この製品のドキュメントセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このドキュメントセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブ ランゲージの取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
はじめに
シスコのライセンスの仕組み
シスコでは Cisco® ソフトウェアの購入、使用、導入方法を選べるライセンスオプションを用意しています。昨今、クラウドベースによるアプローチでライセンスをアクティブ化し、組織全体のライセンスを管理できる Cisco Smart Licensing が、多くのお客様から高い評価を得ています。利用できるライセンスモデルの理解を深めるために、このガイドをお役立てください。
ライセンスモデルについて
シスコには主に永続ライセンスとサブスクリプション ライセンスという 2 種類のライセンスモデルがあります。
● 永続ライセンス:無期限に使用権が付与されるソフトウェアです。ライセンスは通常デバイス固定で、保守サポートを受けるためには別の年間費用が必要です。新しいデバイスを購入する際に新規ライセンスを購入することになります。
● サブスクリプション ライセンス:サブスクリプション期間の間だけ使用権が付与されるソフトウェアです。サブスクリプションモデルは一般に最新の機能や先進技術をいち早く利用できるだけでなく、コストをより予測しやすい仕組みを備えています。また、サブスクリプションにはサポートサービスも含まれています。
購入方法
● 取引ごとの購入:永続ライセンスとサブスクリプション ライセンスはどちらもその時限りの取引で購入できます。各サブスクリプションの取引における契約期間は、サブスクリプション固有のものになります。
● エンタープライズ アグリーメント(EA):Cisco エンタープライズ アグリーメントは購入規模が大きいほど経済的で、ライセンス管理もシンプルになります。Cisco EA は財務上の見通しがつきやすく、インセンティブを得やすいことに加え、サブスクリプションの契約終了日を統一できるというメリットがあります。
標準化された階層、契約期間、使用状況の測定方法について
シスコのソフトウェア ライセンス モデルは全ての製品に渡りオファー、契約期間、使用状況の測定方法を標準化しています。これによりお客様はシスコのライセンスの仕組みを理解し、購入および管理がしやすくなっています。
ライセンス階層
ライセンス階層は機能のグループにより独自のオファーを構成します。各層で機能は追加されて、上位層には下位層の機能がすべて含まれます。シスコのソフトウェアの大半は、以下の階層で購入できます。
· Essentials
· Advantage
· Premier
サブスクリプションの期間
シスコのサブスクリプションはオファーに応じて 1 か月、1 年、3 年、5 年、または 7 年間有効です。
ソフトウェア使用状況の測定方法
シスコではライセンスの使用状況を測るための測定方法が 3 つあります。ユーザ単位、デバイス単位、容量単位の 3 つです。
● ユーザ単位:ソフトウェアにアクセスできるユーザごとの料金設定
● デバイス単位:ソフトウェアにアクセスできるデバイスごとの料金設定
● 容量単位:使用する可能性があるソフトウェアの量に基づく料金設定
それぞれの各カテゴリに、次のように具体的な測定基準が定義されています。
● ユーザ:固有ユーザ、ナレッジワーカー、アクティブユーザ、指名エージェント、指名ユーザ、対象ユーザ
● デバイス:デバイス、ワークロード、アプライアンス
● 容量:帯域幅、同時接続エージェント数、同時接続数、同時接続アクティブエンドポイント数、ログ容量、管理ユニット、回線、同時接続会議数、セッション、トランザクション、パック、クエリボリュームレート、スループット、インスタンス、ポート、ルートプレフィックス、日次の送信、フロー
詳しくは、 一般取引条件と製品固有の使用条件に基づくソフトウェアおよびクラウドサービスの詳細をご覧ください。
ライセンスの導入、管理は主に 2 つの方法で行います。
