Cisco Intersight™ プラットフォームは、Cisco Unified Computing System™(CiscoUCS®)および CiscoHyperFlex™ プラットフォーム向けに、組み込みの分析機能を備えた、インテリジェントなクラウドベースのインフラストラクチャ管理を提供します。
製品概要
Cisco Intersight は、クラウド ベースで、知識情報の活用・分析機能と直感的な操作性を提供する、シスコのシステム管理プラットフォームです。このプラットフォームは、それまでのツールでは不可能だった方法で、IT組織に対して環境分析、合理化、自動化するためのより優れたレベルの管理を提供します。この機能により、総所有コスト(TCO)を大幅に削減でき、アプリケーションをより迅速に提供できるため、IT組織は率先して新しいビジネスを推進できます。Cisco UCS 基盤と Cisco Intersight のモデルベースの管理による利点は、Cisco UCS サーバ、 Cisco HyperFlex および Cisco HyperFlex Edge システムにまで及びます。Cisco HyperFlex Edge とは、遠隔、地本拠点、およびエッジ・末端環境に展開できる最適なシステム構成です。
Cisco UCS と Cisco HyperFlex プラットフォームは、システム利用構成に関係なく、自動的にサーバと関連付けられているストレージとファブリックを提供するためのモデル ベースの管理方法を提供します。Cisco Intersight は、Cisco UCS Manager および Cisco® Integrated Management Controller(IMC)と連携して作動します。IT 管理者は、モデル ベースの構成をサーバ プロファイルを利用して、システムリソースに関連付けるだけで、ポリシー、サーバの特性、およびワークロードの整合性を維持できます。ポリシーを一度作成すれば、後は最低限の工数でそれらを再利用や変更利用することでサーバを展開できます。その結果、生産性とコンプライアンスが向上し、整合性に欠けた設定に起因するエラーのリスクを低減します。
Cisco Intersight は、データセンターおよびハイブリッド クラウドのプラットフォームおよびサービスと統合されるため、データセンターおよびエッジ環境全体にインフラストラクチャ リソースを安全に配置、管理できます。さらに、既存のソリューションも効果的に使用できるよう、サードパーティ製ツールとの将来的な統合もシスコがリードします。
Cisco Intersight の機能と利点
表 1 に、Cisco Intersight の主な機能と利点を示します。
表 1. 機能と利点
機能 | 利点 |
ユニファイド | ● クラウドベースの単一の管理プラットフォームにより、Cisco UCSと Cisco HyperFlexの管理を簡素化します。 ● データ センターおよびリモート、遠隔地域全体にわたって、複雑化を抑えたスケーラビリティを提供します。 ● 単一のダッシュ ボードを使用して、Cisco UCSと Cisco HyperFlexシステムを監視します。 ● Cisco UCS Manager、Cisco IMCソフトウェア、および Cisco HyperFlex Connectトンネリング(各管理ツール連携)を使用すると、個別のローカル ネットワークにアクセスすることなく、管理ツールを起動・操作できます。 |
構成、プロビジョニング、およびサーバ | ● Cisco UCSサーバおよび内蔵ストレージは、アプリケーション要件に合わせて割り当て/再割り当てできる基盤リソースとして扱えるため、サーバリソースをよりダイナミックかつ効率的に使用できます。 ● ほんの数回のクリックで複数のサーバ プロファイルを作成や、汎用設定ツールと連携可能なAPIを利用することで、プロビジョニング プロセスを自動化できます。 ● プロファイルを複製して、Cisco UCS Cシリーズ 単独ラックサーバも迅速にプロビジョニングできます。 ● Cisco HyperFlex構成を作成、展開、および管理できます。 ● 一貫性の確保することで、構成のばらつきをなくし、多くのシステム間での標準化を維持できます。 |
インベントリ情報とステータス | ● Cisco UCSと Cisco HyperFlexシステムのインベントリ情報を表示、レポートデータを作成できます。 ● 汎用(グローバル)検索を使用して、名前、識別子、およびその他の情報に基づき、システムを迅速に特定します。 ● ユーザ定義可能なタグを利用して、ユーザ定義属性をシステムに関連付けできます。 ● データ センターとリモート地域全体にわたって、Cisco UCSと Cisco HyperFlexサーバのアラートや健全性ステータスを監視します。 ● Cisco UCSとHyperFlexそれぞれのシステム利用構成に合わせて表示できます。 ● 接続されたすべての Cisco UCSと Cisco HyperFlexシステム全体にわたってファームウェアのバージョンを追跡し、管理できます。 |
