データ シート
Cisco Prime Provisioning
Cisco Prime™ Provisioning は、アクセスからコアに至るまでのネットワーク全体に、自動化されたリソース管理と迅速なプロファイルベースのプロビジョニングを提供することにより、一貫性と信頼性を備えたサービス導入を促進します。
製品概要
ネットワークとサービスの統合により、サービス プロバイダーおよび企業では重大な運用上の課題が発生しています。手作業の設定やプロビジョニング タスクが必要なまとまりのない管理ツールでは、ネットワーク全体で要件の異なる何十万ものサービス インスタンスをコスト効率の高い方法でサポートするための拡張ができません。さらに、インテリジェントな管理が欠如すると、サービスの導入が複雑になり、その速度が低下します。
Cisco Prime Provisioning は、ネットワーク サービスの設計、プロビジョニング、および診断を行う広範囲な自動化機能を活用することにより、こうした課題に対処し、サービス プロバイダーが、キャリア イーサネットおよびマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)ネットワークをサポートする信頼性の高いサービス導入を促進できるようにします。オペレータは、定義済みのポリシーを使用してコア プロセスを自動化することにより迅速にプロビジョニングできます(図 1 および 2 を参照)。
さらに、Cisco Prime Provisioning は、Cisco® MPLS トラフィック エンジニアリング(MPLS-TE)対応ルータの計画とプロビジョニングを行う独自の機能を提供します。
Cisco Prime Provisioning は、スタンドアロン製品として提供されるほか、キャリアグレードのネットワークの設計、プロビジョニング、および管理を大幅に簡素化する Cisco Prime Carrier Management アプリケーション スイートのコンポーネントとしても提供されます。
また、Cisco Prime Provisioning は、Cisco Prime Order Fulfillment と共にサービス フルフィルメント製品の一部に含まれる場合もあります。これにより、マルチサービス、マルチドメイン、マルチベンダー製品、およびアジャイル ビジネス アーキテクチャ(ABA)の実現が可能になります。
図 1 Cisco Prime Provisioning の Service Request Manager
図 2 Cisco Prime Provisioning の [Service Request State Chart] と [Service Request Operation Chart]
機能と利点
Cisco Prime Provisioning は、キャリアグレードのネットワークが必要なサービス プロバイダーと企業に、レイヤ 2 およびレイヤ 3 VPN、Any Transport over MPLS(AToM)、キャリア イーサネット サービスのアクティベーションとアシュアランスを行う主要機能を提供します。
- レイヤ 2 VPN およびキャリア イーサネット管理:Cisco Prime Provisioning は、自動化されたプロビジョニングを通じてレイヤ 2 VPN およびキャリア イーサネット サービスの導入を促進します。導入は、キャリア イーサネット VPN、AToM VPN、Radio Access Network(RAN)バックホール、および MPLS Transport Profile(MPLS-TP)ネットワークの自動化されたサービス構成と監査機能を通じて検証されます。
- MPLS レイヤ 3 VPN 管理:Cisco Prime Provisioning は、定義済みのサービス プロファイルを使用して MPLS レイヤ 3 VPN のプロビジョニング、構成、および機能監査を自動化することにより、サービスのアクティベーションを迅速かつ予測可能にします。
- MPLS トラフィック エンジニアリング管理:Cisco Prime Provisioning は、Cisco MPLS トラフィック エンジニアリング トンネルの構成を管理する次のようなオプションのソリューションを提供することにより、音声およびビデオ トラフィックの厳格なサービス レベル契約(SLA)要件を満たします。
- 自動ルート通知
- 自動帯域幅
- DiffServ 対応トラフィック エンジニアリング
- 高速再ルーティング(FRR)
Cisco Prime Provisioning トラフィック エンジニアリング管理は、プライマリ トンネルを計算および構成してユーザ指定の制約に対応し、ネットワーク要素(ノード、リンク、または Shared-Risk Link-Group(SRLG))を保護するための FRR バイパス トンネルを計算して接続と帯域幅を確保します。
- MPLS-TP 管理:Cisco Prime Provisioning は、MPLS-TP 対応デバイスの検出とネットワークで有効な保護されているパスの計算と視覚的な表示を通じて、MPLS-TP ベースのサービスをプロビジョニングする複雑さを軽減してその時間を短縮します。MPLS-TP トンネルの設計、パス計算、プロビジョニング、および監査は、単一の自動プロセスを通じて提供されます (図 3 を参照)。
図 3 Cisco Prime Provisioning の MPLS-TP パス計算とプロビジョニング
- 非同期デバイス更新:Cisco Prime Provisioning は、非同期デバイス更新を通じて新しいサービスの市場投入までの時間を短縮し、新規または改善されたデバイスの Day1 サポートを提供します。拡張可能な新しい Cisco Prime Provisioning のプロビジョニング エンジンは、ソフトウェア アップグレードの必要なしに、デバイス サポートの迅速な開発と配信を可能にします。
- オペレーション サポート システムへの統合:Cisco Prime Provisioning API は、Cisco Info Center や IBM Tivoli Netcool などのサービス プロバイダー オペレーション サポート システム(OSS)との統合を促進します。HTTP/HTTPS/Simple Object Access Protocol(SOAP)要求または応答システム インターフェイスを使用するこれらの API は、Cisco Prime Provisioning のデータを挿入、取得、更新、および削除するメカニズムを提供します。
- マルチベンダー プロビジョニング:Cisco Prime Provisioning は拡張およびカスタマイズが可能であり、このドキュメントで説明しているサービスを提供するサードパーティ デバイスのプロビジョニングに合わせて拡張できます。シスコ アドバンスト サービスは、必要な拡張機能とカスタマイズの作成を支援します。
表 1 に、Cisco Prime Provisioning の機能と利点の詳細を示します。
表 1 Cisco Prime Provisioning の機能と利点
レイヤ 3 およびレイヤ 2 リソースのトラッキング