● 従来の製品アクティベーションキー(PAK)ライセンス:ライセンスキーを使用してデバイスを個別に構成する必要があります。お客様が所有するライセンスをまとめて表示することはできません。通常は購入の時点で Cisco PAK ライセンスを取得し、複数あるライセンス管理ツールの 1 つを利用してアクティブ化します。PAK ライセンスは徐々にクラウドベースのスマートライセンスに代わられつつあります
● Cisco Smart Licensing:組織全体で使用できるライセンスプールにオンラインポータルを介してアクセスできる仕組みです。スマートライセンスでは何を購入し、実際に何を使用しているのかを把握できます。
表 1. 従来のライセンスとスマートライセンスの比較
スマートライセンス |
従来の PAK ライセンス |
完全な可視性 ソフトウェア資産とデバイスの使用状況を単一のインターフェイスで一元的に確認でき、管理がシンプルです。 |
可視性は限定的 このライセンスでは複数のポータルとツールが必要となるため、インベントリの確認と管理に比較的難があります。 |
仮想登録 PAK が必要なく、自身で簡単にデバイスのロックを解除したり、アクティブ化したりできます。 |
手動登録 すべてのデバイスを登録しなければならず、ロックの解除にもライセンスキーが必要です。 |
会社ベースのライセンス方式 プールされたライセンスはさまざまなデバイスで使用できる柔軟性があります。当初の購入分を超えて使用可能で、後で支払いを調整できます。 |
デバイス固定のライセンス方式 ノードのロックにより各ライセンスを 1 つの特定のデバイスにしか使用できないという制限があります。 |
スマートライセンスの仕組み
スマートライセンスでは、ライセンスのプールが シスコスマートアカウントに関連付けられます。銀行の仕組みと同じように、新しいライセンスは自動的にスマートアカウントに振り込まれることで利用アカウントのライセンス残高(エンタイトルメントとも呼ばれます)が増加します。ライセンスの有効期限が切れるか終了すると、インベントリ上の残高が減少します。
スマートライセンスの数々の利点
スマートライセンスを利用すればシスコ ソフトウェア ライセンスの購入、導入、整理、最適化がシンプルになります。
● 簡単なアクティベーション:スマートライセンスは、会社全体で使用できるソフトウェアライセンスのプールを確立します。製品アクティベーションキー(PAK)は不要になります。
● 管理の統合:シスコは使いやすいポータルですべてのシスコ製品とサービスの完全なビューを提供します。そのためこのポータルで、保有している、あるいは使用しているライセンスの種類を把握
● ライセンスの柔軟性:ソフトウェアはハードウェアにノードロックされていないため、必要に応じてライセンスを簡単に使用および移転できます。
従来のライセンスからスマートライセンスへの変換
スマートアカウント管理者は、Cisco Smart Software Manager から従来のライセンスをスマートライセンスに変換できます。スマートアカウントに追加された新しいデバイスに対して、デバイス主導の自動変換を設定することもできます。またライセンスと PAK の一括変換にも対応しています。ベストプラクティスは Cisco Commerce Workspace などのコマースツールを利用して、従来のライセンスを購入時にスマートライセンスに割り当てる方法です。
ライセンスの変換の詳細については以下のオンデマンドリソースをご覧ください。
● 従来の PAK ライセンスからスマートアカウントへの変換(ビデオ)
● クラシック PAK ベースライセンスのスマートアカウントへの割り当て(ビデオ)
● スマートアカウントを使用したクラシックライセンスの管理(ビデオ)
● スマートアカウントの新規購入ライセンスへの割り当て(ビデオ)
スマートライセンスを使用している製品ファミリの確認
スマートライセンス対応製品の最新のリストと、製品のアクティベーション関連のドキュメントをダウンロードしてご確認ください。
3. 始めるには
スマートライセンスの利用に際してのスマートアカウントの設定
スマートライセンスを使用するにあたっての最初のステップは、会社のスマートアカウントを設定することです。スマートアカウントではユーザの表示、製品の登録、スマートライセンスの管理などを一元的に行えます。
既存スマートアカウントへのアクセスリクエスト
