Cisco® IoT Field Network Director は、Internet of Things(IoT)アプリケーション用セキュリティ インフラストラクチャを使用して、産業向け Cisco Connected Grid ルータ シリーズのマルチサービス ネットワークを管理するソフトウェア プラットフォームです。これには、高度メーター インフラストラクチャ(AMI)、輸送、フリート管理、アセット トラッキング、配電自動化、分散型インテリジェンス、変電所自動化などのインフラストラクチャが含まれます。IoT Field Network Director は、拡張可能なアーキテクチャを備えた、スケーラブルで非常にセキュアなモジュラ型オープン プラットフォームです。マルチベンダー、かつマルチサービスな通信ネットワーク管理プラットフォームとして機能し、オープン エコシステムの IoT ルータやデバイスとのネットワーク接続を実現します。
Cisco IoT Field Network Director は階層型システム アーキテクチャ上に構築されるため、ネットワーク管理機能と、フリート管理およびアセット トラッキングとユーティリティ(配電管理システム(DMS)、停電管理システム(OMS)、メーター データ管理(MDM)など)のアプリケーションとを明確に区別できます。ネットワーク管理とアプリケーションとがこのように明確に区別されるため、Internet of Things プロジェクトを段階的に導入できます。たとえば、AMI を使用してユーティリティに導入し、共有型マルチサービス ネットワーク インフラストラクチャを使用した配電自動化、そして、さまざまなユーティリティ オペレーション全体のネットワーク管理システムへと拡張することが可能です。さらに、IoT Field Network Director のノースバウンド API により、さまざまなアプリケーションを使用して、共有マルチサーバ通信ネットワーク インフラストラクチャからサービス固有の適切なネットワーク通信データを引き出すことができます。図 1 に、IoT Field Network Director の操作画面を示します。
表 1 に、IoT Field Network Director でのマルチサービス通信ネットワーク管理に関係する中核的機能を示します。
表 1. Cisco IoT Field Network Director の機能
障害管理 |
● 通信ネットワーク監視のための障害イベントの収集、フィルタリング、関連付け
● しきい値ベースのルール処理、カスタム アラーム生成、アラーム イベント処理に必要な、さまざまな障害イベント メカニズムのサポート
● 各種ルータとエンドポイントについて、色分けされた GIS マップ ビュー上に障害を可視化
● 障害イベントの生成や処理、さまざまなアプリケーション(停電管理システムなどの)への転送について、オペレータ レベルでカスタム設定が可能
● 収集したイベントに基づく、問題の自動追跡
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設定管理 |
● フィールドとエンドポイントに対し、ソフトウェアとファームウェアの Over-the-Air アップグレードを実行
● オペレータのロール ベース アクセス コントロールにより適用される変更制御など、構成の集中管理が可能
● ポリシー ベースの管理や、設定変更の展開方法など、デバイスの柔軟なグループ化オプションを用意
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アカウンティング管理 |
● ユーザ アクティビティの監査、法規制の遵守、SEIM(セキュリティ イベントおよびインシデント管理)の統合のためにアクセス情報をログに記録
● 統合型の監視機能、レポート機能、トラブルシューティング機能で管理を簡易化し、コンプライアンスを強化
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パフォーマンス管理 |
● GIS ベースのマップ上に、リアルタイムのパフォーマンス情報を色分けして表示
● オペレーション ネットワークに関するメトリック パラメータ コレクションの標準セットを提供
● 例外をレポートし GIS マップ上にリアルタイムで可視化するための、しきい値ベースの強力なルール処理エンジンを提供
● メトリック収集頻度のカスタマイズ機能と、運用上のニーズに応える履歴トレンド レポート機能
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エンドツーエンドのセキュリティ管理 |
● 完全自動化された、ルータとエンドポイントの非常にセキュアなゼロタッチ導入
● フィールド技術者が承認済みのメンテナンスをモバイルで行う祭に必要な、期限付きセキュリティ クレデンシャルの提供
● エンタープライズ セキュリティ ポリシーとネットワーク デバイスのロールベース アクセス コントロールの統合
● AAA および RADIUS 統合によるデバイスレベルの認証機能と、通信ネットワークに不正なデバイス アクセスが試行された際のオペレータへ通知機能
● セキュリティとレポートに関係するニーズ(NERC-CIP コンプライアンス)を満たす標準 SEIM との統合
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GIS マップによる可視化、診断、トラブルシューティング ツール |
● GIS マップ上にネットワークとセキュリティ管理機能の全容が可視化されることで、操作性が向上
● 状態が色分けされて表示されるため、トラブルシューティングが必要なネットワーク リージョンとデバイスをネットワーク オペレータが簡単に特定可能
● GIS マップ上に各リンク、ノード、エンドポイントの主要メトリックの表示を見ながら、ping と traceroute を使用してリアルタイムのトラブルシューティングが可能
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ノースバウンド API |