サポート エクスペリエンスの向上 | ● システムエラーを自動的にアラートとして、シスコのサポートセンター(Cisco Technical Assistance Center)に通知できます。 ● 自動的にテクニカル サポート ファイルを作成し Cisco Technical Assistance Center(TAC)に転送することで、障害解析のプロセスを迅速化します。 |
オープン API | ● 完全なプログラマビリティと緊密な統合を提供する、OpenAPI 標準のRESTful API をサポートします。 ● Python や PowerShell Sdk により、Ansible、Chef、Puppet、およびその他の DevOps および IT 運用管理(ITOM)ツールとの統合が可能になります。 |
シームレスな統合と | ● サポート対象のファームウェアとソフトウェアがインストールされたCisco UCSと Cisco HyperFlex環境は、Intersightを通じてアップグレードが可能です。 ● Cisco Intersight自身のアップグレードは、従来の管理ツールのアップグレードや運用の中断のようなことがなく、自動的に提供されます。 |
サービスとしての管理
Cisco Intersight は、クラウド ベースの知識情報の活用・分析機能と直感的な操作性をCisco UCS と Cisco HyperFlex プラットフォームに提供します。お客様側に設置するシステム管理サーバやコンソールを使用するのではなく、シスコのクラウドベースの管理プラットフォームを使用して管理できます。これは、管理のための管理ような必要はなく、システムの管理に集中することができます。また、シスコによって利用可能になった新しい機能を、随時活用することができます。さらに、Cisco Intersight は、データ センターや遠隔地のシステムをまとめて管理できます。
モデルベースの導入
Cisco Intersight は、UCS Manager と連携・立脚した手法で、Cisco UCS プラットフォームおよび HyperFlex プラットフォーム向けにモデルベースの導入を提供します。HyperFlex プラットフォームに対しては、Intersightから意図したインストール、設定展開ができます。基本的なインターネット接続をローカルに確立すれば、クラウドベースの HyperFlex インストーラを使用してリモートでセットアップを完了できます。Cisco UCS C シリーズ サーバは、既存のサーバ プロファイルを複製することにより、迅速かつ簡単に設定できます。モデルベースの導入は、遠隔地域の単一システムでもデータセンターにある数百のシステムでも機能し、迅速かつ標準化された構成と導入を可能にします。
テレメトリ データ収集
近年、アプリケーションに対して作成された複雑な環境とエンドポイント数の劇的な増加のため、企業は運用管理ツールと緊密に統合された分析力を必要としています。これらの分析機能を有効にするため、すべての Cisco UCS サーバまたは Cisco HyperFlex システムは、特定のテレメトリ情報(サーバのシリアル番号と IP アドレス、エンドポイントにインストールされたソフトウェアのタイプ、および機能使用データを含む)を Cisco Intersight に自動的に接続して送信するように設定されています。 このテレメトリ情報は、Cisco Intersight 推奨(レコメンデーション)エンジンで活用されます。Cisco Intersight レコメンデーション エンジンはテレメトリ情報を使用してお客様のメタデータを事前に確認し、お客様の環境に潜む可能性のある問題を特定と将来の問題発生を防止し、システムの稼働時間を向上させます。
オープンなAPI
Cisco Intersight には、RESTful Api を記述するための強力な定義形式である OpenAPI 仕様(旧称 Swagger 仕様)に対応しています。OpenAPI 仕様のサポートにより、ユーザは Intertersight API ドキュメント(intersight.com/apidocs)、API スキーマ、および SDK の生成を自動化するツールを使用して、相互運用可能な REST API にアクセスできます。Intersight API には、機能連携可能な Python や PowerShell Sdk が含まれています。