スマートアカウントを介してスマートライセンスを使用する明確な利点
リアルタイムの可視性。組織全体のソフトウェアライセンス、エンタイトルメント、ユーザに関する現状と分析情報をすぐに把握できます。
一元管理。すべてのシスコのソフトウェア資産(PAK ライセンスおよびエンタープライズ アグリーメントを含む)を一か所で把握し、ライセンスをネットワーク内で自由に移動できます。
テレメトリ。購入済み、使用中、利用可能な状態のソフトウェアに関するレポートをダウンロードし、ソフトウェアの使用状況、利用効率、予算計画の改善に活用できます。
より良い分割管理性。部門、製品、地域、またはその他の指定別にライセンスを整理できる柔軟性があります。
即応性と使いやすさ。スマートアカウントは 5 分もかからずに作成できる即応性と使いやすさを備えています。
スマートライセンスの利点については、<ビデオへのリンクを挿入>をご覧ください。
カスタマイズされたバーチャルアカウントによる精細なライセンス管理
バーチャルアカウントとは、シスコのライセンスをさらに整理し最適化するためにスマートアカウント内でカスタマイズして利用できるサブアカウントです。カスタマイズには部門や地域、ユーザが定義した基準を使用できます。
ユーザロールの割り当てを利用したスマートアカウントの管理
スマートアカウント承認者は、スマートアカウントのプロパティの編集、すべてのユーザの表示、契約の承認、イベントログの表示を行うことができますが、ライセンスの管理はできません。
スマートアカウント管理者は、スマートアカウントのプロパティの編集、ユーザとバーチャルアカウントの追加と編集、契約の承認、イベントログの表示、スマートライセンス全体のライセンスの管理を行うことができます。
スマートアカウントユーザはすべてのバーチャルアカウントにアクセスしてライセンスアクティビティを実行できますが、新規バーチャルアカウントの作成やユーザの管理は実行できません。
バーチャルアカウント管理者は、割り当て済みのバーチャルアカウントにユーザを追加、編集したり、そのアカウントのイベントログを表示したりできるほか、アカウントの契約の確認や割り当て済みバーチャルアカウントのライセンス管理を行えます
バーチャルアカウントユーザは、割り当て済みのバーチャルアカウントのライセンスを管理できますが、新規にユーザを追加することはできません。
小規模企業向けの制限付きスマートアカウント
スマートアカウントの機能すべてが必要ではないというお客様向けに、限定用途の縮小版スマートアカウントをご用意しています。このアカウントは企業ドメインの電子メール ID がなく、パブリックの電子メールドメインを使用している中小企業(SMB)向けに作られています。
限定用途のスマートアカウントについてのクイックリファレンスガイドを読む
Cisco Smart Software Manager(SSM)によるライセンスの自己管理
スマートアカウントが作成できたら、クラウドベースの Cisco SSM インターフェイスから自己管理方式による会社全体のライセンス導入に着手できます。SSM には以下の機能があります。
● 製品登録とアクティブ化後にライセンスの使用状況をリアルタイムで提示
● バーチャルアカウントによるライセンスのグループ化(ライセンス資産プール)で容易な管理を実現
● 期限切れ間近、期限切れ、ライセンス不十分などのアラート、イベントログ、概要メールで管理者に最新情報を通知
Cisco Smart Software Manager(SSM)の解説ビデオを見る
Cisco Smart Software Manager(SSM)の入手
スマートライセンスには 4 つの導入オプションがあります。どれか 1 つの方法を組織全体に採用するか、必要に応じてオプションを組み合わせてご使用ください。
● ダイレクト接続によるライセンス管理とレポーティング
クラウドベースによる導入方法で、その仕組みは最もシンプルです。ご利用のシスコ製品をインターネットまたは HTTP プロキシサーバを介して tools.cisco.com に接続すれば、使用状況に関する情報がデバイスから自動的に報告されます。ダイレクト接続による導入は追加設定作業が不要です。
● オンプレミス方式の導入によるライセンス管理とレポーティング
