Cisco IOS(R) ソフトウェアのコンフィギュレーション ファイルは、ルータに送信するコンフィギュレーションが書き込まれたテキスト ファイルです。シスコのケーブル モデムでは、送信されるコンフィギュレーションには、アクセス リスト、ホスト名、SNMP コミュニティ ストリング、パスワード、または、デフォルトのブリッジ設定と異なるルーティング設定が含まれるのが一般的です。Cisco IOS のコンフィギュレーション ファイルを送信するには、ファイルを Data-over-Cable Service Interface Specifications(DOCSIS)のコンフィギュレーション ファイルに組み込む必要があります。DOCSIS のコンフィギュレーション ファイルは、ケーブル モデムによって初期化プロセスの TFTP 部分で使用されます。
Cisco IOS のコンフィギュレーション ファイルをシスコのケーブル モデムにダウンロードするには、2 つの方法があります。
一般的に使用される 1 つ目の方法は、DOCSIS CPE Configurator ツールを使用する方法です。「Cisco DOCSIS CPE Configurator」(登録ユーザのみ)を参照してください。 ドキュメント『Cisco DOCSIS Configuratorを使用したDOCSIS 1.0コンフィギュレーションファイルの構築』(登録ユーザ専用)には、この方法の詳細な説明が記載されています。
同じ処理を行う 2 つ目の方法は、Cable Modem Termination System(CMTS; ケーブル モデム終端システム)の Cisco IOS の Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使用する方法です。
この文書では、DOCSIS Configurator ツールを使用せず、この 2 つ目の方法を使用して IOS のコンフィギュレーション ファイルをシスコのケーブル モデムにダウンロードする方法について詳細に説明します。この場合は、拡張バージョンのオールインワン設定を使用します。この設定により、Cisco CMTSをDHCP、ToD、およびTFTPサーバとして設定し、CMTS自体でDOCSISコンフィギュレーションファイルを設定できます。
CLI を使用してケーブル モデムにコンフィギュレーション ファイルを送信し、DOCSIS コンフィギュレーション ファイルを設定する場合には、DHCP option called DHCP Vendor Specific Information Option を追加することが必要です。これはオプション 43 とも呼ばれます。
この方法でケーブル モデムを設定することの利点は、すべてを Cisco の CMTS で行うことができ、他のサーバ(DHCP、TFTP、ToD)やソフトウェア(DOCSIS CPE Configurator Tool)を使用しなくても、Cisco IOS のコンフィギュレーションを Cisco のケーブル モデムに送信し、カスタム化した設定で動作するようにできることです。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
この文書の読者には、次の項目について基本的な知識があることが必要です。
DOCSIS プロトコル
uBR シリーズ ルータでの Cisco IOS コマンドライン インターフェイス(CLI)
UNIX
ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)
次の「DHCP オプション 43 を含むオールインワン設定の設定方法」を参照してください。
オプション 43 は、クライアントとサーバでベンダー固有の情報を交換するために使用される DHCP オプションです。
このオプションは通常、「Type-Length-Value」形式でフォーマットされます。この形式では、さまざまな情報が異なるサブオプションタイプで表現されます。「Value」フィールドの意味は、エンド デバイスのメーカーによって定義されます。図 1 は、オプション 43 を図示したものです。
Type | 長さ | 値 | Type | 長さ | 値 | ||||
T1 | n | d1 | D2 | ...... | T2 | n | D1 | D2 | ...... |
図 1 - オプション 43 で送信されるデータの Type-Length-Value 構造
Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルをシスコのケーブル モデムにダウンロードするには、Vendor ID と Vendor Specific Information Option(VSIF)という 2 つのサブオプションを使用します。
Vendor ID サブオプションのタイプは 8 です。ベンダーに関する 3 バイトの Organization Unique Identifier(OUI)は、通常はケーブル モデムの MAC アドレスの最初の 3 バイトになります。この値は、通常は 16 進数の数値として表現されます。シスコシステムズ製の装置の場合、このフィールドは 00:00:0C(16 進数)である必要があります。次の 図 2 では、ベンダー ID サブオプションの 16 進数の値を示しています。