この API は、Intertersight エコシステムを進化させるためにシスコが確立した、より広範なオープン コネクタ フレームワークの不可欠な一部分です。エコシステムは、シスコおよびサードパーティの DevOps および ITOM ソフトウェアの幅広い製品を最終的にサポートします。また、サードパーティのハードウェア サポートのための既存の UCS Director エコシステムの一部であるコネクタも含まれます。
カスタマイズ可能なダッシュボード
Intersight Cisco は、Cisco UCS と Cisco HyperFlex システムにまたがるダッシュボード(図 1)を提供します。ダッシュボードは、ユーザによりカスタマイズが可能で、ユーザは関連のある情報とタスクに焦点を当てることができます。このグローバル ダッシュ ボードには、次の機能が含まれています。
● グローバル インベントリ:サポートされているシステム全体のインベントリ情報を、データ センターにあるかリモート ロケーションにあるかに関わらず取得します。
● 障害監視:すべての管理システムにおける障害を管理し、警告を設定します。
● ファームウェアのステータス:ファームウェアのバージョンを監視および管理します。
ユーザ インターフェイスの起動
Cisco Intersight では、単一の管理ツールから Cisco UCS と Cisco HyperFlex システムを監視することができます。また、特定のプラットフォームをより深く操作、管理を希望するお客様には、Cisco Intersight が以下を提供できます。
● 仮想 KVM(キーボード ビデオ マウス)セッションの相互起動機能。
● 各管理ソフト(Cisco UCS Manager、Cisco UCS Manager、Cisco HyperFlex Connect )とのトンネリング(管理ツール呼び出し・連携)機能は、企業のネットワークの内外を問わず、セキュリティで保護されたアクセスをマネージャに許可します。
簡素化されたサポート
Cisco Intersight により収集されるテレメトリ データやインストールベースからのインシデントは、セキュリティで保護された通信メカニズムを使用して送信され、その情報は洞察力とより積極的なサポートを提供するために Cisco TAC で利用されます。Smart Call Home と組み合わせると、特定の障害に対して障害ケースが自動的に開かれ、TAC 技術者がログ情報確認し、最小限の時間で関連ステップに進めることができます。Smart Call Home を使用しない場合でも、ケースの解決が迅速化し、IT 担当者への影響が限定的になり、最終的にシステムの障害対応時間を短縮するというメリットがあります。
また、Cisco Intersight により、シスコの製品に対してさらにダイレクトなフィードバックを提供することも可能になります。さらに、TAC との緊密な統合は、さらなる迅速な修正と改善の継続的な配信を強化することによりソリューションの範囲を拡張します。
プラットフォーム コンプライアンス
Cisco Intersight は、お客様のシステムが Cisco Hardware Compatibility List(HCL;ハードウエア互換性リスト)に確実に準拠するよう、ハードウェアとファームウェアの互換性を評価します。このプロセスは、サポートされていない構成を識別し、知らないうちにこの状態で利用していることから生じる可能性のある問題を警告します。
サポートされるソフトウェア
Cisco Intersight は、表 2 に記載されているバージョンの Cisco UCS と Cisco HyperFlex プラットフォームをサポートします。
表 2. サポートされるソフトウェア
プラットフォーム | サポートされているバージョン |
Cisco UCS Manager | リリース 3.2(1) 以降 |
Cisco IMC ソフトウェア | リリース 3.0(4) 以降 |
Cisco HyperFlex | 2.5.1 以降 |
Cisco UCS Director | リリース 6.6 以降 |
Cisco Intersight を Cisco UCS Director 6.6 以降と組み合わせて使用すると、サウスバウンド コネクタの更新がリリース時に可能になります。このため、次の UCS Director のリリースを待つ必要がありません。つまり、UCS Director のアップグレードを行うことなく、新しいハードウェアを迅速にサポートできます。
ライセンス