この導入方法はセキュリティポリシーでデバイスをインターネットから切り離す必要がある場合に最適です。デバイスの通信はローカルネットワークの内側に留まります。オンプレミスサーバは同期処理によって Cisco Smart Software Manager とライセンス情報を交換します。転送はネットワークベースの自動処理にすることも、オフラインでの手作業にすることもできます。この方法であればおよそ 30 以上のライセンスからなる大規模導入もシンプルになります。詳細については、データシートをご覧ください。
● 非接続型(ライセンス予約方式)ライセンスの使用
この展開方法は最高レベルのセキュリティを誇り、完全なエアギャップ環境が必要な組織に適しています(オンプレミスライセンス方式は選択不可)。ライセンス予約方式によるアクセスは完全なオフラインで行われ、継続的な通信環境もインフラストラクチャの追加も必要ありません。ライセンスのチェックインとチェックアウトは、必ず製品と Cisco.com との間でライセンスの情報をコピーし、貼り付けるという手作業になります。非接続型ライセンス方式は遠隔地環境にも適した方法です。
● プラグアンドプレイ
デバイスの導入設定作業の効率をシンプルかつ安全な統合的な手法で改善します。
Cisco ネットワーク プラグアンドプレイでは、クラウドベースのサービスでセキュリティの確保と拡張に対応し、オンプレミスの Cisco DNA Center または Cisco DNA Center Cloud でネットワークデバイスの検出メカニズムを利用できます。この展開方法はすべてのシスコ エンタープライズ プラットフォーム(ルーター、スイッチ、ワイヤレスアクセスポイント)でシンプルな Day-0 プロビジョニングが可能な頼れるソリューションです。プラグアンドプレイではデバイスの調達時にスマートアカウントが必要になります。
コンポーネントの概要
詳しいサポートについては、software.cisco.com をご覧ください。
表 2. 導入オプションの比較
|
ダイレクト |
オンプレミス |
オフライン |
概要 |
すべてのライセンス使用状況を Cisco.com の Cisco Smart Software Manager(SSM)で管理します。 |
バーチャルマシンベースのソフトウェアをダウンロード(無償)して Cisco SSM オンプレミスのライセンスサーバを導入します。ダイレクト接続方式によるクラウドベースのユーザエクスペリエンスはそのままに、通信はすべてオンプレミスで行われます。SSM オンプレミスサーバと SSM は月に 1 度、ネットワークベースでの転送かオフラインでの手動転送によってデータベースを同期します。 |
PAK の場合と同じように手入力の予約コードを使用して、Cisco デバイスにライセンスを配信します。オフライン方式のため、ライセンスの利用内容を変更するには手作業での処理が必要です。推奨オプションではないため、デフォルトではすべてのスマートアカウントで無効化されています。 |
アプリケーション |
最も幅広く利用されているのが、このタイプによる導入です。シスコのデバイスと Cisco.com とをインターネット経由で接続する必要があります。ダイレクト接続方式は大半の組織にとって最適な方式です。 |
この方式は、自動化されたクラウドベースの導入によるシンプルさと、セキュリティで守られたローカルネットワークというバランスの良さを兼ね備えています。仲介型の導入は、金融機関やサービスプロバイダー、電力事業、政府機関に理想的な方式です。 |
この導入方法は高度なセキュリティが求められる環境に適しています。ノードロックに相当しますが、スマートライセンスの追跡機能も備えています。 |
メリット |
最もシンプルな導入モデルで、シスコのインフラストラクチャ コンポーネントを一切セットアップする必要がない方式です。 |
仲介型の導入はどの製品でも機能し、クラウドへの直接アクセスの場合と変わらないエクスペリエンスを提供します。しかもセキュリティの水準は向上します。 |
最も安全な導入方法です。導入にあたってインフラストラクチャを増強する必要も、通信を維持する必要もありません。 |
デメリット |
デバイスは直接インターネットと接続するか、HTTPS プロキシサーバを介して接続します。この方式は規制の厳格な業界やデータセキュリティの要件が厳しい事業には適合しない場合があります。 |
