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Cisco Unified Computing Systemの概要
Cisco Unified Computing System™(Cisco UCS®)は、コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ アクセス、および仮想化のリソースを 1 つのシステムに統合する次世代のデータセンター プラットフォームであり、総所有コスト(TCO)を削減し、ビジネスの俊敏性を高めることを目的として設計されています。このシステムは、低遅延のロスレス 10 ギガビット イーサネット ユニファイド ネットワーク ファブリックと、エンタープライズクラスの x86 アーキテクチャのブレードおよびラック サーバを統合します。このシステムは、統合されたスケーラブルなマルチシャーシ プラットフォームであり、このプラットフォームのすべてのリソースは統合管理ドメインに参加します。
製品概要
Cisco® の革新技術であるCisco UCS 仮想インターフェイス カード(VIC)1225 は、デュアルポート拡張 Small Form-Factor Pluggable(SFP+)10 ギガビット イーサネットおよび Fibre Channel over Ethernet(FCoE)に対応する Cisco UCS C シリーズ ラック サーバー向けに排他的に設計された PCI Express(PCIe)カードです。このカード サイズはハーフハイトの設計になっており、サーバのフルハイト スロットはシスコ認定のサードパーティ製アダプタ用に予約されています。シスコの次世代統合型ネットワーク アダプタ(CNA)テクノロジーを取り入れることで、将来の機能リリースにおける投資を保護します。このカードにより、ポリシーベースでステートレス、かつ俊敏性に優れたサーバ インフラストラクチャが実現します。PCIe 標準準拠のインターフェイスを最大 256 個までホストに提供可能で、ネットワーク インターフェイス カード(NIC)またはホスト バス アダプタ(HBA)として動的に構成することができます。さらに、Cisco UCS ファブリック インターコネクトのポートを仮想マシンまで拡張する Cisco Data Center Virtual Machine ファブリック エクステンダ(VM-FEX)テクノロジーをサポートしているため、サーバ仮想化の導入が容易になります。
機能と利点
ステートレスと俊敏性:カードの特性は、サーバ ブート時にサーバに関連付けられたサービス プロファイルを使用して動的に設定されます。サービス プロファイルでは、PCIe インターフェイスの番号、タイプ(NIC または HBA)、ID(MAC アドレスおよび World Wide Name(WWN))、フェールオーバー ポリシー、帯域幅、Quality of Service(QoS)ポリシーを定義できます。管理インターフェイスを通して、動的に定義、作成し、すぐにシステム環境として利用できるため、ステートレスで俊敏性の高いサーバ インフラストラクチャが実現します(図 2)。
ネットワーク インターフェイスの仮想化:VIC 上に作成された各 PCIe インターフェイスは、それぞれ Cisco UCS ファブリック インターコネクト上のインターフェイスに関連付けられ、VIC 上の PCIe デバイスとファブリック インターコネクト上のインターフェイスを結ぶ各仮想ケーブルは、それぞれ完全に分離して認識されます(図 3)。
Cisco SingleConnect テクノロジー
Cisco SingleConnect® テクノロジーは、データセンターのコンピューティングを接続、管理するためのきわめて簡単、効率的かつインテリジェントな方法を提供します。Cisco SingleConnect テクノロジーは、以下に対するデータセンターの接続を飛躍的にシンプル化するシスコ独自のイノベーションです。
● ラックおよびブレード サーバ
● 物理サーバおよび仮想マシン
● LAN、SAN、および管理ネットワーク
このソリューションは、今日のデータセンターの課題に対処し、簡単、インテリジェント、かつ効率的なファブリックを実現します。
● 簡単:Cisco SingleConnect テクノロジーは、「一度つなげばあとはそのまま(wire once and walk away)」のソリューションを提供しています。従来のエラーの発生しやすい手作業による長時間プロセスを排除するとともに、簡単かつ短時間で Cisco Unified Computing System™ (Cisco UCS®)にサーバを接続できるようにします。
● インテリジェント:Cisco SingleConnect テクノロジーはゼロタッチ モデルで、あらゆるタイプのサーバ(物理ラック サーバ、物理ブレード サーバ、および仮想マシン)に I/O 接続(LAN、SAN、および管理)を割り当てます。Cisco UCS は、このインテリジェントなネットワークを通じてアプリケーションのニーズに柔軟に対応します。アプリケーションを特定のサーバに限定せず、あらゆるワークロードをあらゆるサーバ上で簡単に実行できるようにします。
● 効率的:LAN、SAN、および管理それぞれの接続が単一のネットワーク上で共有されるため、複数のネットワークを利用する従来のアプローチと比較して稼働率が向上し、可動部品を削減できます。