● 停電管理システム(OMS)、メーター データ管理(MDM)、トラブルチケット システム、マネージャーオブマネージャーズなどの既存のアプリケーションとの統合が容易に実現可能
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サポートされるデバイス
表 2. IoT Field Network Director のサポート デバイス
シリーズ |
製品 |
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Cisco 800 シリーズ産業向けサービス統合型ルータ |
● IR809G-LTE-GA-K9
● IR809G-LTE-NA-K9
● IR809G-LTE-VZ-K9 IR809G-LTE-LA-K9 |
● IR829GW-LTE-NA-AK9
● IR829GW-LTE-GA-EK9
● IR829GW-LTE-GA-ZK9
● IR829GW-LTE-VZ-AK9 IR829GW-LTE-LA-QK9 |
Cisco 800 シリーズ サービス統合型ルータ |
強化
● C819HG-U-K9
● C819HG-S-K9
● C819HG-V-K9
● C819HG-B-K9
● C819HG+7-K9
● C819HGW+7-E-K9
● C819HGW+7-N-K9
● C819HGW+7-A-A-K9
● C819HGW-V-A-K9
● C819HGW-S-A-K9
● C819HWD-E-K9
● C819HWD-A-K9
● C819H-K9
● C819HG-4G-V-K9
● C819HG-4G-A-K9
● C819HG-4G-G-K9
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非強化 ● C819G-U-K9
● C819G-S-K9
● C819G-V-K9
● C819G-B-K9
● C819G+7-K9
● C819G-4G-V-K9
● C819G-4G-A-K9
● C819G-4G-G-K9
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Cisco 1000 シリーズ Connected Grid ルータ |
● CGR1120/K9
● CGR1240/K9
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Cisco 500 シリーズ ワイヤレス パーソナル エリア産業用ルータ |
● IR509UWP-915/K9
● IR529WP-915S/K9
● IR529UWP-915D/K9
● IR529UBWP-915S/K9
● IR529UBWP-915D/K9
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Cisco IPv6 RF(無線周波数)、PLC(電力線通信)、および Dual PHY(RF および PLC)メッシュ エンドポイント |
推奨ハードウェア構成
以下の表に、Cisco IoT Field Network Director ソフトウェアを実行して、AMI の使用例で最大 100 万エンドポイントを管理する際の一般的なハードウェア構成(表 3)と、フリート管理やアセット トラッキングの使用例で最大 1 万ルータを管理する際の一般的なハードウェア構成(表 4)を示します。最大 500 万エンドポイントまでの大規模な導入の場合は、同じプロファイルのサーバを追加することをお勧めします。
さらに、Cisco IoT Field Network Director ソフトウェアは、エンタープライズ データベース サーバを使用し、構成と状態に関する情報を、ソフトウェア プラットフォームに組み込むかスタンドアロンの Oracle データベースとして保存します。
表 3. 100 万台の AMI エンドポイント用の推奨ハードウェア構成
ハードウェア サーバ |
オペレーティング システム |
ハードウェア プロファイル、ソフトウェア、およびネットワークの接続性の要件 |
IoT Field Network Director アプリケーション サーバ ソフトウェア |
Red Hat Enterprise Linux 6.4 以降 |
2 CPU:Intel デュアルコア Xeon x5000 シリーズ(2.6 GHz)、32 GB RAM、 |
IoT Field Network Director データベース サーバ(Oracle) |
Red Hat Enterprise Linux 6.4 以降 |
Oracle® 11g Enterprise Edition 11.2.0.3(レプリケーション付) 2 CPU:Intel マルチコア Xeon x5000 シリーズ(2.6 GHz)、192 GB RAM、ストレージ 2.5 TB 以上。8 ディスク以上(各 15 k + RPM、RAID 10 構成 X 16) |
表 4. 1 万台のモバイル ルータ用の推奨ハードウェア構成
ハードウェア サーバ |
オペレーティング システム |
ハードウェア プロファイル、ソフトウェア、およびネットワークの接続性の要件 |
IoT Field Network Director アプリケーション サーバ ソフトウェア(データベース組み込み) |
Red Hat Enterprise Linux 6.4 以降 |
2 CPU:Intel デュアルコア Xeon x5000 シリーズ、32 GB RAM、500 GB 以上のストレージ(15 k + RPM) |
高可用性
高いシステム スループット、高可用性、サーバ ロード バランシングと冗長性を実現するため、2 台以上のサーバで Cisco IoT Field Network Director ソフトウェア アプリケーションを実行し、2 台のサーバをレプリケーション モードのプライマリ データベースとセカンダリ データベースとして運用することを推奨します。
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関連情報
Cisco IoT Field Network Director の詳細については、http://www.cisco.com/go/fnd にアクセスしてください。