ソフトウェア アプリケーション型仮想マシンのインストールと保守に関連するコストと、手動での同期を使用する場合のデータ交換のコストがかかります。 |
非接続型の導入を適用できるのは一部のシスコ製品に限定されます。RMA を含め、ライセンスの変更はすべて手作業で処理する必要があります。 |
評価モードとは
Cisco Smart Licensing 対応製品は、60 〜 90 日の組み込みの評価期間をサポートしています。スマートライセンスにダイレクト接続する前にこの期間にライセンスを試すことができ、製品を最初にインストールしてからライセンスが付与されるまでのつなぎにもなります。
評価モードでは、米国の輸出管理法の関係で輸出規制機能を使用することはできませんが、それを除けば評価期間中にほぼすべてのシスコ製品の全機能を使用できます。評価期間の終了時期など、各製品の動作については製品ドキュメントの概要をご覧ください。
評価ライセンスを使い始めるとシスコ製品上で確認ができます。未登録のデバイスについては software.cisco.com に接続されていないため、通知やアラームが Cisco Smart Software Manager(SSM)に表示されることはありませんが、シスコ製品のユーザインターフェイスに適切な情報が表示されるようになっています。
評価期間中の製品は、次の間隔で syslog(%SMART_LIC-4-EVAL_WILL_EXPIRE_WARNING)を送信します。
● 期限切れの 60 日前
● 期限切れの 30 日前
● 週に 1 回(最後の 30 日間)
● 日に 1 回(最後の 1 週間)
● 1 時間に 1 回(最終日)
評価期間が終わった製品からは、問題が解決されるまでの間、週ごとに syslog(%SMART_LIC-3-EVAL_EXPIRED_WARNING)が送信されます。
Smart Licensing Using Policy(SLP)とは
Smart Licensing Using Policy(SLP)はスマートライセンスの進化版です。Cisco IOS® XE 17.3.2 または 17.4.1 以降、これらのバージョンのオペレーティング システム ソフトウェアが動作しているすべてのシスコ製品では、Smart Licensing Using Policy(SLP)のみがサポートされます。PAK および特定のライセンス予約(SLR)キーは、アップグレードを通じて保持され、削除されない限りそのまま残ります。
Smart Licensing Using Policy によりお客様の Day 0 運用と普段のメンテナンスがシンプルになります。製品は評価モードでは起動せず、製品ごとのソフトウェア登録は不要です。また、クラウドでホストされている Cisco Smart Software Manager 上のスマートアカウントと、製品単位での通信を 30 日ごとに継続して行う必要もありません。製品をシスコに接続し直すことなく、次のようなレポートアクティビティを通じてソフトウェアライセンスの規則の遵守を達成できます。
● 新規購入時は必ずスマートアカウントとバーチャルアカウント(オプション)を指定すると、シスコが購入したソフトウェアを「使用中」としてお客様のスマートアカウントにレポート
● リリース 2.2.1(2021 年 2 月)以降、Cisco DNA Center の Smart Licensing Using Policy 対応オンプレミスコントローラを使用
● Smart Licensing Using Policy 対応の Smart Software Manager(SSM)オンプレミス <リリース番号を挿入> 以降をアップグレード(2021 年 3 月)
● Windows 10 Lite アプリケーションである、新しいレポートツール Cisco Smart Licensing Utility(SLU)を使用
● 製品に実装された REST API またはコマンドライン インターフェイス(CLI)を独自のツールまたはサードパーティシステムで使用
● Cisco Smart Software Manager でスマートアカウントにダイレクトにレポート