Cisco SingleConnect テクノロジーは、シスコ ユニファイド ファブリックおよびシスコ ファブリック エクステンダ テクノロジー(FEX テクノロジー)を採用したエンドツーエンド システムの I/O アーキテクチャにより実装され、単一のネットワークと単一のネットワーク層を通じて Cisco UCS のすべてのコンポーネントを接続します。お客様の期待に応える Cisco UCS I/O アーキテクチャはオープン スタンダードを基盤とし、信頼性、可用性、安全性に優れています。
Cisco Data Center VM-FEX テクノロジー:Cisco Data Center VM-FEX テクノロジーにより、ファブリック インターコネクトのポートを仮想マシンから直接使用できるようになるため、ハイパーバイザによるソフトウェアベースのスイッチングが不要になります。Cisco Data Center VM-FEX テクノロジーは、仮想ネットワーキング インフラストラクチャと物理ネットワーキング インフラストラクチャを、仮想マシンの位置やネットワーキング ポリシーをすべて把握している単一の UCS インフラストラクチャ(UCS ファブリック インターコネクト)に集約します(図 4)。Cisco Data Center VM-FEX テクノロジーは、IEEE 802.1BR Port Extender の先行標準を搭載した Cisco VIC によって実装されます。
表 1 に、Cisco UCS VIC 1225 の主な機能と利点を示します。
表 1 機能と利点
機能 |
利点 |
x 16 PCIe Gen2 インターフェイス |
より高いスループットを提供 |
10 Gbps のユニファイド I/O X 2 |
●
1
台のラック サーバあたり
20 Gbps
の接続を提供
●
この
1
つのアダプタ カードとファブリック上で
LAN
および
SAN
トラフィックの通信が行われるため、
NIC
、
HBA
、ケーブル、およびスイッチが統合され、全体の構成要素点数を削減。よって、設定・管理工数を含め、
TCO
の削減可能
|
最大 256 の動的仮想アダプタおよびインターフェイス |
●
OS
やハイパーバイザからのシングルルート
I/O
仮想化(
SR-IOV
)サポートを必要とせずに、すべての機能を備えた固有で独立した
PCIe
アダプタおよびインターフェイス(
NIC
または
HBA
)を作成
●
これらの仮想インターフェイスおよび仮想アダプタは、物理インターフェイスや物理アダプタと同じように、それぞれ個別に設定と運用が可能
●
すべての
I/O
構成に対して
1
枚のカードしか必要としない高度に柔軟性のある
I/O
環境を作成
注:Cisco UCS VIC 1225 ハードウェアは SR-IOV に対応しているため、主要なオペレーティング システムで幅広くサポートし、SR-IOV が幅広くサポートされた後にこの機能を利用することができます。特定の OS および環境における UCS Manager の構成の制約は構成ガイド を参照してください。 |
Cisco SingleConnect テクノロジー |
単一の統合ネットワーク: 同じネットワークが LAN、SAN、および管理接続性を各サーバに提供 |
Cisco Data Center VM-FEX テクノロジー |
●
仮想ネットワーキングと物理ネットワーキングを単一のインフラストラクチャに統合
●
物理ネットワークから仮想マシンの可視性、および物理サーバと仮想サーバに対して一貫したネットワーク運用モデルを提供
●
構成とポリシーが、仮想マシンの移行中に仮想マシンをフォロー
●
IEEE 802.1BR Port Extender
のプレ規格を実装
|
集中管理 |
Cisco UCS Manager と Cisco Intersight™ よるカードの一元管理および構成が可能 |
ネットワークアーキテクチャ |
ハードウェアベースのファブリック フェールオーバーによる、ファブリック インターコネクトへの冗長パスを提供 |
600,000 I/O 処理/秒(IOPS)を超える I/O 処理性能 |
負荷の高いアプリケーションにも対応する高い I/O 性能を提供 |
ロスレス イーサネットのサポート |
プライオリティ フロー制御(PFC)により、FCoE をシスコ ユニファイド ファブリックの一部として使用可能 |
幅広い OS とハイパーバイザをサポート |
顧客要求に対応する Microsoft Windows、Red Hat Enterprise Linux、CentOS および Ubuntu、SUSE Linux、VMware vSphere、および Citrix XenServer のサポート |
製品仕様
表 2 に Cisco UCS VIC 1225 の仕様を示します。
表 2 製品仕様
項目 |
仕様 |
標準 |
●
10
ギガビット イーサネット
●
IEEE 802.3ae
●
IEEE 802.3x
●
IEEE 802.1q VLAN
●
IEEE 802.1p
●
IEEE 802.1Qaz
●
IEEE 802.1Qbb
●
Pre-standard IEEE 802.1BR
●
最大
9 KB
のジャンボフレーム
●
Fibre Channel Protocol (FCP)
●
Small Computer System Interface
(
SCSI
)
- FCP
●
T11 FCoE
|
コンポーネント |
Cisco UCS カスタム ASIC(特定用途集積回路) |