Type | 長さ | 値 |
08 | 03 | 00:00:0C |
図 2 : サブオプション Vendor ID(16 進数値)
使用する 2 つ目のサブオプションは Vendor Specific Information Field(VSIF)です。 このサブオプションのタイプは 128 で、ケーブル モデムのメーカーによって定義された任意の値が設定されます。シスコのケーブル モデムでは、ルータにダウンロード(必要であれば)する Cisco IOS のコンフィギュレーション ファイル名を識別するために、このフィールドを使用しています。
任意の Cisco IOS コマンドも、このフィールドで指定されることがあります。このフィールドは、通常はドット付き 10 進数で表現されます。ドット付き 10 進数による表記とは、各文字の 10 進数値が決められている ASCII 規格を使用して、文字を 10 進数で表すものです。「ドット」は、10 進数を区切って分かりやすくするために使用されます。
この文書では、ios.cf という Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルをダウンロードする方法について説明します。このファイルの名前は、ASCII からドット付き 10 進数に変換されます。
ASCII とドット付き 10 進数との変換がどのようなものかを知るには、次に示す UNIX コマンドの man ascii を使用できます。このコマンドでは、いくつかの変換表が表示されます。ここでは、Decimal - Character の表を見ます。
sj-cse-494% man ascii Reformatting page. Wait... done ASCII(5) Headers, Tables, and Macros ASCII(5) NAME ASCII - map of ASCII character set .... (skip the beginning) Decimal - Character | 0 NUL| 1 SOH| 2 STX| 3 ETX| 4 EOT| 5 ENQ| 6 ACK| 7 BEL| | 8 BS | 9 HT | 10 NL | 11 VT | 12 NP | 13 CR | 14 SO | 15 SI | | 16 DLE| 17 DC1| 18 DC2| 19 DC3| 20 DC4| 21 NAK| 22 SYN| 23 ETB| | 24 CAN| 25 EM | 26 SUB| 27 ESC| 28 FS | 29 GS | 30 RS | 31 US | | 32 SP | 33 ! | 34 " | 35 # | 36 $ | 37 % | 38 & | 39 ' | | 40 ( | 41 ) | 42 * | 43 + | 44 , | 45 - | 46 . | 47 / | | 48 0 | 49 1 | 50 2 | 51 3 | 52 4 | 53 5 | 54 6 | 55 7 | | 56 8 | 57 9 | 58 : | 59 ; | 60 < | 61 = | 62 > | 63 ? | | 64 @ | 65 A | 66 B | 67 C | 68 D | 69 E | 70 F | 71 G | | 72 H | 73 I | 74 J | 75 K | 76 L | 77 M | 78 N | 79 O | | 80 P | 81 Q | 82 R | 83 S | 84 T | 85 U | 86 V | 87 W | | 88 X | 89 Y | 90 Z | 91 [ | 92 \ | 93 ] | 94 ^ | 95 _ | | 96 ` | 97 a | 98 b | 99 c |100 d |101 e |102 f |103 g | |104 h |105 i |106 j |107 k |108 l |109 m |110 n |111 o | |112 p |113 q |114 r |115 s |116 t |117 u |118 v |119 w | |120 x |121 y |122 z |123 { |124 | |125 } |126 ~ |127 DEL|
上記のことから、図 3 で示すように、ios.cf のドット付き 10 進数での表記は 105.111.115.46.99.102 になります。
i | o | s | . | c | f |
105 | 111 | 115 | 46 | 99 | 192 |
図 3 : ファイル名 ios.cf のドット付き 10 進数による表記
VSIFはType-Length-Value(TLV)形式であるため、ios.cfという名前のCisco IOSコンフィギュレーションファイルのドット付き10進表記は128.6.105.111.15.46.99.121図3に示すios.cfのドット付き10進表記に28.6が追加されています。「128」はタイプ、「6」は長さであることに注意してください。
したがって、次の図 4 に示すように、DOCSIS CPE Configurator Tool V3.2 の Vendor Info Tab にある VSIF フィールドに入力される値は 128.6.105.111.115.46.99.192 になります。