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ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)自律システム、地域、顧客、顧客サイト、アクセス ドメイン、サービス プロバイダー管理ドメイン、Virtual Routing and Forwarding(VRF)名、IP アドレス、内部および外部 VLAN ID、疑似仮想回線 ID、ルート識別子、およびルート ターゲットなどのリソースを管理します。
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リソース管理の自動化により、時間のかかる手動タスクのコストが削減され、正確さが確保されます。
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迅速なプロファイルベースのプロビジョニング
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サービス オペレータは、サービス ポリシーのレイヤ 3 およびレイヤ 2 VPN プロビジョニング パラメータを定義できます。ネットワーク要素の構成をアップロードし、適切なサービス アクティベーションに必要な構成の変更を計算できます。
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サービスの導入を促進することにより、運用コストを抑制します。サービス アクティベーションのサービス ポリシーを使用すると、サービス オペレータのタスクと必要なスキル レベルが大幅に低減されます。構成を適用する前にアップロードすると、サービス アクティベーションの構成が正常かつ迅速に適用され、既存の構成との競合を避けることができます。
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非同期デバイス更新
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MPLS VPN 管理とレイヤ 2 VPN およびキャリア イーサネット管理の拡張可能なプロビジョニング エンジンを導入することにより、ソフトウェアをアップグレードする必要なしに、新しいデバイス サポートの開発と非同期配信が可能になります。
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新しいデバイス サポートを迅速に開発および配信できるので、市場投入までの時間が短縮され、プラットフォーム サポートをすばやく行うことができます。Cisco Prime Provisioning のエンジンは柔軟で、メンテナンスも拡張も簡単にできます。
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Linux/Cisco Unified Computing System™(Cisco UCS™)/VMware サポート
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Cisco Prime Provisioning は、Linux、VMware、および Cisco UCS の導入サポートを提供します。
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導入オプションを増やし、仮想化環境をサポートすることにより、総所有コストを削減します。
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一貫性のある簡素化されたユーザ エクスペリエンス
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機能コンポーネントのグループ化、ソートおよびフィルタリング メカニズム、メガメニューなどの新しいユーザビリティが向上しています。すべての Cisco Prime サービス プロバイダー アプリケーションが使用する新しい UI 標準が導入されています。
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一貫したユーザ エクスペリエンスを提供することにより、組織の効率性が向上し、トレーニングの時間が削減されます。
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導入の構成プレビュー
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MPLS VPN、レイヤ 2 VPN、キャリア イーサネット、および MPLS-TP 構成のプレビュー機能により、導入前に構成を検証することができます。
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構成のプレビュー機能を提供することにより、運用上の可視性を向上させ、エンドユーザの不安を軽減します。
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誤ったサービス構成の認識
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レイヤ 3 およびレイヤ 2 VPN がアクティブで機能しているかどうかを判定するために、サービス設計のポストプロビジョニング検証を提供します。
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サービスのコマンドがネットワーク要素および関連リンクにあること、または VPN が適切に動作していることを検証することにより、誤ったサービス構成に起因するネットワーク障害のトラブルシューティングにかかる時間を短縮します。
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サービスに影響を及ぼさない修正
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Prime Provisioning は、デバイスの現在のサービス構成を考慮して、必要最小限の構成を作成します。したがって、削除してから追加する代わりに、ほとんどの場合サービスを中断することなく、修正により構成を最小限に変更します。
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ゼロ サービス ダウンタイムにより、顧客満足度が向上します。
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Investment protection for Cisco IOS® ソフトウェアとラインカードの投資保護
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Cisco Prime Provisioning は、プラットフォームと Cisco IOS ソフトウェアの包括的なリストのプロビジョニングと診断をサポートします。
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最新のシスコ ハードウェアおよび Cisco IOS ソフトウェア バージョンの拡張サポートを提供することにより、新しいサービスの市場投入までの時間を短縮し、プラットフォーム、ソフトウェア バージョン、およびラインカードのアップグレードに起因する、カスタマー OSS のアップグレードにかかるコストを削減します。