アクティブ化と設定が完了したシスコ製品はスマートアカウントにコールホーム通知を行い、さまざまな方法で使用状況を報告します。この通信によって必要なライセンスがわかります。また、従来のスマートライセンスでは現在の利用可能性に関する情報も返されます。従来のスマートライセンスの場合は、デバイスは次のいずれかの応答を受信します。
● 「承認済み」とは、ライセンスプールが、全デバイスの現在の使用状況に対して不足が無い状態であることを指します。
● 「違反」とは、ライセンスプールが、全デバイスの現在のライセンス使用状況に対してライセンスが不足する状態であることを指します。たいていの場合、製品はそのまま正常に機能しますが、該当の製品から通知が出始めます。通知から 90 日が経過すると、ライセンス不足の状態が解消されるまで製品の機能が制限される場合があります。
Smart Licensing Using Policy 機能には、以下が適用されます。
◦ 使用状況データは起動時にデバイスに保存され、すべての使用状況が体系的に更新されます。この使用状況データも同様にシスコに送信されます。
◦ データの送信後、報告が完了したことを示すステータスフィールドがデバイスに表示されます。接続されている場合はデバイスはレポート ACK メッセージの形式で自動的に確認応答を受信し、報告済みと表示されます。
◦ 報告されたデータがシスコ側で利用できる状態になると、同様にライセンスプールのデータが更新されます。
スマートライセンスは従来のノードロック技術のような厳格なシステムとは異なります。その分柔軟性に優れ、ライセンスは個々のデバイスに固定されません。スマートライセンスはソフトウェアの使用をリアルタイムで監視、アカウンティングすることができ、ライセンスやサブスクリプションの使用上限の超過や期限切れに対して弱い機能制限を適用します。
● ライセンスプールは、その時点で利用可能なライセンスの個数を反映します。たとえば、5 つの新規ライセンスのサブスクリプションが開始されると、プールに新たなライセンスが 5 つ追加されます。5 つのライセンスのサブスクリプションが期限切れになるか取り消されると、5 つのライセンスがプールから削除されます。スマートアカウントではお客様が保有するエンタイトルメントの数を、ほぼリアルタイムで把握できます。
● プール内に存在するエンタイトルメントの数がライセンスの使用数を上回っている限り、製品は「承認済み」の状態になります。Smart Licensing Using Policy 対応製品が示す状態は、デバイスがそれ自体の使用状況を報告済みか否かだけです。
● プール内のライセンス数がライセンス使用数よりも少ない(新規の機器導入によって追加でライセンスが使用された、またはサブスクリプションか契約期間の期限切れによりライセンス数が減少した)場合、従来のスマートライセンスであれば、プールは「違反」の状態に遷移します。Smart Licensing Using Policy の場合は、スマートアカウントの Cisco Smart Software Manager(SSM)クラウドのレベルか、または SSM オンプレミスのローカルのライセンスサーバでのみ状態が追跡されます。
● 違反デバイスや未報告のデバイスは syslog メッセージを受信することがありますが、その頻度はさまざまです。詳しくは製品マニュアルをご確認ください。
● 従来のスマートライセンスの場合は、違反ライセンスを使用しているプール内のすべてのデバイスが通知を受け取ります。デバイスに固有の措置が適用されますが、弱い措置が取られる傾向にあります。具体的にはナグウェアによって頻繁にメッセージが表示されたり、製品アップデートが限定されたりすることなどが挙げられます。
● スマートアカウントのユーザと管理者は、購入数よりも多くのライセンスが使用された場合にも通知を受け取ります。Cisco SSM は、主要なアラームインターフェイス上と、対象のバーチャルアカウント自体の中に「メジャー」アラームを表示します。アラームには必要なライセンスと、ライセンス不足の解消に必要な数に関する情報が含まれています。この情報は、Cisco Smart Software Manager(SSM)内のレポートタブから、オフラインのライセンスレポートで入手することもできます。ユーザと管理者は任意で日次のステータスメールを受け取ることもできます。
