Rekey Wait Timeout、TEK Grace Time、Authorize Reject Wait Timeout のいずれかを設定する必要があります。
ソフトウェア アップグレード ファイル名構成設定。
簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)書き込みアクセス制御
SNMP MIB オブジェクト。
ソフトウェア サーバ IP アドレス。
顧客宅内機器(CPE)イーサネット MAC アドレス。
1 ~ 255の範囲のCM(CPE)のイーサネットポートの最大ホスト数。値が設定されていない場合、デフォルトは1に設定されます。
PAD 構成設定。
コンフィギュレーション ファイルには電話設定オプション設定を組み込むことができます。これを組み込んでこのタイプのモデムに適用可能である場合は、それがサポートされる必要があります。
コンフィギュレーション ファイルにはベンダー固有の構成設定を組み込むことができ、組み込む場合は CM によってサポートされることがあります。
マルチプル サービス オペレータ(MSO)が提供する RF 設計とサービスに応じて、CM コンフィギュレーション ファイルではその他のフィールドを使用できます。
このドキュメントに関する質問があるか、詳細が必要である場合は、「CableLabs」 を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
15-Nov-2007 |
初版 |