図 4 : DOCSIS CPE Configurator Tool の Vendor Info フィールド
しかし、DHCP オプション 43 を使用して Cisco IOS でこの機能を実行する場合、Type-Length-Value(TLV)情報は 16 進数の値で表現される必要があります。ここでは、この 16 進数表現について詳しく説明します。
ASCII 文字列の 16 進数表現を調べるには、次の Unix コマンドを使用できます。
echo -n "ios.cf" | od -t x1 | cut -s -d' ' -f2- | tr ' ' ':' sj-cse-494% echo -n "ios.cf" | OD -t x1 | cut -s -d' ' -f2- | tr ' ' ':' 69:6f:73:2e:63:66
あるいは、先に説明した UNIX コマンドの man ascii を実行して、「Hexadecimal - Character」の表を参照してください。
sj-cse-494% man ASCII Reformatting page. Wait... done ASCII(5) Headers, Tables, and Macros ASCII(5) NAME ASCII - map of ASCII character set .... (skip the beginning) Hexadecimal - Character | 00 NUL| 01 SOH| 02 STX| 03 ETX| 04 EOT| 05 ENQ| 06 ACK| 07 BEL| | 08 BS | 09 HT | 0A NL | 0B VT | 0C NP | 0D CR | 0E SO | 0F SI | | 10 DLE| 11 DC1| 12 DC2| 13 DC3| 14 DC4| 15 NAK| 16 SYN| 17 ETB| | 18 CAN| 19 EM | 1A SUB| 1B ESC| 1C FS | 1D GS | 1E RS | 1F US | | 20 SP | 21 ! | 22 " | 23 # | 24 $ | 25 % | 26 & | 27 ' | | 28 ( | 29 ) | 2A * | 2B + | 2C , | 2D - | 2E . | 2F / | | 30 0 | 31 1 | 32 2 | 33 3 | 34 4 | 35 5 | 36 6 | 37 7 | | 38 8 | 39 9 | 3A : | 3B ; | 3C < | 3D = | 3E > | 3F ? | | 40 @ | 41 A | 42 B | 43 C | 44 D | 45 E | 46 F | 47 G | | 48 H | 49 I | 4A J | 4B K | 4C L | 4D M | 4E N | 4F O | | 50 P | 51 Q | 52 R | 53 S | 54 T | 55 U | 56 V | 57 W | | 58 X | 59 Y | 5A Z | 5B [ | 5C \ | 5D ] | 5E ^ | 5F _ | | 60 ` | 61 a | 62 b | 63 c | 64 d | 65 e | 66 f | 67 g | | 68 h | 69 i | 6A j | 6B k | 6C l | 6D m | 6E n | 6F o | | 70 p | 71 q | 72 r | 73 s | 74 t | 75 u | 76 v | 77 w | | 78 x | 79 y | 7A z | 7B { | 7C | | 7D } | 7E ~ | 7F DEL|
次の図 5 では、Vendor Specific Information Field(VSIF; ベンダー特定情報フィールド)のドット付き 10 進数による表現と 16 進数による表現を要約しています。
Type | 長さ | 値 | |
ドット付き 10 進数 | 128 | 6 | 105.111.115.46.99.102 |
16 進数 | 80 | 06 | 69:6F:73:2E:63:66 |
図 5 : サブオプション VSIF のドット付き 10 進数と 16 進数での表現
この設定の作成とテストは、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンで行われています。
12.2(2)XF を実行する Cisco uBR10012
12.2(2)XA を実行する Cisco CVA120
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際に Cisco IOS のコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
オプション 43 を設定する最初のステップは、Vendor ID に必要な 16 進数の値と、DHCP オプション 43 の VSIF サブオプションに必要な 16 進数の値を調べることです。
次の表では、ベンダー固有情報の項で詳しく説明したこれらの値が要約されています。
Vendor ID サブオプション | VSIF サブオプション | |||||
TLV | Type | 長さ | 値 | Type | 長さ | 値 |
16 進数 | 08 | 03 | 00:00:0C | 80 | 06 | 69:6F:73:2E:63:66 |