Cisco Intersight は、機能に応じた複数のエディション体系となっており、エディションによってはサブスクリプション ベースのライセンスを使用します。お客様は、1 年間、3 年間、または 5 年間のサブスクリプションと、選択した期間のサブスクリプションに合わせてCisco UCS サーバ(管理対象数)を選択できます。
各 Cisco UCS サーバまたは Cisco HyperFlex システムでは、お客様が Cisco Intersight ポータルにアクセスしてデバイス登録は、無償で Cisco Intersight Base (ベース)エディションが自動的に組み込まれます。さらに、Cisco Ordering Tool(表 3)を利用して Cisco Intersight Essentials (エッセンシャル)エディションを購入することもできます。
表 3. Cisco Intersight エディション
エディション | 説明文 |
Base | Cisco Intersight Base は、Cisco Intersight をサポートするプラットフォームをお持ちのお客様に無償でご利用いただけます。対応プラットフォームとなるのは、適格な Cisco UCS Manager、Cisco IMC、UCS Director、および Cisco HyperFlex ソフトウェアを含む、Cisco Intersight デバイス コネクタを備えた Cisco UCS および Cisco HyperFlex システムです。 Cisco Intersight Base は集中型の監視や基本的な管理システムのインベントリ、タグ付けと検索を含む組織の機能、およびCisco UCS Manager を含むネイティブのエンドポイント管理インターフェイスを起動する機能を実現するポータルへのアクセスを提供します。 |
Essentials | Cisco Intersight Essentials は、Base エディションで提供される機能が拡張されています。ポリシー エンジン、ファームウェアの管理、コンプライアンス ツールの統合、およびその他の機能を通じた集中セットアップおよび構成機能が含まれます。 Cisco Intersight Essentials により、統一されたポリシー エンジンを介して構成管理を一元化でき、Cisco UCS ハードウェア互換性リスト(HCL)への準拠を判断でき、またファームウェアのアップデートを開始できます。Essentials エディションは、仮想キーボード ビデオ マウス(vKVM)コンソールを Cisco Intersight から直接起動する機能を備えた、監視、管理、および操作のための単一のインターフェイスを提供します。 |
ライセンス構成情報
Cisco Intersight Base エディションは、 Cisco UCS サーバを購入すると自動的に付属しています(過去の購入分も含む)。Base エディションには、発注としての製品番号はありません。Cisco UCS および Cisco HyperFlex のお客様は、そのままhttps://www.intersight.com にアクセスできます。Cisco Connection Online(CCO)ユーザ ID を使用してログインし、Cisco UCS サーバおよび Cisco HyperFlex デバイスを要求して、Cisco Intersight Base エディションの使用を開始します。(CCO ユーザIDは別途取得(無償)が必要です)
Cisco Intersight Essentials エディションは、1 年間、3 年間、および 5 年間のサブスクリプション期間を選択できます。さらに、管理対象数1000 以上のサーバ サブスクリプションの場合にボリューム割引が提供しています。
Cisco Intersightは、Cisco スマート アカウントとスマート ライセンスが必須です。さらに、Cisco Intersight ユーザ インターフェイスを使用するには、Cisco Connection Online(CCO)ユーザ アカウントが必要です。
表 4. 型番情報
製品番号 | 説明 |
DC-MGT-SAAS | 製品ファミリ - Cisco Intersight |
DC-MGT-SAAS-EST-C | DC Management SaaS - Essentials |
DC-MGT-SAAS-EST-O | DC Management SaaS - Essentials (毎月の請求超過だけで使用、注文不可) |
詳細情報
詳細については、cisco.com/go/intersight (日本語)を参照ください。
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