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帯域幅保護の計画とアクティベーション
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FRR バックアップ トンネルの配置を特定し、重要なネットワーク要素を保護します。バックアップ トンネルをインストールし、リンク障害、ノード障害、または SRLG 障害から保護します。
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音声およびビデオ トラフィックの厳格な SLA と高可用性をサポートします。下位レイヤの保護にコスト効率の高い選択肢を提供します。帯域幅の効率の高い使用により、余分なネットワーク投資なしに、ネットワークでより多くのトラフィックをサポートできます。
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Pseudowire Emulation Edge to Edge(PWE3)を介した ATM および時分割多重(TDM)サービス
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TDM サービス(SAToP および CESoPSPN)と ATM IMA VCC および PVP を PWE3 を介してプロビジョニングします。
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TDM/ATM サービスから、モバイル サービス プロバイダーのオール IP ネットワークへの移行を促進します。E1/T1 TDM および/または ATM 回線は、基地局ルータで集約されます。モバイル トラフィックをハブ サイトに渡すために、トラフィックは疑似配線にカプセル化されます。
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MPLS トラフィック エンジニアリング トンネルの配置、修復、およびネットワークの調整
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帯域幅、アフィニティ、遅延などのユーザ指定の制約を満たす MPLS トラフィック エンジニアリング トンネル パスを生成し、新しいトンネル要求のユーザ指定の制約を満たす修正方法を提案します。プライマリ トンネル配置のグローバルな再最適化は、ネットワーク使用率を向上させます。
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効率的なコア ネットワーク計画とコスト節約を促進します。ボトルネック リンクを特定して、トラフィックを別のリンクにルーティングすることにより、帯域幅アップグレード コストを遅らせたり、削減したりできます。フロースルー プロビジョニングにより、時間やコストを大幅に節約でき、トラフィックエンジニアリング ネットワークの計画と管理が劇的に簡素化されます。
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マルチベンダー対応
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Cisco Prime Provisioning は拡張およびカスタマイズが可能であり、このドキュメントで説明しているサービスを提供するサードパーティ デバイスのプロビジョニングに使用できます。シスコ アドバンスト サービスは、必要な拡張機能の作成を支援します。
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マルチベンダー ネットワークの所有コストを削減します。単一の GUI および NBI を通じて、マルチベンダー デバイスを横断したサービスのエンドツーエンド プロビジョニングを提供します。
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大規模な導入向けのキャリア グレードのインフラストラクチャ
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次のシステム機能を提供します。 Web ベースのシン GUI クライアント ロールベース アクセス コントロール(RBAC) API:HTTP ノースバウンド インターフェイスを介した Extensible Markup Language(XML) データ バックアップと復元
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RBAC は、厳格な運用プロセスを実装するサービス プロバイダーにアクセス コントロールを提供します。バックアップと復元機能は、OS のクラッシュ、ファイルの破損、ディスクの障害、およびマシン全体の障害からデータを保護します。
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製品仕様
Cisco Prime Provisioning の製品仕様については、インストール ガイドを参照してください。サポートされるデバイスのタイプと IOS バージョンの詳細については、互換性情報を参照してください。
システム要件
Cisco Prime Provisioning のサーバ、クライアント、および Web ブラウザ システム要件については、インストール ガイドを参照してください。
Cisco Prime の概要
IT およびサービス プロバイダー向け管理製品で構成される Cisco Prime ポートフォリオを使用すると、組織を強化し、ネットワークや提供サービスをより効果的に管理することができます。サービス中心の基盤の上に構築された Cisco Prime ポートフォリオ製品は、直感的なワークフロー指向のユーザ エクスペリエンスを通じて、統合されたライフサイクル管理をサポートし、Evolved Programmable Network(EPN)、モビリティ、ビデオ、およびマネージド サービスの包括的な管理を提供します。
サービスとサポート
シスコは、お客様の成功を支援する幅広いサービス プログラムを用意しています。これらのサービスは、スタッフ、プロセス、ツール、パートナーをそれぞれに組み合わせて提供され、お客様から高い評価を受けています。ネットワークへの投資を無駄にすることなく、ネットワーク運用を最適化し、ネットワーク インテリジェンスの強化や事業拡張を進めていただくために、シスコのサービスをぜひお役立てください。詳細については、Cisco.com の Cisco Services をご覧ください。
発注情報
Cisco Prime Provisioning は、世界各国の正規のシスコ製品販売チャネルからご購入いただけます。シスコ製品の購入方法については、購入案内を参照してください。
表 2 は、Cisco Prime Provisioning の最新リリースの発注情報を示しています。
表 2 発注情報
関連情報
Cisco Prime Provisioning の詳細については、最寄りのシスコ代理店にお問い合わせいただくか、Cisco Prime Provisioning の概要
(http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/netmgt/prime_provisioning/index.html)を参照してください。