意味 | ベンダー ID のタイプ | ベンダー ID の長さ | シスコの ID | VSIF のタイプ | VSIF の長さ | (ファイル名)ios.cf |
図 6
入力する値が分かったら、シスコの CMTS の CLI を使用して、DHCP オプション 43 などの DOCSIS コンフィギュレーション ファイルに必要なすべてのプロパティを作成する必要があります。
DOCSISコンフィギュレーションファイルを作成するには、グローバルコマンドcable config-file DOCSIS-file-nameを入力する必要があります。次の出力は、platinum.cm という名前の DOCSIS コンフィギュレーション ファイルの作成を示しています。platinum.cm の設定は、すべて次で説明します。
Note: !--- Comments are in blue. cable config-file platinum.cm !--- Name of the DOCSIS config file is platinum.cm service-class 1 priority 2 !--- The Upstream Channel priority is 2 service-class 1 max-upstream 128 !--- The Maximum upstream value is 128Kbps service-class 1 guaranteed-upstream 10 !--- The Guaranteed Upstream is 10 Kbps service-class 1 max-downstream 10000 !--- The Maximum Downstream is 10Mbps service-class 1 max-burst 1600 !--- The Maximum Upstream Transmit burst is 1600 bytes cpe max 10 !--- The Maximum number of CPE's is 10 timestamp !--- Enable timestamp generation option 43 hex 08:03:00:00:0C:80:06:69:6F:73:2E:63:66 !--- Using option 43 to send the IOS Configuration file named "ios.cf" !--- to cable modems.
注意:cable config-fileコマンドは、uBR7200およびuBR7100のCisco IOSバージョン12.1(2)EC1、およびuBR10XのCisco IOSバージョン12.2(1)XF1で0003000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000k.
注:16進オプションを使用する際には、TLVデータが正しく入力されていることを確認してください。データが誤って入力されていると、CM がリセット、オフライン、あるいはハングする場合があり、作業を続けるために電源のオフ/オンが必要になります。
DOCSIS コンフィギュレーション ファイル platinum.cm を作成したら、次は CMTS が DHCP サーバになるよう設定し、DHCP の機能に必要なオプションを設定する必要があります。「CMTS での Cisco IOS ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)サービス」では、DHCP プールの作成に使用する各コマンドの意味が説明されています。ここでは、設定を要約し、簡単な説明だけを行います。
DHCP プールの設定は次のとおりです。
ip dhcp pool surf !--- name of the dhcp pool. This scope is for the cable modems attached !--- to interface cable 5/0/0 network 10.1.4.0 255.255.255.0 !--- pool of addresses for scope from interface c5/0/0 bootfile platinum.cm !--- DOCSIS config file name associated with this pool next-server 10.1.4.1 !--- IP address of TFTP server which sends bootfile default-router 10.1.4.1 !--- default gateway for cable modems, necessary to get DOCSIS files option 7 ip 10.1.4.1 !--- Log Server DHCP option option 4 ip 10.1.4.1 !--- ToD server IP address option 2 hex ffff.8f80 !--- Time offset for ToD, in seconds, HEX, from GMT, -28,000 = PST = ffff.8f80 lease 7 0 10 !--- lease 7 days 0 hours 10 minutes !