My Cisco Entitlements は、お使いのスマートアカウントにサービス、サブスクリプション、ライセンス、デバイスなど、すべての資産とエンタイトルメントに関する統合ビューを提供します。
My Cisco Entitlements がソフトウェア管理者に支持される理由
● リアルタイムの分析情報:アクティベーションや使用状況に関するデータなど、製品とサービスをシンプルなビュー 1 つで参照できる。
● コストの最適化:製品やサービスの使用方法に関する計画と管理を適正化。
● 事業継続性の強化:リスクを抱える製品やサービスをプロアクティブに特定し、規則の遵守を支援。
● 安全かつ統合されたユーザアクセス:シスコライセンスの管理を合理化し強化。
My Cisco Entitlements によるきめ細かなライセンス管理
● 検索:グローバル検索やサービス、サブスクリプション、ライセンス、デバイス別の検索方法で資産やエンタイトルメントを探し出します。
● フィルタ処理:利用可能なフィールドに応じて資産とエンタイトルメントを絞り込んで表示します。
● 並び替え:データを昇順か降順で並び替えます。
● 整理:バーチャルアカウントを作成することで資産やエンタイトルメントをより細かく整理します。
● エクスポート:資産とエンタイトルメントに関するレポートを複数の形式から選んでエクスポートできます。エクスポートできるデータは最大 100,000 行ですが、今後のリリースでこの数を増やす予定です。
● 管理:列を管理して資産とエンタイトルメントの表示をカスタマイズします。
● 開始:Support Case Manager を直接起動し、テクニカルサポートケースを開きます。
● アップグレード:ソフトウェアバージョンのアップグレードリクエストで簡単に資産とエンタイトルメントをアップグレードします。
スマートライセンスを使用すればシスコのライセンス管理が簡単になり、支出を適正化できます。
シスコパートナーが取得できるパートナー ホールディング アカウントは、シスコのライセンスをお客様に展開する前に計画を立て、管理を行うのに便利な独特のスマートアカウントの一種です。
パートナー ホールディング アカウントとは
パートナー ホールディング アカウントは、お客様のスマートアカウントに注文を追加する前に一時的に注文を保存しておけるパートナー用のアカウントです。注文の際に、エンドカスタマーやそのスマートアカウントをパートナーが把握しているとは限りません。そうした場合に、注文を一時的にパートナー ホールディング アカウントに割り当てることができます。こうしておけば、お客様が特定されたところで注文を該当のスマートアカウントに転送できます。
スマートアカウントとパートナー ホールディング アカウントの主な違いは、スマートアカウントでしかライセンスを使用できないという点です。パートナー ホールディング アカウントではライセンスは使用できません。注文にパートナー ホールディング アカウントを割り当てることで、会社全体がその注文にアクセスできるようになります。
パートナー ホールディング アカウントの詳細については、以下をご覧ください。
シスコライセンスの学習の終わりに
他にも疑問点をお持ちの場合は、シスコのパートナー企業かアカウントマネージャまでお問い合わせください。そのほか以下のリソースもご覧ください。
● 注文可能なスマートライセンス PID に関するコミュニティのページ
● スマートライセンス製品のロードマップに関するコミュニティのページ
● Smart Software Manager オンプレミスの概要
● Smart Software Manager オンプレミスのデータシート
● スマートライセンスおよびスマートアカウントに関する FAQ(パートナー、ディストリビュータ、お客様向け)
● スマートライセンスとスマートアカウントのトレーニングモジュール
◦ お客様向け:スマート ライセンス トレーニング モジュール
◦ パートナーおよびディストリビュータ向け:スマート ライセンス パートナー トレーニング モジュール
◦ 追加トレーニング:ソフトウェア エクスペリエンスに関するコミュニティページ
● スマートライセンスとスマートアカウントのライブトレーニング
● Support Case Manager(SCM)を使用したケースのオープン
◦ 詳細