ポート |
10 Gbps の FCoE SFP+ ポート x 2 |
接続性 |
PCIe 2.0 x16 のフォーム ファクタ |
パフォーマンス |
ポートあたり 10 Gbps のライン レート |
管理 |
Cisco UCS Manager リリース 2.0 (2) 以降 |
インターフェイスの数 |
256 仮想インターフェイス(約 8 個は内部使用に予約済みです。この数は OS やハイパーバイザなどのその他の要因によってさらに制限される場合があります) |
サポートされるメディア |
●
SFP-10G-USR
(ウルトラ ショートレンジ、
MMF
)
●
SFP-10G-SR
(ショートレンジ、
MMF
)
●
SFP-10G-LR
(ロングレンジ、
SMF
)
●
10GBASE-CU SFP+
ケーブル
1 m
●
10GBASE-CU SFP+
ケーブル
3 m
●
10GBASE-CU SFP+
ケーブル
5 m
●
10GBASE-CU SFP+
ケーブル
7 m
●
SFP-10GB-ACU
ケーブル
7 m
|
寸法 |
長さ:16.76 cm(6.6 インチ) 幅:6.35 cm(2.5 インチ) |
標準電力 |
12 W |
システム要件
Cisco UCS VIC 1225 は Cisco UCS C シリーズ ラック サーバ専用のカードです。Cisco UCS VIC 1255 が Cisco UCS C260 M2、C460 M2、C220 M3、C240 M3、C22 M3、C24 M3、C220 M4、C240 M4、および C460 M4 ラック サーバでサポートされます。スロットの構成に応じて、1 枚以上の Cisco UCS VIC 1225 カードをこれらのサーバでサポートできます。詳細については、サーバの構成に関するガイドを参照してください。
保証に関する情報
保証については、Cisco.com のHYPERLINK"https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/warranty-listing.html"のページを参照してください。
Cisco ユニファイド コンピューティング サービス
シスコは、業界をリードするパートナー企業とともに、データセンターのリソースを一元的に扱うことで、ユニファイド コンピューティング アーキテクチャへの移行を促進するサービスを提供します。シスコ パートナーの提供するサービスやユニファイド コンピューティング サービスは、データセンター リソースの迅速な展開、継続的な運用作業の簡素化、およびインフラストラクチャの最適化を実現し、ビジネス ニーズへのより適切な対応を可能にします。これらのサービスおよびその他のシスコ データセンター サービスの詳細については、http://www.cisco.com/c/ja_jp/products/servers-unified-computing/service-listing.html を参照してください。
シスコが選ばれる理由
Cisco UCS は、シスコがこれまで実現してきた技術革新の延長線上に生まれたシステムです。シスコは長年にわたり、業界標準の技術開発や、ネットワークをプラットフォームとして数々の新技術を投入することで、ビジネス成果に貢献してきました。最近の例としては、IP テレフォニー、LAN スイッチング、ユニファイド コミュニケーション、ユニファイド I/O などがあります。シスコは、Unified Data Center 戦略のユニファイド コンピューティング段階に数年前から取り組んでおり、シスコ自身の持つネットワーキングとストレージ アクセスの専門技術をさらに増強するために、コンピューティングおよび仮想化の分野で豊富な経験を持つ業界各社と提携しています。その結果、Cisco Nexus Cisco Nexus® ファミリをはじめ、ユニファイド ファブリックやサーバの仮想化の基盤となるテクノロジーが開発されました。Cisco UCS は、この段階の集大成であり、アーキテクチャ、テクノロジー、パートナーシップ、サービスの各分野に大きな進歩をもたらしています。最先端の ASIC、統合管理、標準ベースのコンピューティング コンポーネントにネットワークのインテリジェンスとスケーラビリティを統合するというシステム的なアプローチでコンピューティングに取り組んできたシスコだからこそ、この分野に画期的な技術革新をもたらすことができるのです。
Cisco Capital
お客様の目標達成を支援するファイナンス
Cisco Capital は、企業が目標を達成して競争力を維持するために、必要なテクノロジを獲得できるよう支援します。企業の資本支出(CapEx)を削減するのに役立ち、成長を加速させます。これにより投資額と投資収益率を最適化できます。Cisco Capital ファイナンス プログラムにより、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、および補完的なサードパーティ製機器を柔軟に購入することができます。支払いが統一されるため、予想外の支払いが発生することもありません。Cisco Capital は 100 ヵ国以上でご利用いただけます。詳細はこちらをご覧ください。
詳細情報
Cisco UCS の詳細については、https://www.cisco.com/en/US/products/ps10265/index.html を参照してください。