3 番目のステップは、CMTS が TFTP サーバになるように設定することです。この処理を行うには、次の操作が必要です。
tftp-server コマンドを使用します
TFTP サーバにファイル ios.cf の場所を設定します。
この処理を行うには、tftp-server disk0:ios.cf alias ios.cf コマンドを使用します。このコマンドでは、ファイル ios.cf が disk0 に配置されることに注意してください。
tftp-server server !--- enable the cmts to act as a tftp server tftp-server disk0:ios.cf alias ios.cf !--- get the IOS config file called ios.cf that is pre-downloaded to disk0 !--- this IOS config file was built with a text editor and tftp to disk0
ios.cf ファイルをフラッシュまたは disk0 に配置するには(uBR10012 の場合)、テキスト ファイル エディタで作成したファイルを tftp で転送する必要があります。この処理を行うには、まず初めに、Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルが保存されている tftp サーバに対して ping が実行できるようにします。
次に、グローバル コマンドの copy tftp <device> を入力して、そのファイルを CMTS にコピーできるようにします。通常、uBR7200、uBR7100、または uBR10K の場合はフラッシュが 使用されますが、この例では uBR10012 に disk0 を使用する方法について説明します。
schooner#copy tftp disk0 Address or name of remote host []? 172.16.30.2 Source filename []? ios.cf Destination filename [ios.cf]? Accessing tftp://172.16.30.2/ios.cf... Loading ios.cf from 172.16.30.2 (via FastEthernet0/0/0): ! [OK - 173/4096 bytes] 173 bytes copied in 0.152 secs
IOS コンフィギュレーション ファイルが CMTS に保存されていることを確認するには、dir コマンドを実行します。
schooner#dir Directory of disk0:/ 3 -rw- 11606084 Sep 17 2001 13:31:38 ubr10k-k8p6-mz.122-2.XF.bin 2839 -rw- 173 Oct 01 2001 23:29:44 ios.cf 47890432 bytes total (36274176 bytes free)
ios.cf ファイルで設定されているコマンドを表示するには、次のように CMTS で more <filename> コマンドを使用します。
schooner#more ios.cf hostname SUCCEED service linenumber enable password cisco interface ethernet 0 load 30 no shut interface cable 0 load 30 no shut line vty 0 4 password cisco end
シスコの CMTS で ToD を設定するために必要なグローバル コマンドは、service udp-small-servers max-servers no-limit と cable time-server の 2 つだけです。次のように設定します。
service udp-small-servers max-servers no-limit !--- supports a large number of modems / hosts attaching quickly cable timeserver !--- permits cable modems to obtain Time of Day (ToD) from uBR10012
uBR10012 の完全な設定は次のとおりです。太字で説明されているコマンドは、すべてこの文書での目的に関連するコマンドです。
Schooner#show run Building configuration... Current configuration : 3522 bytes ! version 12.2 no parser cache no service single-slot-reload-enable no service pad service timestamps debug uptime service timestamps log uptime no service password-encryption service udp-small-servers max-servers no-limit ! hostname schooner ! logging rate-limit console all 10 except critical enable secret 5 $1$cM7F$ryXH7z/Ly6QCnD2LQ.gZs/ ! no cable qos permission create no cable qos permission update cable qos permission modems cable timeserver ! cable config-file platinum.cm service-class 1 priority 2 service-class 1 max-upstream 128 service-class 1 guaranteed-upstream 10 service-class 1 max-downstream 10000 service-class 1 max-burst 1600 cpe max 10 timestamp option 43 hex 08:03:00:00:0C:80:06:69:6F:73:2E:63:66 ! redundancy main-cpu auto-sync standard facility-alarm intake-temperature major 49 facility-alarm intake-temperature minor 40 facility-alarm core-temperature major 53 facility-alarm core-temperature minor 45 card 1/0 1oc12pos-1 card 1/1 2cable-tccplus card 2/0 1gigethernet-1 card 5/0 2cable-mc28 card 7/0 2cable-mc28 ip subnet-zero no ip domain-lookup ! ip dhcp pool surf network 10.1.4.0 255.255.255.0 bootfile platinum.cm next-server 10.1.4.1 default-router 10.1.4.1 option 7 ip 10.1.4.1 option 4 ip 10.1.4.1 option 2 hex ffff.8f80 lease 7 0 10 ! interface FastEthernet0/0/0 ip address 172.16.30.50 255.255.255.192 ! interface POS1/0/0 no ip address crc 32 pos report all POs flag j0 1 ! interface GigabitEthernet2/0/0 no ip address negotiation auto ! interface Cable5/0/0 ip address 10.1.4.1 255.255.255.0 cable downstream annex B cable downstream modulation 64qam cable downstream interleave-depth 32 cable upstream 0 frequency 40000000 cable upstream 0 power-level 0 no cable upstream 0 shutdown cable upstream 1 shutdown cable upstream 2 shutdown cable upstream 3 shutdown ! ip classless ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.30.1 no ip http server ! no cdp run snmp-server community public RO snmp-server community private RW snmp-server trap-source Cable5/0/0 snmp-server packetsize 2048 snmp-server enable traps cable snmp-server host 172.16.30.8 public cable snmp snmp-server manager tftp-server server tftp-server ios.cf alias ios.cf ! alias exec scm show cable modem ! line con 0 line aux 0 line vty 0 4 ! end schooner#
他の CMTS ベンダーでは、そのベンダーの CMTS コマンドだけを使っても全項目を設定できない場合がありますが、Cisco IOS では完全に設定することができます。
Cisco IOS のコンフィギュレーション ファイル ios.cf で設定されたコマンドが、ケーブル モデムで受け入れられるようにするには、そのケーブル モデムをリブートする必要があります。これを行うには、CMTS の CLI から clear cable modem <ip address/MAC address> reset コマンドを実行します。
Schooner#clear cable modem 10.1.4.4 reset
注意:使用しているネットワークの規模が大きく、プラント内のすべてのケーブル モデムに対して異なるコンフィギュレーション ファイルを送信したい場合は、段階的に行うことをお勧めします。段階的に行うことで、数千台ものケーブル モデムが一斉にオンラインになろうとするときに、互いに阻害し合うような影響を最小限に留めることができます。
設定を検証するには、clear cable modem コマンドを使用して、ケーブル モデムをクリアします。ケーブル モデムがオンライン状態に戻ったら、telnet 接続を行って設定を調べます。
Schooner#show cable modem MAC Address IP Address I/F MAC Prim RxPwr Timing Num BPI State Sid (db) Offset CPEs Enbld 0004.27ca.0e9b 10.1.4.6 C5/0/0/U0 online 1 *0.00 2820 0 no 0090.9600.703d 10.1.4.2 C5/0/0/U0 online 2 -0.75 2816 0 no 0003.e38f.f9b5 10.1.4.3 C5/0/0/U0 online 3 *0.00 2822 0 no 0001.64ff.e4b5 10.1.4.4 C5/0/0/U0 online 4 *0.00 2812 0 no !--- CVA120 0020.4086.2704 10.1.4.5 C5/0/0/U0 online 5 -0.50 2808 0 no 0020.4086.3324 10.1.4.7 C5/0/0/U0 online 6 -0.50 2808 0 no 0020.4079.feb4 10.1.4.8 C5/0/0/U0 online 7 0.00 2805 0 no 0020.4085.d06a 10.1.4.9 C5/0/0/U0 online 8 -0.50 2807 0 no
この例では、ios.cf ファイルからケーブル モデムに対して、SUCCEED というホスト名を使用するよう命令が出されています。これはこのケーブル モデムに telnet 接続したときに見られるファイル名です。
Schooner#telnet 10.1.4.4 Trying 10.1.4.4 ... Open SUCCEED line 1 User Access Verification Password: SUCCEED>en Password: SUCCEED#
Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルがケーブル モデムに正しくダウンロードされたことを確認するには、show version コマンドを使用します。次の出力では、ios.cf ファイルに関係する情報が太字で示されています。
SUCCEED#show version Cisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) 120 Software (CVA120-K8V4Y5-M), Version 12.2(2)XA, EARLY DEPLOYMENT RELEASE SOFTWARE (fc1) TAC:Home:SW:IOS:Specials for info Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc. Compiled Wed 27-Jun-01 02:02 by hwcheng Image text-base: 0x800100A0, data-base: 0x80782844 ROM: System Bootstrap, Version 12.0(20001010:025045) [spaulsen-blue-3105 3108], DEVELOPMENT SOFTWARE ROM: 120 Software (CVA120-K8V4Y5-M), Version 12.2(2)XA, EARLY DEPLOYMENT RELEASE SOFTWARE (fc1) SUCCEED uptime is 3 days, 3 hours, 21 minutes System returned to ROM by reload at 05:52:09 - Sat Jan 1 2000 System restarted at 05:58:30 - Sat Oct 6 2001 System image file is "flash:cva120-k8v4y5-mz.122-2.XA.bin" Host configuration file is "tftp://10.1.4.1/ios.cf" cisco CVA122 CM (MPC850) processor (revision 3.r) with 32256K/1024K bytes of memory. Processor board ID SAD043708GK Bridging software. 1 Ethernet/IEEE 802.3 interface(s) 1 Cable Modem network interface(s) 1 Universal Serial Bus (USB) interface(s) 8192K bytes of processor board System flash (Read/Write) 7296K bytes of processor board Boot flash (Read/Write) Configuration register is 0x2
CVA120 の設定は次のとおりです。太字で示されたコマンドは、ios.cf ファイルの行に対応することに注意してください。
SUCCEED#show run Building configuration... Current configuration : 1429 bytes ! ! Last configuration change at 11:22:22 - Tue Oct 9 2001 ! version 12.1 no service single-slot-reload-enable no service pad service timestamps debug uptime service timestamps log uptime no service password-encryption service linenumber service internal ! hostname SUCCEED ! no logging buffered no logging buffered logging rate-limit console 10 except errors enable password cisco ! clock timezone - -8 ip subnet-zero no ip routing no ip finger ! interface Ethernet0 ip address 10.1.4.11 255.255.255.0 no ip route-cache no ip mroute-cache load-interval 30 bridge-group 59 bridge-group 59 spanning-disabled ! interface cable-modem0 ip address docsis no ip route-cache no ip mroute-cache load-interval 30 cable-modem boot admin 2 cable-modem boot oper 5 cable-modem downstream mode annex-b cable-modem Mac-timer t2 40000 bridge-group 59 bridge-group 59 spanning-disabled ! interface USB0 ip address 10.1.4.11 255.255.255.0 no ip route-cache no ip mroute-cache arp timeout 0 bridge-group 59 bridge-group 59 spanning-disabled ! ip classless no ip http server no ip http cable-monitor ! snmp-server packetsize 4096 snmp-server chassis-id snmp-server manager ! voice-port 0 input gain -2 ! voice-port 1 input gain -2 ! mgcp modem passthrough voaal2 mode no mgcp timer receive-rtcp ! mgcp profile default ! line con 0 transport input none line vty 0 4 password cisco login ! end
次のコマンドによって有効な設定が行われると想定しているため、cable config-file 用の option コマンドが壊れているように見えます。
option 43 instance 8 hex 00:00:0c option 43 instance 128 ASCII ios.cf
これらのコマンドは受け入れられるものの、正しい Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルは生成されません。これはバグではありません。ここでの問題は、「instance」という用語が「サブオプション」としてどのように解釈されたかですが、これはサブオプションとは解釈されません。
「instance」を使用すると、様々なベンダー向けのオプション 43 のインスタンスが複数ある場合のように、同じオプションを複数回繰り返すことができます。以下が一例です。
option 43 instance 1 hex 08:03:00:00:0C:80:07:69:6F:73:2E:63:66:67 !--- Config file cisco CM option 43 instance 2 hex 08:03:11:22:33:80:07:69:6F:73:2E:63:66:67 !--- Some option for other CM
11:22:33 は架空の会社による無作為の Vendor ID であることに注意してください。実際の Vender ID に一致したとしても、全くの偶然です。
「instance」という用語は、TLV サブオプション フィールドを反映することが想定され、実際 に TLV サブオプション フィールドがあるため、ストリング全体を 16 進数値で入力しなくてはならなくなります。